まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

black tea〜創作怪談コンクール応募作品〜

2017-08-28 22:08:11 | 日記
今日は何色にしますか?
という質問でオフィスの朝が始まる。

じゃあ緑で。
といえば一袋200個入りのティーバッグの
さして美味しくもない緑茶が出てくる。

赤といえば紅茶だし、茶色といえばほうじ茶だ。
そういえばお茶の色って書くのに
ブラウンなのはやっぱり紅茶の葉の色か
とかふとつまんないことを考える。

そもそもどうしてこの人はいつも
飲み物をカラー指定なのだ。
そして私は緑茶以外飲んだことないのに
なぜ毎朝確認するのだろう。
ほんの些細なことでほんの少し苛々させられるのは
単に波長が合わないからか。

その一切を心にしまって
「ありがとう」と笑顔でカップを受け取る。

ふと、以前読んだ小説にあった
「嫌いな上司のお茶に異物を混入するOL」
という話を思い出す。
この人は私のことを嫌いかな。好きってことはないだろう。
でも私の上司はいつも、Aは私に認められたがっている、という。
誕生日には小さなプレゼントを毎年くれるし
「こないだ教わったビスコッティまた作っちゃいましたぁ」などと
可愛らしい様子で接してくる。
だったら嫌いじゃないんだろう。
半分透き通った緑の水面に何ら異変は無いように思える。
今日も。昨日も。その前も。

チームで仕事をするためには
いくつか必要なことがあるのだが
その中でも特に重要だと思われる
「コミュニケーション能力」に
いささか問題があるのがこのAで
とりわけ同じチームの後輩Bさんとは
些細な行き違いから感情がこじれ
Aの敵意は半端ではなかった。

AにはAなりに
そうする理由があるらしいのだが
周囲の誰から見てもそれが
妄想以外の何物でもなく
一時期は話し合いを設けたり
Bさんが(本当はそうする必要などないのに)
謝罪してみたりしたのだが
一向に状況は改善されず
唯一私が出来たことは
この二人の業務を完全にセパレートさせて
Bさんにかかる被害を最小限に抑える
というものだった。

本来なら私はAに断固としてその攻撃を
辞めさせるべきだ。
それは解っていたものの、バイトとはいえ
社歴が私より長いAへの遠慮もあり
また、戦闘モードではないAは
それなりによく働いていたので
こっそり陰でBさんに謝りながら
その場しのぎを何年もやらかした。
そしてある日起こるべくして事件は起きた。

バレンタインデーにはいつも
可愛らしいパッケージのお菓子を買ってきて
ランチのテーブルに並べるAだが
今年に限ってはみんなが揃って
お昼ご飯を食べられなかった。
午後3時になりお菓子を配って回るAが
私の席に置き、隣のBさんを飛ばし、
前のCさんの席に置いた瞬間
Aのあからさまな悪意と
それを許している自分とに
猛烈な吐き気を感じた。

とにかく一刻も早く
Bさんのフォローをしなければならない。
その日の仕事が終わった後で
私は上司にメールを送った。
事件のこと、それを見て感じたこと、
フォローのために来週Aがシフトでいない日に
外ランチにBさんとCさんを連れて行くことを
許可してほしいということ。
上司も日頃頭を痛めていたので
それは是非やってくれ、ミーティングということで
ランチ代も経費で落としてくれと返事をくれた。

ランチの席でBさんは
もう何年もになるのであの人はああいう人だと
思うことにしてると笑ってた。
嫌な目にも遭うけれど仕事が続けていられるのは
周囲がちゃんとそのことを解ってくれてるからだと言う。
私は、Aをコントロールできない不甲斐なさを詫び
今以上に気をつけて守ると伝えた。

日常に戻った数日後、上司はその上の上司に呼び出された。
Aが大量のメモと共にプリントアウトした私の外ランチ依頼の
メールを持って直訴したのだそうだ。
メモの中身はAが私やBさんや上司に受けた「迫害の記録」で
例えば某年某月某日、帰りに挨拶したのに返事してくれなかった、とか
震災後にBが持ってきた米の小袋を自分にだけくれなかった、とか
残業してたら怒られた、とかいう被害妄想で
それが数年に及ぶ。

