LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

Cesar et Rosalie

2010-09-07 | ROMY
ロミー・シュナイダーがクロード・ソーテ監督と組んだ1972年の作品『夕なぎ』(原題Cesar et Rosalie (1972))をご紹介します。

『太陽が知っている』でドロンさんと共演して以来、フランスでの人気が復活したロミー・シュナイダーは
その後クロード・ソーテ監督作品『過ぎ去りし日の』と本作の大ヒットによりフランス映画界での地位を確固たるものにしました。

物語は、ロミー演じるヒロイン、ロザリーと彼女の年上の恋人セザール(イヴ・モンタン)との平和な日常生活の中に、
突如現れた彼女の昔の恋人ダヴィッド(サミー・フレイ)との三角関係を情感たっぷりに描いた大人の恋愛物語です。
昔の恋人との再会に心揺り動かされるヒロインの心理が巧みに描かれ、
それを演じるロミーの演技の見事さと数々の表情の美しさがこの作品の最大の魅力です。
また彼女を失うまいともがき苦しむセザールを演じたイヴ・モンタンの白熱の演技も見ごたえがありますし、
ロザリーへの想いを断ち切れない“敵役”であるはずのダヴィッドを演じたサミー・フレイの嫌みのない素のような演技も見事です。

邦題は『夕なぎ』ですが、海岸に皆がピクニックに出かけても、すぐに風が吹き荒れて砂ぼこりにまみれてしまったり、
(このあたりの描写はジャン・ルノワール監督の『草の上の昼食』へのオマージュに感じ取れます。)
まるで三人の主人公たちの常に晴れることのない心理を表すかのような、
『冒険者たち』のカメラマン、ジャン・ボフェティが作り出す映像は常にどこか曇りがかっています。

またフィリップ・サルド作曲の音楽も、
不安感を表す低いビートと安堵感を匂わせる牧歌的なメロディーがミックスされた主題曲が印象的ですが、
ラストに流れる教会のミサの音楽のようなエンド・テーマも3人の新しい門出を祝うかのような効果が絶大です。

フランス盤DVDのライナー・ノーツにはこの作品のキャスティングについて書かれていました。、
当初クロード・ソーテ監督はヒロインの役にカトリーヌ・ドヌーヴを想定し彼女に依頼していたのですが、
彼女からの明確な回答がなかった為、前作『過ぎ去りし日の』で意気投合したロミーに再び声をかけました。

またイヴ・モンタンが演じたセザールの役も当初イタリア人のヴィットリオ・ガスマンが考えられており、
もう少し貴族的な雰囲気を持つ人物だったようです。
ところがある日モンタンに会ったソーテ監督はすぐさまこの役をモンタンにオファーしました。
彼の持つ人をからかうような物腰とエネルギッシュさが、
監督のセザールという人物に対して持っていた最初のイメージを変えさせたようです。
しかし二人の関係は実際にはそうあまいものではなかったようで、
初めて仕事をする二人でしたが、撮影初日は大喧嘩となりました。
「彼らはお互いに相手がどんな奴か嗅ぎ分けようとしていたのです。」
当時のロミーとソーテ監督のエージェントだったJean-Louis Liviがこう証言しています。
結局二人の喧嘩は初日のみで、あとはお互いうまくいったようです。

もう一人の主人公ダヴィッドの役には当初ジェラール・ドパルデューから演じたいという希望が寄せられましたが、
ソーテ監督のイメージには合わなかったため、結局サミー・フレイにオファーされました。
その代わりソーテはドパルデューに次作『友情』(原題Vincent, François, Paul... et les autres (1974))で出演の機会を与えました。

当初の予定通りドヌーヴがオファーされていたら、本作は全く違ったものになっていたでしょうし、
ましてや相手役がガスマンとドパルデューだったらと想像すると、そうならないでよかったと心底思わされます。

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Claude Sautet avait d'abord proposé à Catherine Deneuve d'interpréter le role de Rosalie.
Comme elle tardait à répondre, il contacta Romy Schneider qu'il avait dirigée dans Les Choses de la Vie.
Pour Romy, tourner avec Claude Sautet était toujours un Bonheur et elle n'hésita pas à accepter.
Le refus final de Catherine Deneuve la rassura.

Pour César, Claude Sautet avait pensé à Vittorio Gassman, acteur italien parfaitement francophone.
Grand et bel homme, Gassman aurait sans doute donné un côté plus aristocratique au personnage.
Le jour où Claude Sautet rencontra Yves Montand, il renonça à sa première option.
La gouaille et l'énergie de Montand colleraient mieux au personage entier que le réalisateur avait en tête.
Mais tout ne fut pas rose sur le plateau.
Les deux hommes, qui n'avaient jamais travaillé ensemble, eurent, au premier jour de tournage, une mémorable dispute.
« Ils avaient besoin de se renifler », dira Jean-Louis Livi, agent de Romy Schneider et de Claude Sautet.
Cette première dispute fut d'ailleurs la dernière.

Gérard Depardieu fut pressenti pour interpreter le jeune David.
Mais le réalisateur ne reconnaissait pas le personnage qu'il avait imaginé.
Il faut dire que Sautet avait écrit le scenario huit ans auparavant et avait eu le temps d'y réfléchir.
Il préféra donc Samy Frey, avec son physique de beau ténébreux et son sourire charmeur pour incarner « son» David.
Mais il promit un prochain rôle à Gérard Depardieu. Ce sera dans Vincent, François, Paul et les Autres.
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