ダンエレクトロのミニペダルシリーズには2タイプのチューナーがある。ひとつはギター・ベース用チューナー(DJ-11)で、もうひとつはクロマティック・チューナー(DJ-25)であり、どちらも青系の筐体である。
一般的にはあまり知られていないことのようであるが、これらのチューナーにももちろんそれなりの名前はつけられていて、DJ-11は「Lemon Pitcher」、DJ-25は「Blueberry Muffin」という。「レモンピッチャー」となったのは、ディスプレイ部の扇形がレモンの輪切りのように見え、しかも筐体全体の形が広口のピッチャーのように見えるからだろうと思われる。とはいえ、今まで食べ物の名前で通してきて、ここにきてレモンピッチャーとはいかがなものか、例えその中に入っているのがレモン水だとしても、かなり厳しい感じがする。それゆえ、この名前は次第にフェイドアウトしていくこととなった。
その後に登場したDJ-25は「ブルーベリーマフィン」と、一応は食べ物の名前になったのだが、これも単純に筐体の色から連想されただけのようなので、この名前もいつのまにかどこかへ消えてしまったのであった。このチューナーの後、ミニシリーズは18・19・23の、3つの欠番を残して終焉してしまった。
名前はともかくとして、これら2つのチューナーは、チューナーとしての精度とは別に致命的な欠陥がある。それは視認性がすこぶる悪いということである。エフェクトボードに組み込んで、ライブの合間にチューニングという状況では、ほとんど見えないのではないかと思われる。大昔なら、サイズが小さいチューナーであるということは大きなアドバンテージとなりえたかもしれないが、現在のように、手軽に扱えるクリップチューナーがあり、しかもその精度がかなり高くなっている状況においては、もはやこれら2つのチューナーの出る幕はなくなってしまったと言うほかないのではなかろうか。
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