驚くべきことにAはそれをまず労務省の相談窓口に
持って行ったのだそうだ。
これをネタに職場の環境改善を指導してもらえないかと
言われた担当者は困惑しながら、
それは上長に言いなさいと答えたらしい。
そしてそれを聞いた上司の上司は
メールの文面に慌てふためき、何とかしなさいよと部下に投げたと。
これを持ってこられた時点で、他人のメールボックスのゴミ箱にあるメールを
勝手に拾って読んだりプリントして社外に持ち出したりする行為を
何故咎めてくれなかったんだろうと疑問は残るが
ともかく上司は分厚い紙の束を預かって戻ってきた。

気分悪いかもしれないけど読む?と渡されたそれをめくりながら
ニコニコしながらお茶を淹れ、仕事をしながら
帰るとこんなものをカリカリとしたためていたのか、と思うと
怒る呆れるを通り越し、哀れで可笑しく、肌寒かった。

やっぱり緑茶には異物が混入していたんだな。
恨みという目には見えない闇が水面を覆っていて
そこからオフィス全体に漂い広がっていたのだ。

Aが辞めた後、うっすらと残る闇を私は毎日のように
拭き清めようとしているが
澱のように溜まった重苦しさはなかなか消えない。
多分それは私が長きに渡り
状況を放置したことに対する罰なんだろう。

以来私はオフィスで緑茶を飲めなくなった。

氷 埜庵

2017-08-17 18:13:06 | 日記

鵠沼海岸は小田急江ノ島線の駅です。
電車降りて5分も歩けばサーフポイントですってよ。
ってサーフィンなんかしない私たちにとっては無駄な情報です。
必要なのはかき氷の名店 埜庵さんの開店時刻、11時。
そして本日の限定 白桃150食。

「混んでるところでいかに待たないようにするか」
に命をかけてる旦那さま、昨晩から「明日は8時45分出発です。」と厳かに宣言。
えー!無理!早すぎる!と騒ぐ私たちに「わかったわかった、9時ね。」と譲歩。
寝坊が怖くて眠れないとか久しぶりに経験したもんだよ。

東海道線で思いがけなく座れたので藤沢まで爆睡。
小田急線の乗り継ぎ改札に駅員が鈴なり。
出口ではないことや、小田急の切符がないと通れないことを
一生懸命連呼しています。
江ノ島線、懐かしいような気持ち。
かつては新宿まで足が地につかないほどのラッシュに揉まれて
通勤通学してたのですよね。
今日の電車は夏休みモード、ワクワクした顔の人がたくさん。

藤沢からはたった二駅、目的地に到着。
ちょろっとした商店街を抜けるとすぐに住宅街、
その一つに見える「氷」の暖簾。
おお、本当に普通のお家なんだな。

着いたのはだいたい開店1時間前。
私たちの前には若い男性1人、若い母2名に小学生幼児4名のグループ、
おしゃれなお父さんと小さい息子二人。
テントの下に座ってメニューを選びます。

手書きのイラストつきメニューが素敵。
白桃、夏いちごは当然頼むとして、あとは変化球かなあ。
よし、黒糖パイン ココナツ練乳にしてみよう。
スタッフに伝えると、小さい紙っ切れに
「も、い、くろ」とか書いて渡してくれます。

30分ほど待った頃、店主が
「おはようございます。まだ11時ではないのですが
そろそろ行列もできてしまっておりますので
開店いたします。」と挨拶。
うわあいよいよだ!!
まずは1階の受付でお金を払って予約札をもらいます。
おお、受付は奥様です。本で見た見た。本物だ。
毎朝「今日はお客様来るかしら」って不安な思いで目覚めるって
書いてあったけど今朝もそうなのかなあ。
もし私が商社マンと結婚したつもりが
ある日会社辞めてきた、明日からかき氷やさんです
って旦那様に言われちゃったらどうしよう
腹くくれるまで相当時間かかるだろうなあ。
なんて余計なお世話ですよね。
おはようございます、って挨拶したら
とても優しい笑顔で返してくれました。

