蜜蜂と遠雷

2019-11-30 10:25:26 | Weblog
先月、映画「蜜蜂と遠雷」の上映会に行った。我が家がみんなで映画に出かけることは珍しい。若手の著名ピアニスト数名が演奏を担当した話題作である。映像がとても美しかった。浜コンをモデルにしたようだが、4名のユニークなコンテスタントの人間模様を中心に描かれる。半ば音楽ドキュメンタリーのようだった。天才マサル、復活の天才少女アヤ、名ピアニストの愛弟子・天真爛漫の塵、サラリーマンピアニスト明石。当然のことながら私が注目したのは、明石の存在だ。「生活から生まれた音楽」を目指す明石。惜しくも本選には進めなかったが、天才たちとは別の生き方の音楽家を目指す。課題曲の選曲もなかなか効果的で凝っていた。後で原作も読んでみたが、何よりも映画の方が印象は強い。さりげなくユーモラスなクローク係、明石の迫真に迫るインタビュー姿。意地悪な指揮者小野寺の薄ら笑いなど、後で印象的なシーンを反芻して味わえる作品だ。