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小説家、反ワク医師、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、反ワク医師、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

人間の認識と記憶について

2018-05-23 16:33:10 | 考察文
「学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設をめぐり、2015年2月に学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相と面会した、と学園側から報告を受けたとする内容を、愛媛県職員が文書に記録していたことがわかった。加計氏が学部新設を目指すことを説明し、首相が「新しい獣医大学の考えはいいね」と応じたとの報告内容も記されている。愛媛県は21日、この文書を含む関連の文書計27枚を参院予算委員会に提出した。」

安倍晋三は、愛媛県の、この文章を否定し、「会っていない」、と言っている。

どっちかが、ウソを言っていることになる。



僕の考え。

僕は、愛媛県の言っていることが、真実だと思う。

ただ、安倍晋三は、故意に、ウソをついているとは、思わない。

安倍晋三が、忘れているのだと思う。

(野党は、故意に、ウソをついていると、言っているが)

それは。

人間の、「記憶」、というものは、非常に不確かなものだからだ。

ましてや、安倍晋三は、友人が多く、多くの友人と、会って、ゴルフをしたり、会食したりしている。

その数は、数えきれないほどだろう。



人間の、「記憶」、の不確かさ、に、ついて。

You-Tube で、よく経験することなのだが、好きな映画で、(それを絶対、細部まで、全部、しっかりと覚えていると自信を持っていると思っている、映画)を、一年くらいぶりに、見て、細部の、あるシーンが、自分の記憶と、食い違うのに、驚くことが、結構あるのだ。

これは、人間の記憶のメカニズムのことだが。



人間の、物事に対する認識の方法に関して、僕は、アメリカのジャーナリストの、ウォルター・リップマン、の考え方に非常に共感するからだ。

人間が、物事を認識する時、その認識の方法は、人間の、頭の中にある、特定の記憶に、よって、人間は、物事を認識してしまうのだ。

たとえば。

「家」、という言葉を聞くと、僕は、どうしても、中学一年から、過ごした、鎌倉の家、が、イメージされてしまうのだ。

「スキー場」、と聞くと、自分が、よく滑った、長野県の、戸隠スキー場、滋賀県の、琵琶湖バレースキー場、その他、自分が、よく滑ったスキー場、が、イメージされてしまうのだ。

その他、あらゆる事象で、たとえば、「野球」、なら、テレビで観た、印象深い、野球のシーンが、とっさに思い出されてしまうのだ。

つまり、人間の、物事に対する認識は、自分の脳の記憶を材料にして、形成されてしまうのだ。

だから、You-Tube で、絶対、細部まで、全部、しっかりと覚えていると自信を持っていると思っている、映画でも、一年くらいぶりに、見て、細部の、あるシーンが、自分の記憶と、食い違うのに、驚くことが、起こったりするのだろう。

人間の、記憶力(特に、視覚による記憶)というものは、非常に、精度の高いものである。

人間は、視覚が、一番、発達した動物だからだ。

だから、人間は、人の顔、とか、景色とか、を、ほとんど正確に思い出せる。

だから、人間は、いつの間にか、人間の頭の中には、デジカメ、が、入っていると、錯覚してしまう。

しかし、人間の頭の中には、デジカメ、なんて、入っていない。

人間の記憶力、というものは、視覚で言えば、後頭部にある、視覚の中枢の、神経細胞の、ネットワークによって、形成されるのだ。

記憶は、神経細胞の、ネットワークによって、形成されたものだから、当然、時間が経てば、狂いが生じる。

このことを、人間は、忘れている。

これは、聴覚でも同じ、である。



安倍晋三は、友人が多く、多くの友人と、会って、ゴルフをしたり、会食したりしている。

その数は、数えきれないほどだろう。

たえず、新しいこと、現在の自分が興味を持っていること、のみに、意識を使っているので、過去のことは、本当に、忘れてしまっている可能性があると思うのだ。

忘れてしまっている、ことは、本人にとっては、「やっていない」、こと、としか、思えないのだ。

だから、安倍晋三が、故意に、ウソをついているとは、思えない。

ただし、人間の記憶の、不確かさ、ということに、向き合おうとせず、何としても、実際は、どうだったのか、と、本気で調べようとしない点に、安倍晋三の、不誠実さ、を感じすにはいられない。

彼は、「忘れてしまった事」、を、そのまま、「やっていない」、と断言してしまっている。

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