靴を脱いで袋に入れ、玄関から2階の急な階段を上がります。
民家です。普通のお家です。
テーブルが6つかな、7つかな。バルコニーにもありました。
古い木のテーブル、ちょうど膝の下に横木がカツンと当たります。
小さな紙コップが積んであり、お水やほうじ茶のポットがあって
セルフでいただきます。



あっという間に氷が運ばれてきました。
おお写真で見たのと同じ器だ。
シロップの入ったピッチャーは
去年デパートの催事で見たのと一緒。
そういえば木のトレイもゴムの網目の滑り止めも
見覚えあります。

練乳がまわしかけてある氷の上に
黒糖パウダーがふわっとかかっています。
一口食べると香ばしい甘い香りでいっぱい。
パインのシロップは想像してたより上品で
本来あるはずのゴリゴリの繊維は見当たらず。
おひさまいっぱいの海岸の日陰で
涼やかな風を感じるような
大好きな夏のエッセンス。ってカッコつけてますが
実際は溶けないうちにガンガン食べ進めます。
かき氷はラーメンと同じ、放置せず無駄口たたかず
さっさと食せよというのは
テレビでかき氷タレント(そんなのがいるのです)が
言ってたセリフです。

時折隣の苺や前の桃をつまみ食いしながら
どれも甲乙つけがたい、けど、
私のが一番美味しい!と
多分全員がそう思いながら食べてたと思います。
終盤に差しかかるとスタッフさんが
よかったらどうぞ、とストローをくれます。
最後の一滴までごちそうさま。
着席して30分で完食。


外に出来ている長蛇の列に
ちょっと優越感を感じつつ
海岸までお散歩。
穏やかな波、薄曇りの空の向こうに
真っ青な山脈が少しだけ見えます。

海や山を眺めながら暮らせる街っていいなあと思いながら
でも自転車錆びちゃうなあなんて考えて
そもそもそんなこと言う奴は
海辺に暮らす権限なし、と思いなおしました。

埜庵さん、美味しかったです。
秋や冬、他の季節にもまた伺います。



ハーフセンチュリー

2017-08-15 08:08:47 | 日記


なんにせよキリがいいのは気分良い。

いつもこの時期思うのは
こんな暑さと湿度の中で
臨月を迎えるっていうのは
どれだけの不快感だろう
ということで
その事についてのみですら
申し訳なさと感謝に堪えない。

小学生の頃は夏休み真っ只中のイベントゆえ
よくある「お誕生会」的なことは難しかった。
それでも1、2度は企画してもらったか。
1学期最終日、通信簿もらう日に
ついでに招待カードを仲良しに配った。
嬉しかったので大騒ぎしながら
それをやっちゃったんだけど
「呼ばない子の気持ちも考えなさい」と
後で母に叱られたのを覚えてる。

新入社員の頃は同じ部署の女の子たちで
だれかの誕生日といえばランチに出かけ
みんなで小さなプレゼントを用意した。

サプライズでもなんでもないし
予算も決め打ちなので
その日が近づいてくると欲しいものを申告。
できればどこそこで売ってるこれ、と
ピンポイントでリクエストするほうが
買い物係は喜んだ。

 ここ数年はSNSという便利なツールのおかげで
リアルタイムにお祝いのメッセージがやりとりできる。
そして同じくここ数年は娘がこの時期バイト合宿で不在。

夫婦ふたりのゆうごはん、何が食べたい?と聞かれ
揚州商人で冷やし中華食べたいというと
ちょっと怪訝な顔をされた。
もっとごちそう感のあるものがよかったらしい。

そして当日、仕事終わっていったん帰宅し
車に乗り込む。
揚州商人だよねというと、違うよと言う。
どこにいくのか聞いても内緒だと。

すぐそばのつもりでいい加減な服着てるし
トイレにも寄らなかったし
大丈夫かなあと思ってたら15分ほどで
みなとみらいに到着。

インターコンチ初潜入!

