まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

白いうつわ

2012-12-19 06:57:05 | 日記
毎朝、だんなさまが淹れてくれる珈琲
じぶんには「黒丸」わたしには「白丸」を使う
うつわのなまえなんだけど
少し前には、食器になまえつけて可愛がるなんて
想像もしていなかったので、ちょっとおかしい

ふたつとも、横山拓也さんという作家さんのもの
ある夏に個展にはじめて行ったときに
お客で来てた妖しげな風貌のおじさんから
「ヨコちんはねー、湯のみがいいんだよ!」
と勧められ、買って帰った
わたしはまったく知らなかったが
そのおじさんはとても有名なアーティストで
だんなさまがやけに興奮してたのを覚えてる

個展に行くとたいていは帳面が置いてあり
そこに名前とか住所とかを書くと
お店や作家からDMが届くようになる

横山さんも後日はがきをくれて
そこに自筆で「このあいだはありがとうございました」などと
書いてあり

陶芸家さんの営業活動ってとても地道なんだなあと思った

最初に湯のみを買ったお店で、2度目に買ったのが
「黒丸」と「白丸」
てのひらで包むように持ったときの
感触とあたたかさがとても好き

そして先日、やっぱり同じお店の個展で
「ケーキ乗せたらいいよ」とだんなさまに買ってもらった
プレート



こないだのおいも堀りで採ったさつまいもが
あと少しあるので
スイートポテトパイにして、乗せてみた



気取らないお菓子がなじむお皿だね



今度はガトーショコラを乗せようかな


雪のワルツ

2012-12-13 07:06:34 | 日記
クリスマスのお楽しみ、といえば、こんなのもあった。

バレエ「くるみ割り人形」

それも、観劇するだけじゃない。
参加しちゃうんである。

こどもの頃に所属してた合唱団は
創立者の先生の40年に渡る情熱的な指導のおかげで
人数こそ少ないものの、なかなかに高評価を得ており
ときには出演依頼が来るほどだった。

そのなかに、いろいろなバレエ団が12月に公演する
くるみ割り人形の1シーン
雪のワルツの場面で歌ってほしい、というものがあった。

そもそもは、先生が懇意にしていた
超有名な東京の合唱団より
「手が回らないから手伝ってくれない?」と
言われたのがはじまりなのだけど

今年のは正真正銘、「ゆりがおかさんに」と来たオファーである。
(合唱団の名前は、ゆりがおか児童合唱団という。)

なんでこどもの頃に所属してた合唱団への
今年のオファーの話なんかをするかというと
OGとして助っ人してほしいといわれたから。

先生の指導する歌、発声はとても特殊で
だからわたしくらいの長老OGでも
9歳の現役と混じって歌ってしまえる。

ただ、声は共鳴できてもビジュアルは難しい。
それでも「今回はオケピット(舞台の手前、オーケストラが座る一段低い場所)
だから」というので、まあ、お役にたてるのなら・・・と。

ところが、先週のレッスンでまっしろいガウンを配布された。
ステージ衣装だ。
「2階客席に変更になりました。」と笑顔の役員さん。
げーーーーん・・・・

さらに驚いたことに、当日オケを指揮するマエストロが
レッスンに来るという。
相当な数、これを歌ってきたけど、そんなの前代未聞で
センパイOGと
「よっぽど不安なんでしょうかねえ」と笑っていた。

やってきた田中良和先生は、とても寛いだ雰囲気で
(あ、日曜日のパパってこんなだったよ)と、つい。
いっかい歌わせたあと、「いいですね」とおっしゃって
(これはゼッタイなのだけど、指導にいらっしゃる先生方は
第一声は必ず誉める。で、そのあとが怖い。)
「今度は、ワルツにのって、踊るように歌ってください。
がんばりすぎないで。」

ほお。そういう指示も前代未聞だ。

数回歌ったあと、マエストロはみんなを座らせて
この演目の背景について語りだした。

くるみ割り人形を書いたのは、ドイツのホフマンという作家である。
ホフマンは本も書けば作曲もする、とても才能豊かなひとで
(あとで調べたら、本職は裁判官だったそう。どんだけの才やねん。)
チャイコフスキーのいたロシアでも人気があった。

