小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

検察6

2010-10-11 07:04:14 | Weblog
前田恒彦のフロッピーの書き換えによって、検察の信頼が地に落ちた。取調べの可視化を強く求める声もある。しかし、私は異論がある。

これは、たとえるなら絶対、安全だと思っていた航空会社の旅客機が、事故で墜落し、多数の死者を出してしまった事態と似ている。こういう事態では、その航空会社は世間から徹底的に非難される。だから、事故を起こした後の航空会社は、非常に慎重になる。まず当分は、その航空会社の飛行機は落ちない。

証拠品改ざん、などという行為も、今回の事件で、検察は、徹底的に世間から、非難され、信頼をなくしてしまっているから、検察は、動揺しているだろから、慎重になって、証拠品改ざんなどという行為は、今回の愚行を契機に、まず100%起こらなくなるだろう。

密室での取調べも、検察の捜査は、検察のストーリーに合うように作られるものである、という事を世間にしっかり認知されてしまったから、検察官の取調べの態度も、冤罪をつくることに慎重になって、強引な自白要求ではなく、多少なりとも改善するかもしれない可能性があると思う。

取調べの全面可視化は、まだ決まっていない。しかし、国会や世論の意見は圧倒的に、可視化に向いている。今度、また強引な取調べによって冤罪をつくってしまったら、確実に取り調べの可視化が国会で採決され、法制化されるだろう。それを一番、恐れているのは検察である。だから、検察も取調べが可視化されるのはイヤだから、強引な自白強要が少し改善されるかもしれない。

いきなり全面、可視化するのではなく、少し様子を見ても、いいのではないだろうか。
人間は、何か大きな事件が起こると、極端に走りやすい。

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哲学者

2010-10-11 06:10:37 | Weblog
僕は、このブログで他人の批判的なことを、けっこう書いている。だから僕を二元論者だと思う人もいるだろう。しかし、それは違う。哲学者は一元論者なのである。では、なぜ、僕が二元論的に截然とした態度をとるかというと、それは、僕の中の良心が、他人の心の中の、悪を非難しているだけに過ぎない。もし、僕が、自分の心に悪を見出したら、僕は、自分の悪に僕の良心で正義の鉄槌を下す。また、同時に他人の良心によって、徹底的に非難されたいと思う。僕と他人という区別はないのである。僕と他人という区別はなく、あるのは、ただ、良い心と悪い心の違いだけである。

「私は私に、たまたま生まれついたのに過ぎず、あなたは、あなたに、たまたま生まれついたのに過ぎない。こう思えば、優越感や劣等感はなくなる」

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人間の尊厳

2010-10-11 05:25:40 | Weblog
10月8日にブログで書いた「えみこ」は僕は、僕の彼女だと思っている。
しかし、僕の彼女、という言い方は、ちょっと好きではない。男尊女卑的というか、私が上位であるかのようなニュアンスになるからだ。僕の友達、と言った方が適切だとも思うが、そういう言い方にも抵抗を感じる。友達以上の関係だと思っているからだ。人間の関係は、どっちがどっちを所有したり、所有されたり、する感覚を持ってはならないと思うからだ。私自身、誰かを所有したいとなどは全く思わないし、また誰かに所有されたいとも全く思わない。思わない、というより、人間が人間を所有することは、最も卑しい行為だし、そんなことは、あってはならないと思う。彼女にしてみれば、私は彼女に所有されている人間の一人に過ぎない。一人の人間には、他の人間が入り込むことが出来ない無限の世界を持っているのだ。人間のかけがえの無さは、そこにあるのだ。師弟関係にしても、たとえどんなに優れた師がいたとしても、その弟子が、師の言うことを聞くだけの能力しかなかったら、そんな弟子は、一人の人間としての尊厳も価値もない。自分で考え、自分の意志で行動することにこそ人間の、かけがえのない価値があるのだ。たとえ、その思考がどんなに拙劣な考えであろうとも、そんなことは、どうでもいいことなのだ。自分で考えることを捨ててしまった人間は、もはや人間としての価値がない。だから僕は宗教などというものは、最も愚かしいものだと思っている。宗教の教祖は、人間を奴隷にしようとしているし、信者は、自分から望んで教祖の奴隷となることを選んでしまった愚か者である。

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