まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

カフェラボ。

2021-02-18 21:13:06 | カフェ

カフェ、やりたいなあ。

そんなふうに思うことはありませんか?

普段のお仕事に疲れて

ふらっと入ったカフェで

美味しいコーヒー飲んで

静かに息を吐いて

周りに目をやると

思い思いに寛ぐ人の優しい表情

親しげに顔を寄せてヒソヒソおしゃべりするカップル

忙しく働きつつも生き生きしているマスター

カフェっていいなあ

カフェやってみたいなあ

コーヒーは大好きだし

ケーキも作るの得意だし

お客さん対応も自信あるもんね

内装は大好きなミッドセンチュリーで

カップとソーサーはどこそこの窯で

出店するのはあの街かな、あの駅かな

なんて、楽しい妄想のひととき

ただ、シビアな話ですが

そんな妄想を抱く人の中で

実際に店を開いてそれを10年経営継続できる人は

割合にしてわずかです。

その、希少な存在のうちの一人

横浜は白楽にある超人気店のマスターが

カフェ開業指南をしてくれています。

それがカフェラボです。

10年ほど前、横浜に転居して数年後ですが

隣町に面白い店があるらしいという情報を

夫が見つけてきました。

マスターとお前同い年で同じ大学らしいぞ、っていうので

まさかと思って卒アル見たらしっかり載っていらっしゃいました。

普段の接客はとてもジェントルで声も優しいのですが

閉店後に月イチで開催される弾き語りは超絶パワフル

その後お近づきになるにつれ、圧倒的なバイタリティに打ちのめされ

大ファンになってしまいました。

数年して始めた、カフェ開業指南のブログは

マスター曰く、社会貢献の一貫なのだそうです。

何百冊も経営に関わる本を読み漁り、有名店へ修行に行き、専門学校の門を叩き、

マーケットリサーチをして、設計士とやりあって、

そうして得た「メソッド」を後進へ惜しげなく伝えようというもの。

そこから派生した「カフェラボ」は

マスターと、同じく個人事業主である2人の3人が運営するオンラインサロンです。

今日は、毎月1回のスタッフミーティング(わたしはいつも書記として参加)を

クラブハウスの試験配信にしてみました。

設定にあたふたしたりして、本当に「試験」だったけど

声での気軽なやりとりはなかなか面白かったです。

カフェラボ、全国に会員がいらっしゃるので

わたしはいつか北海道から順番に南下して

全ての会員さんのカフェにお邪魔したいなあと思っています。

夫は珈琲を淹れるのが上手だし

わたしはお菓子をそこそこ作れる(13年通っててそこそこかよ、と師匠に怒られるな)ので

カフェやっちゃいなよ、とよく周りに言われます。

楽しそうだなあ、とは思います。

ただ、マスターを見るにつけ思うのは

私たちには同じことは到底できない、足元にも及ばない、ということです。

カフェラボは、「カフェやりなよ、簡単だよ、教えてあげるよ」っていうんじゃなくて

「カフェやるって覚悟がいることだよ、もし覚悟決めたんなら全力で応援するよ」ってところです。

わたしはサラリーマンですがこれといって面白い仕事をしてるわけではありません。

あ、そうは言っても時々は面白いことはあります。

だけどやっぱり、時間を切り売りしてる、の範疇を超えません。

ただ、それをぶっちぎって、起業する才覚があるんだろうか、

でも、じゃあ、定年まで勤めたとして、

その後の人生どうするんだろうか、

など、グルグルします。

そろそろグルグルしてる場合でもないんですけどね。

カフェラボの書記をしながら、そんなことを考えています。

一応宣伝もしときます。

www.cafelabo.net


チャブダイカフェ 元町ファイナル

2017-06-04 17:30:19 | カフェ

SNSに流れてくる記事を拾い読みすると、たまにとんでもなく面白いことがある。
今朝はついつい夢中になってしまい、危うく入れたばかりの髪切り予約に遅刻するところだった。
それは期間限定の食堂の話。ホールスタッフに認知症レディを起用。
オーダーしたものと違うものが来るかもしれないけど笑って許してねテヘペロ。
実際、取材を受けたホールのAさん、お客のいるテーブルに向かうも
「何をしに来たんだっけ?」と立ち往生。「注文取りに来たんじゃないですか?」と客。
食事するまでが果てしなく遠い食堂。でもそのやり取りと運ばれてくるものを見るまでのスリルが楽しそう。
Aさん、だんだん調子が出てきて、終わった頃のコメントは
「新しいことをするってワクワクするわね。」
うっかり泣いた。

