上田短大にて

2014-11-16 15:09:54 | Weblog
今年度の柳川氏のリサイタルが上田短大北野ホールで開催され、家族で出かけた。男性ピアニストとしては国内最高齢の82歳である。ベートーベンのワルトシュタインはシャープな演奏。ベートーベンの中期の傑作を鋭く、大きなスケールで描いた。快速なテンポ。指回りが滑らかで潤いがある音色。ショパンの舟歌は、甘ったるい世界とは無縁。淡々と情熱的に演奏された。後半は、シューベルト、グリーグ、ドビュッシー、リストの小品がそれぞれの様式によって様々な音色で描き分けられていた。とくにドビュッシーの素晴らしさ。フランス仕込みのエスプリ。あまりにも垢抜けている。あの自在なタッチは世界的レベルである。アンコールはショパンの遺作のノクターン。旋律をかなりくっきりとしたタッチで。最後にエオリアンハープ。深まる秋のよい一時を過ごせた。帰途、聴衆の和やかな表情が印象的であった。

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