帰らなくてもいい焚き火、をしたくて、渓流沿いの小屋へ。
チェックインしてすぐ、テラスの前で焚き火台に火を熾す。今日もいつものように松ぼっくりの組体操に麻縄の仕立て、ファイヤースターターで小さな火を作って育てる。対する実氏はにゅるっと着火剤かけてガスライターで速攻でかい炎を作る。ほどなく管理人さんが「あと30分で雨が強く降ってきますよー」と叫んでまわってくる。しかし実氏の用意してくれた頑丈なシェードのおかげで火は無事に燃え続ける。人間はちょっと肩とか濡れるけどそれはまあいっか。
隣のサイトではボルゾイとサルーキのミックスだという犬が、雨の中細い背中を丸めている。
実氏が美味しいラム肉のTボーンステーキを焼いてくれる。鉄板で焼いた後、ラージメスティンに納めて少しだけ蒸し焼きにしてしばし放置。最高の火通りの肉が完成。黒胡椒ニンニクやタレでわしわし食べる。
私は道の駅で見つけた、富士山型のなすと万願寺とうがらしを素焼きする。ミニトマトはそのままだとちょっと硬くて、炙り焼きのち皮を剥いて塩を振る。
煮出しコーヒーを淹れてもらって、貸し出し布団を受け取りコテージに敷き詰めたら、15キロ離れた温泉へ。一寸先しか見えない闇のオフロード、怖がるわたしに反して大興奮の坂本氏。
帰ったらテラスにバーナー出してきて、道志ポークの厚切りバラを炙って食べる。それから、風呂から出てきたばかりだというのに、また焚き火台に火を熾す。空を見上げると、灰色の雲がときおり風で切れたところに星が瞬いている。キャンプ場の薪は湿っていて、白い水蒸気が漂う。ルイボス茶を飲みながらだらだらと炎を眺め、そろそろ寝ようかと片付けたら午前一時をまわっていた。灰と煙にまみれて就寝。
翌朝も雨、だけど屋根のしたで湯を沸かしてチリトマ食べたりソーセージ焼いたりして幸せな朝ごはんを食べた。ちょっと大げさかなと思ったけどかばんに突っ込んできたライトダウンがあって助かった。そのかわり、かなり気を使って用意した虫対策グッズはほぼ無用だった。
チェックアウト後、山中湖のおハイソなホテルの日帰り入浴。そぼ降る雨の中の露天風呂はひとりじめ、なんだかシュール。それから超人気のほうとう屋へ。湖の際のじゃり浜に車を停めて一時間ほど順番を待つ。鴨ほうとう、冷えた身体に沁みる美味しさ。真夏のはずなんだけどな。
帰りはじゃり浜に松ぼっくりを発見、振り返ると立派な松の木があって、木の下を三人で探して大量にびしょ濡れなのを集めてきた。家に帰ってガレージに転がしておく。乾いて良い着火剤になるだろう。
早朝の靄がたなびく雨に濡れた木立を眺めながら、実氏にダイビングの話を聞いた。ピーク時は32メートル素潜りしたというのだが、酸素を温存するのに大切なことは「何も考えないこと」なのだそう。何しろ一番酸素を喰うのは脳みそなんだって。深い広い海の中では、何かを考えたところでまったく無力で、できることといったら与えられた状況に適応することだけ。そのおかげで、水の上の生活の中で起きた辛いことや嫌なことを忘れていられる。私には素潜りは出来ないけど、一番それに近いのが、火を熾して育てて眺めてることなんだと思う。
メモ
・スカイバレーキャンプ場(道志村)
コテージ8畳8500円
掃除がゆきとどいている
管理人さんナイスキャラ
・紅椿の湯
Web割引1000円
熱&冷の内風呂、露天風呂
休憩所広い
・道の駅どうし
裏の河は入場禁止になっていた
水が汲める
らーほー(らーめんほうとう)醤油味美味しかった
黒胡椒にんにく、肉にもラーメンにも合う
・ホテルマウント富士
日帰り入浴2200円
展望のよい方は10時までで入れず、もうひとつの方へ
熱&冷の内風呂、露天風呂
・小作 山中湖店
鴨ほうとう1600円
・山中湖そばのドッグカフェ
紅富士クリームソーダ650円