ところで私の身の回りで一番
「新しいことをするワクワク」を持ってるのは
チャブダイカフェのそのまえにご夫妻。
2年弱、ご自宅で開催してきた
チャブダイをまあるく囲んでうまいもの食べてうまい酒飲んで
ワイワイするカフェが
とうとう近日中に店舗としてオープン。
物件決まりました!というお知らせをいただいて
わあすごいなあなんて言ってる間に
あれよあれよと事が進み。
というか、毎日恐ろしい勢いでいろんな人といろんなことを
決めていかなきゃならないそのまえにさん、
スーパーナチュラルハイ。

昨晩は元町のご自宅で開催される最後のチャブダイにお誘いいただいた。
感慨に耽る暇もなく、一体何人いるんだ?というぎゅうぎゅう詰の客のために
串揚げを次から次へと揚げる揚げる店主。配る配る女将。
うずら卵、しいたけ、ヒレ肉、生姜、玉ねぎ、ハム。
特製のシャバシャバしたソースにつけてムシャムシャ。
アジフライにはうま塩かけてハフハフ。
ホッピーは開けたら王冠集めといて会計時にカウント。
いろんなところでいろんな人がてんで勝手な話題で盛り上がる。

初めましてのひととも楽しく話せるし
いつもはお菓子教室で一緒の友達とは
いつもとはまたちょっと違うテンションで盛り上がれるし
チャブダイの魅力はそこに満ちてる空気の温かさ。
きっと新店舗にもそれをたっぷり満たすんだろうな、
このスーパー素敵なご夫妻は。

新しいお店のことをあれこれ伺って
こちらまで勝手にウキウキしだす。
引っ越し手伝いますよ、何なら内装も、なんていうと
じゃあ「漆喰」塗りに来てもらうかも、と言われ
行く行く!漆喰なんて塗ったことないけど!と笑う。
ガッタガタな仕上がりになっても
「ここはちかさんがやらかしたんだよねまったくもう」なんて
後世まで呆れられるのもまた面白そう。
あ、いやだから、そこはプロの方がいいかもしれないよ、
もっかいよく考えてね。

お菓子も作れるようにできたら、とか言うから
え、私会社辞めていい?って聞いてみたら
いやーちかさん雇えるまでにどんだけかかるかわからない、って
ちょっと困ってた。
でも素敵だなあ、チャブダイおやつ担当。
早く稼いで雇って。

「今、うち、神風吹いてますから」と
並んで大いばりのそのまえにさんとさとみにゃん。
間違いない。なんて神々しい。エプロン粉だらけだけど。

そんで肝心のメニューについては
「チャブダイカフェです!」とだけ。
詳細は待てってことらしい。
というか今メニューについて考えるまえに
やんなきゃいけないこと山盛りらしい。

お暇するとき
「よく食べて、よく飲んで、よく寝てね。」って言ったら
任せといて!って言ってたさとみにゃん。
自分らのワクワクも
みんなのワクワクも全部全部乗せて
fly high!
くれぐれも体大切に。

弘明寺まで定期買おうかな。
アイザックエレメントに架空社員登録してもらって。

チャブダイ元町ファイナル、
お誘いくださったそのまえにさんご夫妻、
ご一緒した愉快な皆さん、
ありがとうございました!

移転サリサリ

2016-09-11 12:02:25 | カフェ


おもしろいカレー屋に行かない?
と、妹ちゃん1を誘って
白楽待ち合わせ。

駅からの坂道を降りながら
これから行く店の話を
ざっくりと伝える。

若い頃商社マンだったマスターが
仕事先で食べたパキスタンのカレーに
はまる。
北海道の自宅にパキスタンから
教えてくれる人を呼び寄せ
オープンしたカレー屋が大当たり。
でも寒いのが苦手なマスターは
店を息子に任せてじぶんは南下。
最終目的地宮古島の、横浜は中継地。
外装、看板が怪しすぎるけど
カレーは万人受けする美味しさ。
愛人に手伝わせてるが
これの働かなさすぎるのが見所。
今月、移転したばかり
とはいえ道いっぽん渡っただけね。

ふんふん、と聞きながら歩く
妹ちゃん1、店に到着して
うあぁ…と絶句。
ドアに手をかけるわたし、
あれ?開かない?
まさかの引き戸だった。

中に入る。
愛人ヒロミはきづかず。
しばし立つ。
ヒロミぼーっとしてる。
しょうがない、ここ、座っちゃえ。
椅子を動かす音でヒロミやっと気づき

水持ってくる速度が二倍!