18世紀当時のロシアは、西ヨーロッパの文化に憧れがあり
時の皇帝ピョートルは、サンクトペテルブルクという街を作り
そこにバロック様式などのヨーロッパの粋を集めた建築物を並べ
国の文化をそこに集中させた。
チャイコフスキーもそのなかに暮らしていた。

一般的な「バレエ くるみ割り人形」は
ドイツの貴族のお邸で開くクリスマスパーティという設定だが
今回は、ドイツの一般的な家族が、クリスマスマーケットに
遊びにくるという設定。
キーマンのドロッセルマイヤー氏は、主人公クララのおじさんではなく
マーケットにオープンした人形劇団の団長で
クララはその劇団に迷い込み、不思議な世界へと導かれる。

で、マエストロはみんなに
「みなさんの声で、観客を夢のような世界へ連れていってほしい。
夢見心地にさせるように歌ってください。」と。

実際には、この、雪のワルツじたいは
どんなにのんびり演奏しても、たかだか7分くらいなもんである。
さらに、児童合唱が入る部分は、全部足しても2分程度。

その数分のために、わざわざ、どイナカ(?)のレッスン会場まで
休みの日に足を運んでくださり
こどもたちにこれだけの話をして、演奏方針を伝えてくださる。
プロの音楽家の精神を見せ付けられて、感激しつつ緊張した。
日曜日のパパだなんて思ってごめんなさい。

とはいえ主役である現役ちゃんたちは
「なんかむずかしい話してるー」というかんじで
横の子つっついてお喋りしたりしてる。

こいつらがこんなにえへらえへらしてんのに
本番になるとびしっと歌ってみせるさまは
控えめにいっても「詐欺」である。

まあ、、、わたしもかつてはお姉さまたちに
そう思われていたのだろうから、しかたあるまい。

来週の水曜日から3日間、オケ合わせやゲネプロを経て
土曜日からの3連休まいにち、昼または夕方の公演。

不便をかける家族に、たべるものくらいたっぷり用意しなきゃ、
なんて考えるところが、現役時代との違いだな。








12月のお菓子レッスン☆ビルヴェッカ 後編ww

2012-12-03 22:19:15 | お菓子作り
発酵生地の10倍あるガルニチュールを
6回に分けて混ぜる

・・・ってゆか、これは混ぜるっていう表現でいいんだろうか
フルーツに生地を押し付けて、隙間にしのばせてるかんじ


手は動かしつつ、口も動かす
natsumiちゃんの、「Sきや」バイトねたが毎回超おもしろい


笑ってる間に混ぜ終わり
全部入るとこーんなかんじ



べとべとです;;
アニスの香りがエキゾチックで
お菓子作ってるって感じじゃないなー

これを2つに分けてカタチを整える
いちおうスケール使ってるんだけど
なんかまわりのひとたちと違うぞ?



これ、完全にミートローフだよねー と笑うみなさん

アーモンドを3つ飾ってオーブンへ



低めの温度でじっくり焼いている間に
先生が焼いておいてくれたビルヴェッカの試食
今日はさつまいもとたまねぎ、しめじのスープつき♪♪




これだけたくさんのフルーツが入ってるから
複雑で奥深い味がするんだけど
ふわんとイーストの香りがして温かみのある
まさにクリスマスのお菓子

焼き上がりにボーメシロップをたっぷり
つやつやぴかぴかでおいしそう



赤と緑のきらきらリボンでラッピング
いつも12月のレッスンには、チョコプレートやオーナメントを
たくさん用意して選ばせてくれる
今回はいろんな表情のサンタさん!
どれもかわいくて迷う~


大満足のレッスン終了後

「あ!来月ってまだ何作るか決まってないよ!」
おおっ それはタイヘン

みんなで本を開きながら
「キャドルがいいよねー」
「アントルメが食べたいよね」
「きゃーこれおいしそうじゃなーい?」

煩悩が108くらいじゃおさまらないクラスなのだった・・・

(終わり ww)

