先日、我が家のピアノの調律をしていただいた。Nさん。コンサートホールで著名演奏家の仕事もなさっている。そこで、なかなか興味深い話を聞くことができた。調律は「感覚」の世界。自分の感覚も、毎年どんどん変わっていく。死ぬまで追求しなければならない程、深い世界である。音質、音色の問題は極めても極めつくせない。一流のピアニストは、タッチの深さにこだわる。薄紙一枚の違いですら感知し、直すことを求めてくる。でも、そういうピアニストの手にかかると、ピアノから信じられないほどの音が引き出され、驚くことがあるという。今までで印象に残るピアニスト?の問いには、即座にワッツとリヒテルとおっしゃった。
伝統を打ち破って、新しいスタイルを打ち立てる人のことを「天才」という。しかし、それは限られた才能の持ち主でしかありえないことだ。伝統をふまえながらも独自のオリジナリティを出していくことは、なんと難しいことだろう。
「いいな~いいな~、お父さんっていいな~、だって~なんだもん。」これは、我が家でお姉ちゃんがものをねだる時の婉曲表現です。例えば「いいな~いいな~お父さんっていいな~、だってケーキ食べてるんだもん」ってな具合に。翻訳すると「そのケーキ私にちょうだいよ!」となる。一方、妹ちゃんがおいしいものを欲しがる時は、「これお父さんの、これお父さんの!」とひたすら強調してくる。ははぁ、欲しがっているんだな!と思うとだいたいその通り。先日、お姉ちゃんが「いいな~いいな~、お父さんっていいな~」と言ってきた。・・ほらほら、始まったゾ~、一体何が欲しいのか?と身構えていると、その後に来た言葉・・・は、なんと「だってハゲなんだもん!」ってか・・・涙。
久々にルビンシテイン演奏の「皇帝」を聴く。バレンボイムと共演した88歳の録音。思ったよりもテンポが遅い。余計なものは削ぎ落とされ、作品をあるがままに語らせる。年齢からくるパサつきはない。澄み切った音で細部まで歌いこんでいる。人生の酸いも甘いも噛み分けて、達観の境地で紡ぎだされたまさに「皇帝」中の「皇帝」。
統計学のある学者によると、何事においても数字は絶対だ、と見る社会の見方は大変危険だという。数字には、それを利用しようとする人の思惑が隠されており、それと正反対の立場からも見直す必要があるという。とりわけ危険なのは、数字を利用したレッテル貼りであり、広範囲にわたる数字の推移を詳細に検討しないと、真実は見えてこないらしい。今年は、物事の真実を見つける1年にしたい。
新年恒例のいちご狩りに出かけた。今年のいちごは大きくて、歯応えがあり、かなり甘かった。ビタミンCを充分に補給できた。帰り道、娘たちの強い要望により、ピザを食べに行く。本場イタリアで修業をしてきたご主人による本格的ピザを食べる。窯から出したばかりのおこげとモチモチ感がすばらしいイッピン。