夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

詠酒

2016-10-28 20:16:21 | 日記
先日、門脇重綾自筆の和歌掛軸を手に入れることができた。
郵送されてきた品を早速確認してみたが、保存状態もよく、墨跡も鮮明でなかなかよい。
書かれているのは、「詠酒」題で詠まれた長歌であり、この点もすこぶる気に入った。
  
美酒(うまさけ) 恵我(ゑが)の市に 吾が買ひし うまし此の酒 ひとりのみ われ飲まめやも 高山の 峰ゆく鹿(しし)の 友なめて ひきゐつらなり 処女(をとめ)ども 中にすゑおきて 秀樽(ほだり)とり うちあげ遊ばひ ゑらゑらに 酔(ゑ)ひにしゑへば……

と続く。

このブログの読者の方はよくご存じのことと思うが、私はお酒が好きなので(弱いけど…)、門脇重綾が酒を讃えたこの掛軸が、自分の元にやってきた奇縁には歓喜と昂奮を禁じ得ない。
来月、境港である門脇重綾についての講演会の際に、展示品に加えてもらい、市民の方にも見ていただきたいと思っている。