☆最後に
体験レポートを依頼くださったアンドパーティさん♪
フリーペーパーBERRYの松倉さん♪
身体はって(?)カメラマンになってくれただんなさま 笑

ありがとうございましたっっm(__)m

12月のお菓子レッスン☆ビルヴェッカ 前編ww

2012-12-03 21:37:34 | お菓子作り
今月のお菓子教室で作ったのはこちら



ビルヴェッカ


材料はこれ



このでかいボールになみなみ入っているのは
ドライフルーツを刻んでキルシュに漬けたもの
毎度おなじみ前日仕込み・・・先生ありがとうございます。。。

ルセットには「これは1.2mm、こっちは1.5mm刻み」とか書いてあるが
そんなのムリですってば

レッスンはいつも、先生がルセットを読み上げてくれるのを聞いて
そのあと先生のデモをじっくり見る、という順序



そのあといよいよ実践
この段階ではルセットは見ない
でも、平気でたったさっき聞いたことを忘れるんだよね;;
そういうときは先生が教えてくれるからだいじょうぶ

イーストの予備発酵が終わったら、すぐさま氷水につけて過発酵を防ぐ
温度計必死に見すぎだろ、わたし



ふるった粉類にイースト液を投入して
指を使ってかきまぜる





ねとねとになった生地が指に絡まって
腕はまわしたいんだけど、ものすごい反発をくらって
結果、二の腕がびりびりするはめに・・・

それでもなんとかまとめあげて発酵器に入れ
膨らむのを待つ間、ガルニチュールをわけたりシートにバター塗ったり



次の工程に入る前に、先生が
「ビルヴェッカってなんのカタチだか知ってる?」



natsumiちゃんがすかさず
「キリストが生まれたときの、おくるみのカタチ」
よく知ってるなーー


ドライフルーツのなかに、懐かしい姿が
「ドレンチェリー」

おいしくはないんだけど、この色がすごく効いてるよね、と先生 笑

そういえば小さいころ、ハハが焼いてくれたパウンドケーキは
てっぺんに必ずドレンチェリーとアンゼリカがくっついていた

アンゼリカってとんでもなかったですよねー
フキだもん、っていったら
mimiさん大うけ

そのあと、「でも、ほんとはアンゼリカって何ですか?」
いやいやいや、まぢでフキです 笑

先生が、そういえば昔あったゼリーって大根だよ、と教えてくれた
すごい、Kザワさん※もびっくりですね!というと



先生ウケまくってます

(※ Kザワさん=野菜でケーキを作るので有名なパティシエ
 「若くてちょっとカワイイからってちやほやされすぎている」噂が)

(続く www)





12月のお菓子レッスン☆ビルヴェッカ  序章w

2012-12-03 18:49:23 | お菓子作り
ターミナル駅のコンコースを歩きながら
派手はでしいポスターと
色めきたつショーウインドウをちら見し

「クリスマスにココロ浮き立つような日々が遠くなったねえ」
などと、だんなさまとしみじみ語る

サンタさんが夜中にこっそり訪れるのを信じてた時代
彼氏に買ってもらうプレゼントで愛情の大きさを測ってた時代(?)
ちびっちゃいムスメに「今日、会社にサンタ来て預かった」と
プレゼントを渡し、
「なんでおうちにきてくれないのかなあ」と訝られていた時代

しかし、いまのわたしに間違いなくやってくる
クリスマスの楽しみは

「今年のケーキ、何作るのかなっ♪」

たいていはビッシュなのだけど
フレーバーが変わってもスタイルとデコレはおんなじで
ワンパターンの美学だなんて話もあったりして・・・
いや、もちろん、味は完璧に美味しいから
文句なんかあるわけない

あるわけないけど、たまには、目先の違うクリスマス菓子も
嬉しいのだった

ビルヴェッカは、フランスはアルザス地方のお菓子



シュトーレンとはちがって
バターを使わずシュガーコーティングもしないので
アドベントスイーツではない

イースト発酵させて作る生地はほんのちょっぴりで
そこへありえない量のドライフルーツを投入する

今回のレッスンでは、取材のため写真をたくさん撮ったので
盛りだくさんで書こうとおもう

(続く www)