まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

美味しいスープ

2018-01-22 18:32:18 | 日記


何年か前に体調崩して寝込んでいたら
父がうちにやって来て
カレーとスープを作って
置いていってくれたことがある。

自慢じゃないが私の父は
家庭があって家族がいることを
しばしば忘れてるんじゃないかしら
ってくらい自分のことしか眼中にない人で
サラリーマン時代に家族のために
お台所に立ってる姿なんか見たことない。

それが引退して自分も大病して
動けるようになったら何故か
お料理することが楽しくなったらしい。
5種類くらいの具の入った
焼きおむすびなんかとっても好評で
そうこうしてるうちに
テレビの料理番組見てはメモるまでに。

そんな父が我が家のお台所にやって来て
あれはどこだ、これはどこだと言いながら
きちっと正方体に野菜を刻むのを
不思議な思いで見ていた。
熱もあってぼうっとしてたしね。

いろんな野菜の入ったキーマカレーと
中華風のかきたまスープは
グダグダになった体に染み入るようだった。

昨日、おなじみのチャブダイカフェで開催された
「ふじえもんVS宮城さん スープ対決」は
毎日帰りの遅い彼女ちゃんと2ヶ月前から一緒に暮らし始めた
ふじえもんと
大手術の後だから、お勤めに出るのはもう少し待ってと奥様に言われ
主夫をやってる宮城さんが
腕をふるって作ってくれるスープを審査員が食べて
勝敗を決めよう、という企画。

審査するのはちょっと大変そうだけど
それよりも、あの二人がどんなお料理を作るのか
どうしても知りたい欲求に負けて参加。

試合開始の20分前くらいに到着したら
ふじえもんは大量の白菜を刻んでいて
宮城さんは鶏団子をせっせと作っていた。
ふじえもんのデニムのベルトには
片方にタオルが挟んであって
もう片方には白菜の一番外の葉が入った
スーパーの袋がぶら下がっていた。
いつも野菜を切るとき、後で他に使うものは
切りながら腰の袋にポイポイ入れるんだそうだ。
画期的・・・

審査員6人が揃ったところで、まずは自己紹介。
そういうの淀みなくやっちゃうふじえもんに対して
「ここは採点対象じゃないですよね」と怯える宮城さん。

スープの正体についてはサーブするときに説明する、とのことで
厨房をチラチラみながらおしゃべりタイム。
こちらはこちらで自己紹介してたんだけど
考えてみたらここを主役二人が全く聞いてなかったってどうなの。


さて、先攻はふじえもん。
白菜とブロックベーコンのタイピーエン風スープ。


丼の下に敷かれてたのが堅焼きポテチなことにびっくり。
うずらの卵の水煮は、一晩めんつゆに漬けたんだって。
白菜の甘みとプルップルベーコンの美味しさ、
全部吸い込んだ春雨の旨さ。
ポテチはお湯に戻されて芋になった。びっくり。


そして後攻、宮城さん。
塩へらスープ。


なんと塩麹から手作りだそうですよ。
豆腐の入ったふわふわ肉団子が美味しい。
人参はお花の形に切ってある。
そして切り屑は刻んでお団子に入れる。主夫の鑑ですな。
塩分を控えめに、でも美味しさは損なわず。
ガーリックパウダーやだしパックなど
使ってるアイテムがかなりたくさんなので
奥行きのあるスープ。


採点は「コスパ」「見た目」「美味しさ」で評価。
な、悩む。本当にどちらも美味しい。勝ち負けじゃない。
最後はもう、好みですよね、と言い訳しながら
審査員は無理やり採点を終えました。

審査結果を「俺発表できねー」と
はるかちゃんに丸投げする大将。こら。
皆さんの総評も可愛らしく読み上げてくれ、
得点発表。僅差で塩へらスープでした。
おめでとうさまです。
タイピーエン残念だったけど、とても美味しかった。

男の人がたまにする料理って
材料に大金支払ったり道具に凝ってみたりしがちだけど
この二人は正真正銘、愛する家族のために
毎日のようにお料理してる。
買い物に行きながら値札見ながら、
あ、これ安いからこれにしようっと、
それじゃ献立はこんな感じだな
うちにあれあったっけな、あとはじゃあ
買い足すのはこれかな
なんて健気に堅実にやってる姿が
手に取るようにわかるスープだった。
なんかね、それって本当にかっこいい男だ。
普段作る側の審査員女子たちがメロメロになるのも
うなづける。
そんなメロメロ女子、じゃなかった、
かっこいい男子を見て、サカモトさんが
「俺もなんか作ろうかなあ」とまで言っちゃう。(おおっ)


