LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

『NOTRE HISTOIRE』

2009-01-25 | THE SOUNDTRACKS
1983年にドロンさんが製作主演し、見事セザール賞主演男優賞を獲得した記念すべき作品
『真夜中のミラージュ』のフランス盤サントラLPをご紹介します。

このアルバムは日本でもなかなかお目にかかることができなかったのですが、
先日ようやくイタリアのebayで入手することができました。

本作の音楽はチェコの作曲家ボフスラフ・マルティヌーのクラシック音楽の作品が多数採用され、
そのほかにもベートーベンやショパンなどの既成曲も使われていますが、
本LPにはそれらの既成曲は一切収録されておらず、
あくまでERIC KEMRAYとLAURENT ROSSIによるオリジナル音楽のみが収録されいます。

収録曲は全部で6曲、そのうち2曲が別バージョンでの収録ということで、
実質的には4曲のオリジナル音楽のみをここでは聴く事ができます。

以下にそれらの曲について説明していきます。

①BLUE SERENADE

まずはこの映画の主題曲といえるバンドネオンの音色が印象的な曲で、
4曲の中でもやはり一番聴き応えがあります。
このどこかムード歌謡の雰囲気にも似た覚えやすいメロディーは
一度耳にしてしまうと頭の中でずっと回り続けてしまいます。

②DONATIENNE

つづいて恐らく①と同じバックトラックを使ってバンドネオンのアドリブ演奏が展開されるヒロインのテーマ曲

③BABY PLEASE COME HOME

さらに同じようなシンセのリズムをバックにけだるい女性ボーカルが聞けるアップテンポなダンスナンバー

④NOTHING'S BETTER THAN LOVE

映画の中盤、ドナシエンヌの隣の家で催される真夜中のダンス・パーティーのバックで流れ、
③と同じ女性ボーカリストによる美しいバラード曲。
ドロンさん演じる主人公がナタリー・バイ演ずるヒロインとつかの間のダンスに身をやつすシーンで流れるこの曲は、
もっと世に出ていてもおかしくないバラードの名曲です。


以上の4曲の後にBABY PLEASE COME HOMEとBLUE SERENADEの2曲の
アレンジ違いの2曲が追加で収録されています。

映画を見ていると前述のクラシック音楽と交互に聞かされていた為にあまり気づかなかったのですが、
これらオリジナル曲には80年代らしいシンセ・サウンドが全面的にフューチャーされており、
音楽的には『燃えつきた納屋』あるいは『LE PASSAGE』に近いものがあります。

またボーカル曲が全てフランス語ではなく英語の歌詞で歌われているところが、
映画が製作された時代を反映しています。
本作の後のドロンさんのヒット作『PAROLE DE FLIC』に至っては
その傾向がさらに進んでいくことになります。


Comments (10)
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