最上階までのエレベータ、外国人の家族連れが一緒だったりして
なんだかテンションがあがってくる。

カリュウというレストランに着く。
テレビで有名なタレントが絶賛したという
冷やし中華があるらしい。

すでに着席してるお姉さんたちはベアトップのドレス。
きちんとスーツを着込んだ初老の夫婦とその家族。

スタッフの男性がいい加減な服の私が
気おくれしないようにと
あえてフランクにニコニコ話しかけてくれる。
タレは二種類からお選びいただきますが
よろしかったら少しずつ両方持ってまいりますか?とか
親切だ。

運ばれてきたのはガラスの大きい鉢に入った
緑色の麺と、別添えの様々な酒肴。
白身魚のスモーク、あわびの煮物、
エビのゆでたもの、ホタテの昆布しめ
季節の野菜、酢の物など。
そしてタレ2種類。
上品。美しい。惚れ惚れ。

ひとつ歳とったからって飲めない私は
この素晴らしい肴を前に
ペリエ注文。ごめんねほんとに。
ゆずの香りのタレは
醤油ベースもゴマベースも
うっとりする美味しさ。

冷やし中華で贅沢する、という
まさにサプライズな夜。

このお礼は次回映画観に行ったとき
夫婦50割でね。

キッチンツールマニアな女

2017-08-14 20:42:37 | 日記


仕事してたらLINEのアラートが鳴ったのでちょっと緊張。
LINEって苦手だなぁ。
なんだろう、ノックしないでドア開けられる感覚。

しかし見ると愛すべき妹ちゃんその1からで
可愛い真っ赤なコーヒーポットの写真。

「2年前に買ったこれ、うちのキッチンに似合うと思って
買ったんだけど、用途もわからず飾ってあったの。」

ん?

コーヒーポットっていう名前がついてたのは
承知の上で買ったらしい。
でも、「ドリップしたコーヒーを入れるやつ?
ちょっとよくわかんないな」
ってことで放っといたんだって。

「でもこないだちかちゃんと話して
あ!と思ってこれにお湯入れてペーパードリップしたら
こぼれなくてストレスないの!」

今まではティファールでお湯沸かして
そのまんま注いでたらしく
ベシャベシャになるのに困っていたらしい。

メッセージの最後に
頭が禿げた白い人が腹抱えて笑ってるイラストが。

そうなのかー。

よかったねと返事しながら
「うちのキッチンに似合うから買う」
という感覚がまず私にはないなと思う。

湘南で一人暮らしの妹ちゃんの部屋に遊びに行くたび
様々なキッチンツールが増えている。
トーストが好きだから、と
セラミックコーティングの2重網は
コンロにそのまま乗せるやつ。
これ欲しい、お正月にお餅焼きたい。

さらに、もっと美味しく食べたいからと
グラファイトオーブントースター導入。
バルミューダと迷ったんだけどやっぱり高すぎると
アラジンをチョイス。
でも後で見たら十分こっちも高いじゃん。

パンケーキを美しく焼きたいからと
手に入れたパンケーキパンは
全く役に立たなかったらしい。
そりゃそうだよ、でかいフライパンに
直径10センチくらいの浅い穴が
7個くらい掘ってあるだけなんだもん。

でも問題は「ひっくり返すとき」
だというので
シリコンのしなるターナーにしたら?と言ったら
そんなのがあるんだ!と喜んでいた。
次に行ったらあるんだろうな。

冷たいハーブティを入れてくれたグラスに
細長い四角い氷が入っている。
会社に持って行く水筒用なんだって。
うちのムスメが使ってるのも口径の狭い奴で
いつも小さい角氷を選んで苦労しているので
製氷器どこで買ったの?と聞いたら
近所の100均に連れて行ってくれた。

最近ハマってるのは甘酒作りだと言って
キットを一つ分けてくれた。
作るためには60度をキープできるツールが必要で
おすすめに従いヨーグルトメーカーを買ってみる。

って
いつの間にかマニアか??