そっか、店が広くなったからか。

水を置いてすぐに去るヒロミに
おどろく妹ちゃん1。
あ、ここ、食べるもの一種類だから、注文とらないよというと大笑い。

サラダとかないの?お茶は? 

みーんなセットだよ。
あ、ビールもあるけど
前にともだちが頼もうとしたら
店員が、いまいそがしいって断った。

呆れる妹ちゃん1。
そしてまわりを見渡し
ここ、もうちょっと整理したら
あといっこテーブル置けるねー、
という。

前の店にあったものを
広い場所に移動して
配置しなおしたので
雑然とあやしい感じが
薄くなってる。

いまのが愛人だよ、というと

え?!あれ、女なの?!
てっきりここのマスターって
ああいう女装のひとかと
思っちゃった!
なんでさっきちかちゃん
それを言ってくれないの?と
思ってたよー

もしそうなら、真っ先に言うってば。

サラダがやってくる。
相変わらず不揃いの
ソーサー。
きゅうりの超厚切り。

カレーも相変わらずの
適当盛り。
なんでごはんがこんなに
潰れてるのー?と妹ちゃん1。
でも食べたら美味しいって。
ほっとした。
うん、当たり前だけど
前から変わらない味。

食べ終わり、ヒロミが
皿を下げにくる。
ふたりともキュウリきらいなの?と
ヒロミ。確かにふたつのソーサーに
キュウリがごろんと残ってる。
あたしキュウリだいすきなのにー、と
笑うヒロミ。
ヒロミにキュウリは違和感しかない。

チャイを飲みながら、妹ちゃん1が
メキシコシティの友達のうちで
乳搾りをやった話を聞く。

その家ではパパが毎朝6時に
フランダースの犬に出てくるような
でかいブリキのミルクいれに
なみなみと搾ってくるのが日課で
やってみる?といわれて
恐る恐るひっぱったんだけど
ぜんぜん出てこないわ、
牛は痛くて怒りだすわで
大変だったんだって。

搾ったミルクは殺菌のため
大鍋でぐらぐら煮る。
上に張った膜は集めておいて
あとでお砂糖焦がしたのを混ぜて
やわらかなキャラメルみたいな
おやつを作るんだそう。

あつあつのミルクに
インスタントコーヒーを入れる。
ものすごくおいしい。
でも慣れてないとおなかがゆるむから
一杯にしときなさいねと
ママがいう。
そしてママ本人は乳糖アレルギーで
ラクトフリーのミルクを
買ってきてるんだって。
せっかくそんな環境にいるのにね。

そんな話を聞きながら
妹ちゃんとはいえ一緒に暮らしてたのは18年で
そのあとの30年は彼女が日本にすら
いなかったりもして
わたしが知らない面白いことや
しんどかったことがまだまだたくさん
あるんだろうなぁと
思ってた。

またサリサリデートしようね。












中国茶的世界

2016-09-05 21:59:16 | カフェ
日本茶も紅茶もウーロン茶も
同じお茶の木の葉っぱなんだよ、って
小さい頃に聞いた時
いったいどうしたらそんなことが
できるんだろうと不思議だった。
確かその時に受けた説明は
日本茶は発酵させない、紅茶は発酵させる、
ウーロン茶は半分だけ発酵させる
っていうやつで
ますますよくわかんなかった。
もう仕方ないからそのまま
不思議だなーと思いながら
いろんなお茶を飲んでいた。

こないだのちゃぶ台カフェで
そんな不思議な世界の入り口を
チラ見させてくださった
河野さん
ぜひお茶会を!という周囲の声に
応えてくれた。

用意してくださったのは

序 阿里山 台湾高山烏龍 (青茶)


一 白豪銀針 超特急 福建省 (白茶)


二 碧螺春 09 明后前期愛子 (緑茶)


三 宝珠 (緑茶茉莉花茶)


四 白豪烏龍 東方美人 (青茶)

