今年6月にイスラエルとハマスの間で結ばれていた停戦協定が12月26日に失効すると、イスラエルはガザ地区の大規模空爆に踏み切った。それによるパレスチナ人死者は345人、負傷者は1500人以上と言う。
イスラエルは、空爆に続いてガザ地区へ地上軍を投入する意図である。この際、イスラム原理主義組織「ハマス」の戦闘能力を根こそぎ殲滅する狙いなのかも知れぬ。ヨルダン川西岸を支配するより穏健な組織「ファタダ」出身であるアッバス議長の任期は1月9日まで。その後行われる議長選出において「ハマス」の影響が出ないように彼らの指導者へ圧力を掛けているようにも思われる。
一方的なイスラエルの軍事力行使に、イスラム諸国は勿論、イギリスでもイスラエル非難の声が起こっている。米国は、例によってイスラエルの攻撃を事後承認する構えである。国連事務総長も、米・EU・露に停戦させるよう協力を要請した。
与党カディマの党首交代で力を失ったオルメルト政権だが、「ハマス」排除に関してはイスラエル軍部や右派野党リクードに牛耳られているようだ。彼らは、オバマ新政権発足前に既成事実を作ってしまおうとの戦略に見える。
【ガザ空爆】「反イスラエル」拡大 死者計345人
2008.12.29 21:16
【カイロ=村上大介】パレスチナ自治区ガザ地区に対するイスラエル軍の空爆は29日で3日目に入り、フランス通信(AFP)によると、パレスチナ人の死者は計345人に達した。イスラエルのバラク国防相は同日、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとの「全面戦争突入」を宣言。これに対し、アラブ諸国を中心に反イスラエルの動きが広がっている。
近く地上軍による侵攻作戦に踏み切る構えをみせるイスラエル軍は、ガザ地区との境界付近に配備する戦車部隊を増強している。28日にはレバノン領空を侵犯。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師は反イスラエル勢力への警告とみて警戒を強め、29日にベイルートで開催する集会への参加を市民に呼び掛けた。ハマスを支援するイランは29日を「服喪日」とした。
フランス通信(AFP)などによると、モロッコの首都ラバトでは27日、約3000人がデモ行進した。28日にはイエメンの首都サヌアの競技場にパレスチナ人を支持する数万人が集まり、アラブ諸国の連帯を訴えた。ロンドンのイスラエル大使館前でも同日、英議員や元閣僚を含む約3000人が「イスラエルはテロ国家だ」などと叫び、空爆に抗議した。
抗議の矛先は、ガザ地区との境界を封鎖しパレスチナ人の入境を認めようとしないエジプト政府にも向けられている。27日、カイロでは約2000人がデモを行い、ムバラク大統領を糾弾した。ヨルダンの首都アンマンのエジプト大使館前でも抗議デモが行われた。
国連の潘基文事務総長は28日、2日続けて軍事行動の即時停止を促す声明を出し、沈静化を求めた。29日には湾岸協力会議が首脳会議を開きガザ情勢を協議。22カ国・機構で構成するアラブ連盟も、来年1月2日にカタールの首都ドーハで開く臨時首脳会議で攻撃停止の方策を探る。
しかし、ハマスの抗戦意思は衰えておらず、バラク国防相も「これはハマスとその分派との全面戦争だ。作戦は必要に応じて強化する」としている。
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/081229/mds0812292118012-n1.htm
1948年5月に設立された「人工国家」イスラエルと中東アラブ諸国の間で、何度も領土争いの戦争が起こり、繰り返し和平協定が結ばれたが、決して長続きしなかった。それどころか、世代を経るに従って、双方の怨念は益々エスカレートしている。
2世紀にローマ帝国によってユダヤ王国が壊滅させられ、ユダヤ人は世界中に分散して1800年間が過ぎた。だが、ユダヤ人の持つ民族性と宗教性はその間でも他民族との調和を許さず、シオニズムは生き残った。現在のイスラエルは、基本的に英国の二枚舌外交によって形成されたが、土地を追い出されたパレスチナ人はもとより、アラブ諸国から根強い反感を買っている。
中東からイスラエルが国家ごと引越ししなければこの問題は解決しない。歴史的に考えて、シナとロシアへの移住は難しい。アフリカも民族国家が多いから困難だろう。多民族国家で土地に余裕のある豪州、カナダ、そして米国が候補になる。ユダヤ民族も、アングロサクソン民族とは調和できるだろう。
それは、数十年を必要とする国際的大プロジェクトになるだろう。その間、イスラエルと中東諸国はいがみ合いや殺し合いを続ける。小手先の和平会議を繰り返している内に、中東大戦争や核戦争が起きて、地球最後の日を迎えるかも知れぬ。それだけは避けたいものだ。