梅仕事もたくさんしたそうで
今年の梅サワーを味見させてもらった。
ぎゅーんとしめつけられる酸味。
まだ早かったかな。
サワーの入ってるガラス瓶は
注ぎ口が付いている優れもの。
こういうのどこで見つけてくるんだろう。

妹ちゃんがお菓子作りにはまったりしたら
大変なことになるだろうなあ
でもこっそり特設キッチンとして
借りに行けるかなあ
なんてよからぬことを考える。

20代にはアメリカで大学生したり
日系企業のローカルスタッフとして
働いていたりした妹ちゃんには
自立、自活、サバイバルという表現が
とてもしっくりくる。
ジャンクなものを食べたりせず
朝昼晩と自分できちんと栄養を考えてご飯を作り
保存食を仕込み
通勤中なるべく歩く距離を稼いで
健康でいられるよう心がけている。
小さな頃から部屋を片付けて
きちんと整頓されたところにいるのが好きで
今も出勤前に一通り掃除してから出かけるという。
私なんか足元にも及ばないハウスキーピング。
見習わないとなあ。

さて。
ヨーグルトメーカーの置き場所
探そうっと。

怖い話

2017-08-10 00:06:35 | 日記

怖い話を作ろう、という企画に乗ってみた。
どんな話にしようかな、と考えながら
テレビで百物語を見てた。
鬼、幽霊、化け物の話は、面白いなとは思うけど
リアリティは感じない。
霊感もないし金縛りにもあったことない。

実体験というか、実際は自分じゃなんにも見てないから
なんて言えばいいかわからないけど
その場に私がいた時にあった
不思議な話がある。

大学を出て最初に就職したのが
金融系ソフトウエアハウスで
最初の半年は給料もらいながら
学生の延長よろしく勉強の日々。
同期もみんなクラスメイトのノリで
夏休みに中禅寺湖ヘ遊びに行った。

夜になりお決まりの怪談大会で
右隣に座ってたエミちゃんが
話の途中で居心地悪そうに
そっと左へ移動した。

エミちゃんちはお盆時期になると
親戚同士の電話での会話に
亡くなったおばあちゃんが今
うちのお風呂場にいるとか
今度はそっちのうちに移動したとか
当たり前のように出てくるような家庭で
エミちゃん自身もその手の感覚を持っている。

なので翌日こっそり
昨夜なんかあった?と聞いたら
「天井の角のところに顔があったから
見えないところに移動した」という。
怖い顔?と聞くと
「男の子。怖い顔はしてなくて
多分みんながする話を興味深く聴いてたと思う」

ふーん、と私。それ以上でも以下でもない。
後日、その場にいた別の友達から
全く同じ話を聞かされるまでは。
さすがにちょっと肌寒くなった。

勘ぐるとしたら
エミちゃんとその友達が
示し合わせて話を作ったかもしれない。
けど少なくとも私が半年見てた範囲で
その二人は特別仲良くしてたとは思えず
まして結託して無邪気な私を騙そうとか
考えるとは思えない。

じゃあ私に見えなかっただけで
天井の角に男の子が実在したのか
となると、それもちょっと理解できない。

その時に私が出した結論は
きっと二人は似てる感性を持ってて
そこで繰り広げられる怖い話を
何かが寄って来て聞いてたとしたら
男の子なんじゃないかなあ
なんて思ってそれがビジュアルになったんだ
という感じのものだった。
20代の若さにはこじつけが必須なのだ。

今、こうして思い返してみて
思うことは
「あの瞬間は体温下がったなあ」
ってだけで
男の子が本当にいたかどうかは
わりとどっちでもいいような気がする。

そんな、理屈はどうでも
体温が下がるようなお話を作りたいな。