LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

LOVE LETTERS

2008-11-06 | INTERVIEW
いよいよ7日からパリで幕開けとなるアラン・ドロンさんの舞台ですが、
これについてのインタビュー記事が本日フィガロ誌のサイトにアップされました。
下記に原文を翻訳しましたので、皆様どうぞご覧下さい。
日本から観にいかれる皆様、どうぞお気をつけていってらっしゃいませ。
http://www.lefigaro.fr/theatre/2008/11/05/03003-20081105ARTFIG00525-alain-delon-le-theatre-est-ma-therapie-.php

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ルフィガロ誌(以下LF)-どのようにしてこのプロジェクトは決まったのですか?

アラン・ドロン(以下AD)-数ヶ月前、マドレーヌ劇場の監督がこの“ラブレター”を私に依頼してきたんだよ。
だが私は当時、来年1月からパリ劇場でLe Bateau pour Lipaïa をLine Renaudと共演することになっていて、
かけもちは難しいと断ったんだ。
だかその後このプロジェクトがなくなったので、私との共演を望んでいたアヌーク・エメに連絡してみた。
彼女はその時ニューヨークかワシントンでこの“ラブレター”を一緒に演じるスターを探していたんだ。
私は50年以上彼女のことは知っているけれども、今まで共演したことはなかったんだよ。
私にとっては舞台に立つということは一種の治療のようなもので欠かせないものさ。
私はとても楽しみだし、喜んでいる。

LF-Line Renaudとのプロジェクトは完全に放棄したのですか?

AD-そうだ。もうあの話は終わったよ。私が初めて舞台に立ったパリ劇場に再び出演することはもうない。
だが私はLine Renaudとの関係については心配はしていないよ。

LF-フィリップ・ノワレのこの舞台での成功を意識していますか?

AD-いや、私は彼よりも上を目指すよ。私は最初の作品をそのまま繰り返すようなことはしない。
フィリップのことは尊敬している。だが私は彼とは違うものを作り出すよ。

LF-あなたは今回初めて舞台のプロデュースもされますね...

AD-以前この舞台の監督であったサンドリーヌ・デュマは今回参加できなかった。
私は今まで経験はなかったけど、やってみたんだ。照明の位置を考え、音楽を選んだ。
私はほぼ52年間この仕事をしてきたが、今日の今日まで舞台演出は初めてだった。
だが私は45本の映画を制作してきたし、俳優、プロデューサー、ディレクターとしてこの仕事を熟知している。
私はよくクリントイーストウッドと比較される。
『ボルサリーノ』を製作したとき、私はプロデューサーとしてこの映画のボスだった。
私はまた『危険なささやき』を監督したとき最大の成功を実現した。
当時、批評家たちはこう書いたよ "今回初めて、アランドロンは自分自身を監督して笑っている! "

LF-今回の「ラブレター」は、かなり静的な作品ではないですか?

AD-これは古典作品ではない。 2人の主人公たちが座ったままでいる。
だからそれ以上のステージングの設定が必要だ。これは非常に複雑な作業であり、かつシンプルなものだ。

LF-あなたが演じる男性の登場人物トーマスに親近感を感じますか?

AD-彼は優秀な政治家で、妻との裕福な家庭がありながらも、
幼馴染のアレクサ(アヌーク・エメが演じる)との間で失った過去について手紙を交換して語り合う。
この感情というものは普遍的なものではあるけれども、それらを表現するには、いろいろと異なった方法がある。
私自身はラテン的な情熱というものにより近いものを感じている。

LF-あなたはご自分をいつも「俳優(=コメディアン)」ではなく「役者(=アクター)」だと思いますか?

AD-うん、そうだ。「俳優」というものは演劇学校で学んだ人のことを言う。一方「役者」というのは偶然の産物なんだよ。
Bernard Tapieのように、一般的に、個性が非常に強く映画に向いているのが「役者」だ。
私は演劇学校で演技の勉強をしてはいないよ。私をこの世界に入れたのは正に映画なんだよ。
ギャバンやベンチュラは「役者」だ。一方フランシス・ユステやベルモンドは「俳優」なんだ。
これは何も彼ら「俳優」たちを軽蔑して言っているのではないよ。
私たち「役者」が役を演じる時、私たちはその役を生きるんだ。
私はならず者や警察官や司祭の服を着て街へ出ていくのさ。

LF-あなたの娘のアヌーシュカと共演する作品はどのようなものですか?

AD-2009年9月か10月に予定しているよ。
劇は、Eric Assous によって書かれた、“ Une journée ordinaire(典型的な1日)”という題だ。
アラン・ファビアンも俳優になることを決めたよ。
私は自分自身の名前が、アントニー、 アヌーシュカとアラン・ファビアンのおかげで、影が薄まることに満足している。
私は俳優たちの王朝家系の父となるんだ。

LF-彼らに何かアドバイスはありますか?

AD-彼らの利点は、彼らは父親と一緒に住んでいたということだ。
と同時に彼らの不利な点は彼らが父親の娘や息子であるということだ!
しかし、あまりアントニーほどはアヌーシュカとアラン・ファビアンが苦労することはないんじゃないかな。

LE-あなたが引退する日のことを考えていますか?

AD-定年退職というものが存在しない職業が2つある。政治家と俳優だ。
しかし、多くの人々が私に期待するものを私が与えられなくなってしまったら私はやめるだろう。
だが残念ながらこの仕事は、世界で最も優れた健康法だと私は思う。
もしこの仕事をやめたら、私は死ぬだろう。死ぬことを私は気にはしていないよ。
私はしなければならないことは全てやってきたから。私は後悔せずに死ぬことができる。
しかし、私は子供たちが独り立ちするまでは、もう少しがんばるだろう。
私の今一番恐れていることは病気になって体が不自由になることだよ。

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舞台『ラブ・レターズ』のストーリーについてはこちらをご覧ください。
            ↓
http://www.parco-play.com/web/play/loveletters/what_ll.html
Comments (2)
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