イスラエルは、空爆に続いてガザ地区へ地上軍を投入する意図である。この際、イスラム原理主義組織「ハマス」の戦闘能力を根こそぎ殲滅する狙いなのかも知れぬ。ヨルダン川西岸を支配するより穏健な組織「ファタダ」出身であるアッバス議長の任期は1月9日まで。その後行われる議長選出において「ハマス」の影響が出ないように彼らの指導者へ圧力を掛けているようにも思われる。
一方的なイスラエルの軍事力行使に、イスラム諸国は勿論、イギリスでもイスラエル非難の声が起こっている。米国は、例によってイスラエルの攻撃を事後承認する構えである。国連事務総長も、米・EU・露に停戦させるよう協力を要請した。
与党カディマの党首交代で力を失ったオルメルト政権だが、「ハマス」排除に関してはイスラエル軍部や右派野党リクードに牛耳られているようだ。彼らは、オバマ新政権発足前に既成事実を作ってしまおうとの戦略に見える。
【ガザ空爆】「反イスラエル」拡大 死者計345人
2008.12.29 21:16
【カイロ=村上大介】パレスチナ自治区ガザ地区に対するイスラエル軍の空爆は29日で3日目に入り、フランス通信(AFP)によると、パレスチナ人の死者は計345人に達した。イスラエルのバラク国防相は同日、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとの「全面戦争突入」を宣言。これに対し、アラブ諸国を中心に反イスラエルの動きが広がっている。
近く地上軍による侵攻作戦に踏み切る構えをみせるイスラエル軍は、ガザ地区との境界付近に配備する戦車部隊を増強している。28日にはレバノン領空を侵犯。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師は反イスラエル勢力への警告とみて警戒を強め、29日にベイルートで開催する集会への参加を市民に呼び掛けた。ハマスを支援するイランは29日を「服喪日」とした。
フランス通信(AFP)などによると、モロッコの首都ラバトでは27日、約3000人がデモ行進した。28日にはイエメンの首都サヌアの競技場にパレスチナ人を支持する数万人が集まり、アラブ諸国の連帯を訴えた。ロンドンのイスラエル大使館前でも同日、英議員や元閣僚を含む約3000人が「イスラエルはテロ国家だ」などと叫び、空爆に抗議した。
抗議の矛先は、ガザ地区との境界を封鎖しパレスチナ人の入境を認めようとしないエジプト政府にも向けられている。27日、カイロでは約2000人がデモを行い、ムバラク大統領を糾弾した。ヨルダンの首都アンマンのエジプト大使館前でも抗議デモが行われた。
国連の潘基文事務総長は28日、2日続けて軍事行動の即時停止を促す声明を出し、沈静化を求めた。29日には湾岸協力会議が首脳会議を開きガザ情勢を協議。22カ国・機構で構成するアラブ連盟も、来年1月2日にカタールの首都ドーハで開く臨時首脳会議で攻撃停止の方策を探る。
しかし、ハマスの抗戦意思は衰えておらず、バラク国防相も「これはハマスとその分派との全面戦争だ。作戦は必要に応じて強化する」としている。
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/081229/mds0812292118012-n1.htm
1948年5月に設立された「人工国家」イスラエルと中東アラブ諸国の間で、何度も領土争いの戦争が起こり、繰り返し和平協定が結ばれたが、決して長続きしなかった。それどころか、世代を経るに従って、双方の怨念は益々エスカレートしている。
2世紀にローマ帝国によってユダヤ王国が壊滅させられ、ユダヤ人は世界中に分散して1800年間が過ぎた。だが、ユダヤ人の持つ民族性と宗教性はその間でも他民族との調和を許さず、シオニズムは生き残った。現在のイスラエルは、基本的に英国の二枚舌外交によって形成されたが、土地を追い出されたパレスチナ人はもとより、アラブ諸国から根強い反感を買っている。
中東からイスラエルが国家ごと引越ししなければこの問題は解決しない。歴史的に考えて、シナとロシアへの移住は難しい。アフリカも民族国家が多いから困難だろう。多民族国家で土地に余裕のある豪州、カナダ、そして米国が候補になる。ユダヤ民族も、アングロサクソン民族とは調和できるだろう。
それは、数十年を必要とする国際的大プロジェクトになるだろう。その間、イスラエルと中東諸国はいがみ合いや殺し合いを続ける。小手先の和平会議を繰り返している内に、中東大戦争や核戦争が起きて、地球最後の日を迎えるかも知れぬ。それだけは避けたいものだ。
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