そして、チャブダイ特製サンドイッチで〆でした。

今回の対決のために、ふじえもんは3回、宮城さんは4回
試作してるんだそうで
「当分このスープはもういいかな」って宮城さんの奥様談。
二人の奥様のご協力にも感謝します。笑

企画してくださったチャブダイ大将、おかみにゃん、
美味しいスープを作ってくださったふじえもん、宮城さん、
ご一緒した皆さま
ありがとうございました。

チャブダイノオイワイ

2018-01-17 23:01:53 | お菓子作り


いつも楽しいオーダーをくださる
チャブダイカフェさん。

今回は、一度に3人をお祝いするケーキ。
プレートなんて書きましょうか?って聞いたら
結構なボリュームのお返事が来たので
大きなハートのプレートを
二つも買って来て
アイシングを練る。

深夜でボケボケしている上に
慣れない作業で
卵白が多すぎたみたい。
どれだけ粉糖を足しても
いい感じの硬さには遠くて
最終的にものすごい大量に出来ちゃった。

本体のケーキは
ビスキュイ、ババロア、クレームシャンティショコラブラン。
その全部に抹茶が使われている。

本家イルプルのルセットだと
とてもお高い抹茶を使うんだけど
予算のあるものなので
製菓材料店で上から二番めくらいのお茶を選択。
イヴォワール(ホワイトチョコ)もペックは買えなかった。

ちょっと前までは
そういう「妥協」に抵抗があったけど
今は、これこれこういう条件で作ってね、って言われるのが
とても楽しい。
あ、妥協といっても、小麦粉は国産を使うなど
安全ラインは守ってる。

作るのも持って行くのも
予想外の事態が起きたせいで
なんだか綱渡りだったけど
無事にお届けできてよかった。

チャブダイカフェさんへケーキを持って行くと
お客さんの歓声も聞くことができるし
大将が必ず「うちのパティシエです」って
紹介してくれるので
「ありがとうございます」って
ニコニコお礼を言っていただけるので
とても幸せな気持ちになる。

そして「ケーキにろうそくたてるのキライ」なんて
日記に書いちゃったもんだから
大将がろうそくを刺すための
ちっちゃいお菓子(市販)を用意してくれてる。
ご、ごめんなさい。
次回からは遠慮せず本体にがっつり刺してください。

それにしてもデコレーション、もっと頑張らないと。

さて
作りすぎたアイシング消費のために
週末はクッキー焼くか・・・

マイ ラブリー シスター

2018-01-14 21:57:41 | 日記

三姉妹の真ん中
目一杯自分をアピールしないと
生きていけない不遇の妹ちゃん

10代の終わりにカナダ、アメリカと渡り
なんか自分はこっちのが合うとか言って
20代のほぼ全部を彼の国で暮らし
ビザの関係で一時帰国するも
機会あれば出て行ってやると
虎視眈々と狙ってる
が、なかなかそれが訪れないまま
今は某有名製薬会社の
招待研究者(スッゲー我儘)のセクレタリーを
やっている

明日が誕生日なので
ランチしない?って誘ったら
実家に行くから一緒に行こうよって言われ
ウキウキとケーキ作って出かけて行った
ママにうっかり伝え忘れたので
しっかりダブったホールケーキ

ショートケーキのショートって
どういう意味なんだ?って
電子辞書で調べるパパ
最近使えるようになったのが
嬉しくてたまんないらしい
だけど出た結果がしっくりこないので
妹にスマホで調べさせるママ

結果、「よくわかんない」ことが判明

そんな妹ちゃん
最近漢方医にかかったらしい
自分とこの製薬会社の薬じゃないけどいいのかな

そしたら
ものっすごいコミュ障の医者で
処方してくれた薬は
古臭い機械にいろんな漢方をぶっ込んで
がががががっと半透明の袋に詰められたやつ

受け取る時にパッケージを見たら
使われている薬の名称が
一切記載なかったので
受付女子に「表示無いんですけど、書いてくれませんか」
と言ったら「できません」と言われ

「何が入ってるのかわかんないものを
私は飲むんですか」

多分英語を棒みたいに翻訳した日本語で訴えたら
受付女子は見たことない珍獣に噛みつかれたみたいになって
奥に駆け込み結構大騒ぎして
挙句ポストイットに6個くらいの薬品名を
殴り書きしたやつを渡してくれたんだそう

彼女はそれを全部グーグル検索したところ
劇薬に相当するものが入っていたので
薬剤師の資格のある同僚に相談したら
「あー、それね、風邪の時にはよく使われるよ」
って言われて少し安心したけど
具合良くなったらやっぱり不安になって
飲まないことにしたんだと

