まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

虹 30days blog♪day 3

2020-10-11 19:18:30 | 日記

そんなに頻繁に行っちゃダメなんじゃないのか、と夫に見送られる七里ヶ浜虹さんの食事会。確かに2ヶ月前に行ったばかりだけど、今度はミサリングOG の可愛いお嬢さん達と一緒なんだもん。虹さんの食事会は毎夏開かれるのだが、今はこんな状況なので人数制限があるため分割することになった。横浜市の成人の集いだって8分割だもんね。

目の前に提供されると背筋が伸びる、虹さんのお料理。食べると幸せな満たされた気持ちになると同時に、日々のご飯作りについて反省する。丁寧な仕事、見目麗しいしつらえ、容れ物も念入りに選ばれている。OGのお嬢さん達も感嘆しつつ嬉しそうに食べている。「銀杏を4つも食べたの初めて。美味しい。」って感想にいちいち萌える。

小さい頃からミサリングで育ったお嬢さん達、今回集まった5人中4人が食の仕事に就こうと勉強中。大学だったり専門学校だったり独学だったり、身を置いているところは違うけれど、それぞれかなり明確なビジョンを持って学んでいる。彼氏や友達と楽しく遊ぶにはどうしたらいいかばかりを考えていたわたしとは雲泥の差である。こんな状況なので(アゲイン)学校の授業もオンラインや間引きや短縮になってしまっていて、焦りや苛立ちを抱えながらとにかく課題に取り組んでいる。調理の実習なんて現場で教わるしかないだろうと思うんだけど、自宅で卵茹でて写真撮ってレポート提出だなんてことも言われちゃうらしい。レポートだってデータなのかと思いきや、紙ベースのものもあるので、自宅のプリンタで印刷したり、プリンタ持ってない人はコンビニで出したりするんだって。余計なお金はかかる上、授業料はフルで支払ってるし、今一番ワリを喰ってるのはこのへんの学生なのかもしれない。在籍してるんだから授業料はかかるって言われたらまあ黙るしかないけど、閉鎖されてる寮の費用を請求されるのはどういうことだろうか。

学校では多種多様な子らと一緒になる(中国や韓国から留学してくる子もいるとか)ミサリングOG、「きちんと片付けながら材料を無駄にしないできれいに作る」が身についてない子がいっぱいいるんだと驚いている。前にもあるOGが、「先生が生クリーム立てるのに氷で冷やさないでやってるからソワソワした」って話してたな。しかしそれはどっちかというと、ミサリングのスキルが特別なんだと思う。だからこそ虹さんの年末大仕事「150組のお節作り」に手伝いを請われるのだ。一流の和食料理店が堂々と売り出すお節を高校生が手伝って作ってるなんて、ちょっとびっくりするけど、うちの子達はどこに出しても全然問題ない。本当に素晴らしい。それに、虹さんで働けるという貴重な体験は必ず将来彼女達の役に立つ。虹さんも助かる。win-win.

技術的なこともそうだけど、彼女達の気になることに「職場の人間関係」っていうのがあると聞いて、へええと思った。職人が集まるところには、もしかしたらわたしのような一般企業しか知らない者には想像もつかないようなセンシティブな関係があるのかもしれない。一人の子はつい最近バイトを辞めたんだけど、理由は「店長の性格に難があるから。」女の子が集まるスイーツの店なのに、ホールに響き渡るほどの罵声をあげたんだって。OGちゃんは焦って「めっちゃ高い声出してテンションあげて接客した」(目に浮かぶよ)んだけど、みんなそそくさ食べて帰ってしまったそうだ。働く環境は大事だけど、わたしが思うに、その場に行ってそこの人と話せば、大丈夫かそうでないかのアンテナはちゃんとここにいる子らは持ってるんじゃないかな。とはいえ今や「オンライン就活」の時代だからな。それから、わたしも最近覚えたんだけど、「一緒に働く人を必ずしも好きにならなくてもいい」んだよね。全部引き受けよう、受け止めようとすると疲弊するからね。

それにしてもこんなふうに、自分の未来に真正面から向き合い、真面目に努力し、だけどちゃんとしなやかさも持ってる、個性豊かな素敵なお嬢さん達を束で眺めていると、なんだかとても嬉しくなる。ミサリングファクトリー14年目の底力。今はちっちゃくてわちゃわちゃしてる生徒ちゃんも、必ずこんなふうになるんだもんね。

とりあえず来週のりんごの皮剥きレッスン、アシスタントがんばろうっと。