最近、感心した本の中に「知的ふく眼思考法 」がある。オックスフォード大学の苅谷先生の著書である。発行されてからもうずいぶん時が経過している。特に驚いたのは、本の読み方である。活字になったものを完成品とみないで、推敲の中で削除・加筆された部分にまで思いを巡らすという読み方。丁度、音楽家が作曲家の自筆譜を観察して、直されたり、消された跡を見て作曲家の思考の跡を辿り、理解の一助とするというやり方と共通するものを感じた。現代人がいかにステレオタイプの考え方に毒されているか、また、どうやったらその陥穽から逃れられるのか、そのヒントをかなりもらった感じがする。
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