きちっとしてるところ
同じオヤから生まれたとは
思えないなあ

帰りはママも一緒に駅まで出て
ユニクロで買い物して
また来月(今度はママの誕生日)ねーと解散

妹ちゃん、はぴば
この一年楽しいことたくさんありますように

星降る焚き火bar

2018-01-14 11:02:42 | 日記


冬の深夜に燃えさかる炎を見つめる
大の大人が十数人。

秘密基地オーナー、ヌマさんより
「みんな変態」と
ありがたい称号をいただく。

飛騨の山奥で50年静かに暮らしてたヒノキが
なんの因果か丸太になって
からっからに乾燥させられ
チェーンソーで十文字に切れ目を入れられ
それは美しいスェーデントーチになった
その最後の最後まで
燃え尽きるのをこの目で
見届けたい

そんなことしたら夜が明けてしまうので
抜いた奥歯みたいになった
真っ黒な炭に最後のお水をかける。
ほわっと白い水蒸気が
冴え冴えとした星空に上っていく。

チャブダイカフェプレゼンツ
「星降る焚き火bar」
久しぶりの開催に
昼過ぎから20人ほどの大人が
入れ替わり立ち替わり。

バーベキューのエリアでは
伝説の焼き場職人、岩野夫妻が常在。
「ベーコン焼けたよー」
「ウインナ焼けたよー」
「厚揚げ焼けたよー」
と、ひっきりなしにコール。

石窯もガンガンに炭を起こして
熱してくれていて
私が到着した時にはすでに
いつでもカモン状態。


お手伝いを募って
アップルパイを組み立てて
石窯に放り込む。
あっという間にバターのいい香りが立ち込め
パリッパリに膨らんだパイの出来上がり。



大将はダッチオーブンで
甲州鶏をまるっと焼き上げ。
ほろほろくずれる柔らかさ。

チルドのピザを焼いてくれる人
可愛い苺をたくさん持ってきてくれた人
蛍烏賊の魚醤漬けなんて珍しいものも。

他にもきっとたくさんあったと思うけど
焚き火barのすごいところは
全貌が見えてる人が
おそらく誰もいないところ。

ロマンチックな蛍の話も
ヘヴィな仕事の話も
みんな包んでお空に運んでくれる
火の力って本当に素敵。

焚き火にあたるチャンスを数える
「焚き火カウンター」に1が立った。
今年カウンターいくつまで行くかなあと呟いたら
ヌマさんが「いくつまで行きたいですか」と
聞いてくれたんだけど
それってなんかシンデレラの魔法使いみたいね。


オーナーのヌマさん
チャブダイカフェの大将と女将にゃん
ご一緒した皆さん

楽しい夜をありがとうございました。

あたかてんてー

2018-01-11 07:20:10 | 日記
今年も美しい毛筆の年賀状が
ムスメ宛に届いた。

浅香先生はムスメが保育園に
通っているときに
お世話になった先生だ。

背が低く華奢で可愛らしい顔の先生で
舌のまわらないムスメは
「あたかてんてー」と
呼んでなついていた。

おままごとによくつきあって
くれたようで
「あたかてんてーはー、なんのごはんがしゅきですかー」
「先生はシチューがすきですー」
なんてやりとりをしたことが
日報によく書いてあった。

いつぞやは休日に電車の中でばったり会って
先生は明らかに「デート」だったのに
彼氏のそばを離れてわざわざ
ムスメとおしゃべりしに来てくれた。
卒園の時は華やかなピンクの着物に紺の袴姿で、
大きな目から涙をいっぱい流してくれてた。

そのあと横浜に転居してからもずっとムスメは
先生と年賀状のやりとりを続けた。
ムスメが小中高大と進学する間、
先生は結婚して苗字が変わり、
保育園をやめて、お父様の仕事を手伝うようになり、
お引っ越しされた。
先生のはがきの文面はいつも慈愛に満ちていて、
わたしは読むたびに、素敵な先生に出会えたムスメの
幸運をかみしめるのだが
四月から社会人になるムスメへの言葉を読んで
思わず泣いた。

「自分の足で立って、歩いて、転んだらまた立ち上がる。
小さい頃とおんなじですよ。(笑)」

だいたいいつもポーカーフェイスのムスメだけど、
あたかてんてーにはきっと、
少し不安な気持ちでいることが伝わったんだろう。
文字通り、おぼつかない足取りから
しっかりした歩みへの成長を見守ってくれた先生の
だいじょうぶ、一度はやってることだから、
今度もうまくいくよ、と言うこの上ない励まし。

お世話になった3年間だけじゃなく
卒園してからの17年も
多分これから先も
いつもムスメの心の中に座ってて
応援してくれる人がいることは
なんてありがたく幸せなことなんだろう。
子育てって孤軍奮闘だと思ってたけど
そんなことはなかったんだなあと今更気づく。

自分の足で立って歩けるようになったら
今度は誰かの歩みを応援できる人に
なってくれ、ムスメ。