次は関本昌平さんの８番。ショパンコン出身。ステージに立つと他の人とは雰囲気が違う。骨太のしっかりとしたタッチでピアノを会場全体に鳴らしきっていた。ショパンのみならず、これからはドイツロマン派の本格的なピアニストになっていくのではと感じられた。トリは若林顕さん。田園と第９。１月のリサイタルでは、その完璧なピアニズムに驚嘆したが、今回は準備が十分でなかったのでは？と感じられた。スケジュールが大変な方ですもの。第９も以前は暗譜で弾かれたはずだが、今回は譜面を置いていた。しかし、タッチの洗練度は5人の中では群を抜いていた。だからヨーロッパでも高く評価されるのだろう。ピアニシモの美しさとタッチの柔らかさは、やはり若林さんならでは。８時間、本当に充実した演奏会だった。
２番手は菊地裕介さん。２番、７番。作品に対する真摯な取り組み。緻密な音作りによる知的なアプローチで大変素晴らしい。３番手は松本和将さん。４番と運命。以前、アンサンブル金沢とモーツァルトの２台コンチェルトで感心したのだが、今回も楽しみにしていた。４番は様々な楽器の音色が多層的に聞こえてきた。５番は圧巻。まず音楽の求心力に圧倒された。氏はリズムの取り方が独特。一見するとクラシック演奏家？と思えるほど。しかし、作品を完全に自分のものとし、圧倒的な説得力をもって迫ってくるのはさすが。終了後、会場のどよめきがしばらく収まらず。最近、これほどの演奏に出会ったことはない。前橋汀子さんが、氏と組む理由もわかった気がした。まさに度肝を抜かれたという感じ！！
芸術館は車の往来が激しいところにある。一歩中に入るとこんなに静かな素晴らしいホールがあるとは思えないほどである。5人のピアニスト。この演奏会に暗譜で臨んだのは松本さん1人のみであった。以下、感想を！トップバッターは岡田将さん。１番は聴き逃したが、エロイカはしっかりと聴いた。熱演型ピアニストでありながら、一方できれいなピアニシモをもっている。そのコントラストが印象的。エロイカが終わるとお客さん、拍手大喝采。
ちゃゆみんの合唱部がＮコンに出るというので、文化会館まで応援に行った。小学生の歌声は、ひたむきで心ゆさぶられるものがある。発声法がしっかりしている団体の合唱は、特に聴き応えがあった。暑さを吹き飛ばす、小学生の熱演が聴けた。
先週の土曜日、ユニークな企画の演奏会に出かけた。題してシンホニーマラソン。ベートーベンの交響曲のリスト編曲版ピアノ作品を日本の中堅ピアニスト５人がリレー演奏するというもの。午後１時開始、終了はなんと夜９時半。これを１時半から延々８時間、ちゃゆみんと聴いた。(２番の２楽章から第９まで)聴いているほうも、さすがに疲れたが、ワクワクするほど楽しかった。同一会場の同じピアノという状況で日本のトップピアニストの芸風の違いが手に取るように感じられ、また深く考えさせられたりもした。最近出来たばかりの芸術館リサイタルホール。音響も素晴らしい。
これだけ情報手段が多様化している現代にあっても、尚、テレビの力は絶大である。しかし、公正な情報発信という点から考えると、最近のテレビ番組は、いかがなものかと首をかしげることが多い。先日の毎日新聞に選挙特番についての記事があった。その要点は、なぜテレビ各局は、選挙前の特番を以前ほど組まず、選挙後に情報を流し始めるのか？ということであった。また、Ｎ局は、各政党の取り上げる時間を議席数に比例して配分したそうである。それでは小さな政党がどんなに主張しても、国民に届くことはない。現政権にもの申すキャスターが次々と降板されられたり、いったいこの国のテレビ局はどうなっているのか？疑心暗鬼になってしまう。最近の世の中は、ある人が何かを主張しても、それが大きな力・流れとなってこない。単発で終わってしまう。テレビでも大きく取り上げられることはない。これはどうしたことなのか？そんな中、田中角栄氏がにわかにブームになってきている。本当に心から頼りになるリーダーが不在な現代。この国を正しい方向に導く、カリスマ性のあるリーダーの誕生が待望されるのか。
こみが、数日前からどうしてもクワガタとりに行きたい！というので、夕方、裏山に出かけた。数十年前の記憶を頼りに、よく捕まえた「秘密の木」を目指して行ったものの見つからず。ああ残念！小学生の頃、１回でバケツ一杯のクワガタを見つけられる場所だったのに・・。仕方なく別の場合へ移動。すると、車で乗り付けた父親と男の子。同じくクワガタとりに来た模様。「ここにはいませんよ！」というと「必ずいるところがありますから！」と教えてくれた数本の木。近づいてみると、いるわ！いるわ！あっという間にノコギリクワガタ５、６匹をゲット。こみは大喜び。この親子は、かつてはこの近くに住んでいたが、現在は引っ越して別の市にいる。懐かしくてたまにこちらへ来るらしい。今日はタイミングが良かった。でも、クワガタ、あまり捕まえちゃいけないなぁ・・。
今日はちゃゆみんとこみのピアノ発表会であった。会場は、ピアノ演奏にはもってこいの広さと残響。しかも楽器は、最高級のベーゼン。先生も応援に来てくださった。最近は、私がレッスンの口を出すことを頑なに拒んでいる2人。それでもなんとか無事終わってホッとしている。姉妹弟子の圧倒的な演奏も目の当たりにした。コンクールまで、後ちょうど１ヶ月。微調整して、少しはマシになって臨みたいところだ。
今日は１０周年の記念日なので、１０年前の今日のＤＶＤを引っ張り出して見てみた。懐かしかった。しかし、かなりの部分を忘れかけている。こんな様子だったのか？と驚くことも多かった。その間、子育てに追われる日々で、１０年などあっという間だっだ。まだあの頃は若かったとも思う。心身ともに・・。ともかくこの１０年を無事に過ごせたことに感謝しなければ、と思う。