開業医はヤブ医者ばかり。私も勿論、病人であるから、内科医にかかっている。ここの内科医は、胃腸科、内科、外科、小児科、を標榜している。胃腸科を大きな字で書いてあるのだから、消化器が専門だと察する。私の診察は、決まっていて、聴診器で胸の音を聞くだけである。そして先生は、「音は悪くないですね」と言うだけである。これを10年、続けている。まず、おかしいと思うのは、喘息は、気管支が狭窄して呼吸が苦しくなるのだから、そうすると、患者は寝ていれば、起座呼吸、起きていれば、肩呼吸になって、顔つきも、呼吸の仕方も苦しくなるのだから、これは聴診などする必要などなく、視診、問診でわかることなのである。喘息では、聴診など、ほとんど無意味だと思っている。私にすべき事は、腹部聴診である。私はいつも、腸の動きが悪いから、きれいな、疑性腸閉塞の音が聞こえる。私は時々、大腸の動きの悪さの度合いを知るために、自分で腹部聴診をしている。これは胃腸の動きの悪さに、きれいに比例するので、腸の具合が聴診によって、しっかりわかるのである。しかし、腸の動きは悪くても、我慢できるから表情には表れないから、問診だけでは、腸の具合はわからないのである。「おっかしいなあ」と内心、思いつつも、黙っている。こちらからどうこうして下さい、などと差し出がましいことは言わない。ただ開業医は、精神的にマンネリ化して、惰性でやっているから、精神が鈍化してしまって全然、進歩もヘチマも無いのである。ただ、ここの先生は、性格はいい先生である。なので、性格のいい人は私は非難しない。そもそも開業医で診察が終わってから、医学書を読む人など、いないだろう。診察が終わったら、「あー。今日も一日おわった」とほっとして、ビールを飲みながらプロ野球を見ているのだろう。患者というのは研究の宝庫なのに。
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