陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

菅政権が金賢姫に大盤振る舞いをした理由が分からない(追記あり)

2010-07-28 02:07:15 | 拉致問題
 金賢姫元工作員が、7月20日から4日間来日。菅<ガンス>内閣は、彼女にVIP待遇を行った。鳩山<ルーピー>前首相の軽井沢別荘で滞在させるために、ヘリコプターで移動、ついでに東京上空の遊覧飛行をサービス、また、都内移動の際は交通規制など、国賓の各国元首以上の厚遇ぶりだ。

 この北朝鮮女性は、1987年、大韓航空機858便をラングーン沖で爆発墜落させ、乗客・乗員115人を殺害した。韓国法廷は、彼女に死刑の判決が下したが、特赦で刑執行を免れた。

 日本人名「蜂谷真由美」のパスポートを用いたこのテロ行為は、我が国を侮辱した行為でもある。拉致問題で情報を得るために、超法規的措置(死刑囚は入国禁止)を取ってまで4日間来日させた意図が分からない。何故前首相の別荘で厚遇する必要があったのか?また、1000万円も使って、チャーター機で往復させたのは何故か?公私混同の接遇は疑問だらけである。

 はっきり言って、これは税金の無駄遣いである。拉致被害者の情報を得るためと言うなら、既に被害者家族はソウルで彼女に面会をして詳しい話を聞いていたではないか。拉致問題解決のためには、北朝鮮への経済制裁を更に強めれば良いのであって、金賢姫の話を聞くことなど、隔靴掻痒(かっかそうよう)の行為である。

 金銭的なことばかりではなく、拉致問題に対しては、日本政府としてもっと毅然とした姿勢を取って欲しいと願う。現在の首相と法相が、シン・ガンス死刑囚のシンパだから、無理だとは思いつつも。


金元工作員の招請費3000万円超 費用対効果いかに?
2010.7.23 23:36

 23日に帰国した金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員(48)の招請費用が数千万円規模に上る見通しであることが23日、政府関係者の話で分かった。4月に来日した黄長●(=火へんに華)(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党書記の招請費約1千万円の3倍は優に超えるといい、「国賓」を超えた待遇に政府内から批判も。“壮大な浪費”といわれないためには、動かぬ拉致問題に政府が本気で取り組むほかない。

 「ちょっと東京上空を見せてあげる。こんなことを非難しているようじゃ世界中、誰も情報を持った人は来てくれない」。23日の閣議後の会見で、招請を主導した中井洽(ひろし)国家公安委員長・拉致問題担当相はこう声を荒らげた。

 矢面に上がったのは「VIP」用ヘリコプターを使った“遊覧”飛行だ。ヘリは東京都調布市から神奈川県の江の島上空など約40分間、大回りして東京都江東区に到着した。「遊覧」との指摘に中井氏は「警備ですよ、警備。遊覧なら絶対韓国は認めない」と言い張った。一般的に同型ヘリのチャーター費は1時間約87万円。

 費用がかさんだとみられるのが韓国との往復に使われたチャーター機だ。4日間借り受けた上、韓国への送り迎えで2往復必要なため、約1千万円かかる計算になる。

 黄氏を招請した際は旅客機が使われた。黄氏は北朝鮮の元ナンバー2の要人で「北朝鮮最大の暗殺ターゲット」(韓国当局者)とされているが、今回の待遇と大きな違いをみせた。さらに今回は軽井沢の前首相の別荘が滞在先に提供されたうえ、都内移動中は道路を封鎖したり、信号を全部「青」にする「国賓」以上の処置が取られた。

 政府関係者は「黄氏の招請費を約1千万円に上る」とした上で、金元工作員の招請費は「その3倍は優に超える」と見積もる。今年度12億円に倍額された拉致関連予算から支出されることになる。ただ、正確な額は集計中といい、菅直人首相は23日、記者団の質問に「大きいところのものは報告を受けているが、具体的なところは受けていない」と述べた。

 招請理由を拉致被害者との面会に加え「世論喚起のため」と述べながら、金元工作員の記者会見さえ行われなかったことには、面会した拉致被害家族からも不満が漏れたが、中井氏は「韓国側の強い意向だ」と繰り返した。

 政府内や野党からも「大勢の犠牲者を出した事件を起こした人物にVIP待遇はやりすぎだ」と批判が出ていることには、中井氏は「『テロリストを入国させるな』というなら韓国を責めればいいじゃないか」と“逆ギレ”してみせた。

 「今回の面会をどう解決につなげるか。それが見えないと、意味があったとはいえない」。被害者家族の1人はそう訴えている。

http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100723/kor1007232341011-n1.htm


(追記:7月29日)

 前衆議院議員・西村真悟氏の時事通信より転載します。

克服すべき官僚支配とは何か
西村真悟の時事通信 No.534 平成22年 7月24日(土)

 拉致被害者救出運動は、民間有志の運動として始まった。
 全国各地の有志が、各人の場所で街頭署名を始め、横田ご夫妻を呼んで拉致問題を訴えて広がった。相互間の連絡が始まったのは、各人が立ち上がってからであった。各人は、同じことをしているから同志となったのである。

 いつの間にか、皆は胸に青いリボンを着けるようになった。
 その青いリボンは、北朝鮮にいる拉致被害者と家族を隔てる日本海の青を表しているとともに、いかに離れていても家族を結び付ける空の青を表していた。