五 黒茶

白茶は低めの温度でしっかり抽出、お出汁のような旨味。
緑茶は日本茶にも似ているけれど香りが特徴的。
くるんと可愛らしい姿の葉っぱ、華やかで心地よい香りのジャスミン。
葉っぱが緑色で、くるっとしてて、香りが素晴らしいのでその名がついた碧螺春。
東方美人、ドライアプリコットみたいな甘い香り。
最後の黒茶は、10年物。あと20年寝かせると、最高に美味しくなるんだって。

はじめは、炒め物として食べていた植物だというので


お茶を飲んだあとの葉っぱを食べてみたり。
食べるのに不向きなものもあるんだって。


みんなで持ち寄ったお茶うけ。どんなものが合うのか手探り。
あとで聞いたら、黒茶にはチョコなんかもいけるらしい。



河野さんは持ってる情報を惜しみなく開示してくれながら
次々とお茶を淹れてくれる。
なんだか時間の流れ方がとても緩やかに心地よく
4時間も長居してしまった。

広大なかの国のことだ。
地域によって気候も環境もまるで違うところで
たとえ同じ種類の植物でも作られるお茶は様々。
めいめいが好きなお茶を持ち寄って、卓を前に
長時間あらゆる話(政治だったり策略だったり)
をしながら、互いのお茶を交換しつつ飲む。
おそらく、「この段階になったら芳香でテンションを上げていこう」
「ここはむしろリラックスできる落ち着いた味わいで」
なんていうセッティングもされたに違いない。
子供が生まれると、黒茶を固めたものを誂えて飾り
成人や結婚の節目の祝いに淹れる、というのも
面白かった。

小銭をくれたら、お茶が飲めるんだけど、
と話しかけられたことがある。
ロンドンの小さな公園で、相手はホームレスの老婦人だった。
21歳の私は恐ろしくて逃げるように去ってしまったが
そういう時は気前よく小銭を渡すものだと
後から誰かに教わった。
お茶くらい、みんなが飲めなきゃね。とその人は言い
確かにその通りだなと反省したんだった。

この世で一番手っ取り早く確実に幸せを感じられるのは
お菓子を作ることだと思っているのだが
そこにもう一つ
「美味しいお茶を淹れること」
というのも追記しよう。

河野さん、たくさんのおもてなしをありがとうございました。
ご一緒した皆さん、楽しい時間をありがとうございました。






すいかにかえる

2016-08-28 00:59:33 | カフェ


言い忘れたけど今月のちゃぶ台カフェの裏テーマは
(裏なんてあるのかわかんないけど)
「クリエイターズナイト」だったの

そんなところに超普通な人であるわたしが
いてもいいのか不安だったけど
今夜もおかげでとってもおもしろいものを見て
興味深い話を聞けた

プロダクトデザイナーのK氏による
中国茶の振る舞い
いったいどんだけ引き出しあんねん、の
代表であるK氏の
またすごいお宝を拝ませていただいた

一杯の容量はせいぜい10cc
大さじよりも少ないそれを
驚くほどゆっくり時間をかけて
何杯も飲み干す
お湯の温度だの浸水時間だのは
茶葉の状態を見ながら
飲みたいイメージの味になるよう
調整するのだそう

葉によっては「洗茶」をする
一旦注いだ湯は飲まないので
流すんだけど
その時に湯をかけて遊ぶのが
この子なんだって

すいかに乗っているかえるのモチーフ
うんと頭を持ち上げてお湯を待ってる姿が
なんとも愛らしい
すいかにかえるというのは
日本で言えばヒマワリに麦わら帽子という
夏のど定番なんだそう

茶玩具には自然物をあらわしたものが
たくさんあって
例えば「にんにく」なんていうのは
元の白い色が茶湯によってだんだん
色がつきツヤが出てくる変化を
楽しむものだとか

見れば見るほどチャーミング
ふとムスメが、これ和菓子にならないかな、という
練り切りに羊羹かな、いっそアイシングもいいな

日常で食べるものを買うとき
かの国で作られたものには手を出さない私
以前一緒に仕事したチャイニーズも
ベースの感情は反発、怒り、疑いなんだなと
思って見てたけど

一度懐に入れば情に篤い、というK氏の言葉を聞き
この、ただお湯をかけるためにだけ作られた
可愛らしい玩具を見て
表面的なものだけで判断してはいけないのだなと
反省した

貴重な葉をわけていただき
大喜びのムスメ
しばらくしまいこんでいた茶道具を
引っ張り出してこよう