 拉致被害者救出運動は、国民運動となった。ついに日比谷公会堂で毎年開かれていた救出集会に、官房長官さらに総理大臣が出席するようになった。
 そして、内閣に総理大臣を長とする拉致対策本部がおかれ、担当大臣も生まれた。

 そこで何が起こったか。
 拉致被害者救出は、大臣と官僚の胸を叩いても火花が出ないルーティーンワークとなった。
 現在、拉致担当大臣がおり担当の役人がいる、そして、官制のポスターが作られ官制の運動をしている。この体制が拉致被害者救出への関心を国民から奪い、救出を遅らせる要因となった。
 
 このことを端的に示したのが、この度の金賢姫元北朝鮮工作員の来日である。
 彼女の来日の目的は大臣と官僚の演出によって、わけがわからないものとなった。
 彼女は、軽井沢の鳩山氏の別荘にいて田口さんと横田さんのご家族と会った。東京上空をヘリ遊覧し、帝国ホテルで、担当大臣などと食事をして韓国に帰った。
 このすべての工程を官僚が取り仕切った。誰と会い、誰と食事をするか、すべて官僚が決めた。
 一体、何のために金賢姫を招いたのか。

 昨日も書いたが、特定失踪者調査会の荒木和博代表は、会食の場所である帝国ホテルで一時間以上も待ったのであるが、金賢姫との接触を一切許されなかった。
 この荒木代表の記者会見の様子を、本ホームページに掲載するので閲覧していただきたいが、要するに、この官僚組織は、新たな拉致被害者が判明して増えるのが嫌なのだ。

 現在の「政府認定拉致被害者」だけに被害者を限定し、この他にも多数の拉致被害者が存在するという前提は認めない、これが拉致問題に関する「官僚支配」である。拉致被害者を拉致被害者と認める絶好の機会を奪う官僚組織は、国民を救出する組織ではなく憎むべき棄民のための組織である。
 したがって、官僚組織は、政府認定被害者以外の被害者のリストと顔写真を持参した荒木和博が金賢姫と接触し、被害者の写真を金が見て確認する機会を奪ったのである。

 民主党は、「官僚支配」の打破と言っている。
 バカも休み休み言え。
 一番「官僚支配」に身を委ねているのが民主党の内閣ではないか。要するに、拉致被害者は一体何人いるのかという重要課題に関心がなく、被害者を救出する意欲もない者(菅)が、官僚に頼って金賢姫を招いて形をつけた。これがこの度の金来日である。(了)
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2 コメント

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説明責任 (憂国烈士)
2010-07-30 07:19:04
 ↓は責任当局の「説明責任」不足を報道と状況証拠から”小説”化した書き込みです、当事者がどの点が許容できないのか?を知れば、おのずと問題点が露呈されるでしょう。
(YAHOO削除投稿文)
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:wS-8iqQiEd8J:seiji.yahoo.co.jp/giin/rev/detail/index.html%3Fg%3D2010000529%26s%3D0%26d%3D1%26r%3D211+Yahoo+%E4%BB%8A%E5%9B%9E%E4%BF%BA%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%81%AF%E5%AE%8C%E7%92%A7%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
      今回俺の仕事は完璧だった。
・今回の金賢姫招待は拉致問題の解決に大きな助けになった!
・韓国民も政府にも反対はあったがやっと実現し成功裏に帰国できてうれしい。
・遊覧飛行もお土産も俺の考えでやった、失礼の無いようにだ。
・漢流ファンの鳩山さんの軽井沢別荘滞在は以前からの計画で警備にもちょうど良いと考えた。俺も韓国女性には親しみがあり話も合った。
・前からめぐみさんと田口さんについてマカオルートと韓国被害家族会から不確か情報はあるにはあったが、今回出た情報でやっと確認できるだろう。
・テロ・旅券法違反者の入国とか正式公安当局取調べの是非とかは国民の知るべきことではない。
・これで担当相としての貢献もできたし、被害者家族も国民も改めてその進展に満足している。
 (仮にこう言われると賛成しますか?)     投稿日時:2010年7月24日 11時54分

(参考)     大谷昭宏氏 : 金工作員の来日は、中井大臣の「劇団ひとり」芝居     Livedoor "BLOGOS"
・・・日本の入管法では、その国の法律で1年以上の懲役、または禁固刑が確定した者の入国は認めないことになっている。金元工員は懲役1年どころか、大韓機事件による死刑確定犯である。その後、大統領特赦によって死刑は免れたものの、韓国国民の目から見れば、決して許すことができないテロリストである。加えて大韓機事件の際、偽造の日本のパスポートを所持、わが国の旅券法違反の容疑者である。事件後、韓国に滞在しているのだから時効は成立していない。
 それを法務大臣の特別上陸許可という、いわば超法規的措置で入国させたのだ。そのことを、私がコメンテーターをしているテレビ朝日のニュース番組が元入管局長らの談話を添えて批判したところ、中井大臣は烈火の如く怒って取材拒否までちらつかせてきた。どこか後ろめたいところがあるから言論封圧に出たのだろうが、これでは拉致問題を引き起こした、かの国の為政者と一緒ではないか。・・・
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情報を有難うございます (茶絽主)
2010-08-08 01:33:17
憂国烈士様

 情報を有難うございます。中井<ハマグリ>大臣のいい加減さが良く現れた一件でしたね。
 菅<学芸会>政権は、拉致被害者のことを真剣に考えておらず、話題作りに励んだだけでした。金賢姫も、韓国人を100人以上殺したことを本当に反省しているのでしょうか?
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