陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

橋下知事と大阪府労連との闘い

2008-06-22 07:32:15 | Weblog
 財政難に陥っている大阪府の橋下知事は、人件費削減で大阪府労連と団体交渉したが、この団交で12時間も拘束されたとの事。財源が無ければ、給与が減っても仕方が無いと思うけれども、既得権にしがみ付く労組にはそれが分からない。

 橋下知事は、給与を半額にすると言っている訳では無いのだし、府民の負担する税金に限界があるから賃金カットを提案しているだけだ。知事案は、最終的には府議会で審議して決めるのだから、さっさとそちらに議論の場を移すことだ。世論を背景にした橋下知事の提案を、府議会は無視出来ないだろう。私は、大阪府民ではないが、橋下知事を応援する。

 赤字債権団体になったら、橋下案よりも給与は極端に下がるし、良い事は何も無いと思うのだが。そんなに給与で不満なら、彼らは辞職すれば良いと思う。大阪府民も、「たかり」に慣れた府職員(地方公務員)の我侭に呆れていることだろう。

府労連との団交決裂、橋下知事、人件費削減案一部修正
06/21 12:04更新

 大阪府の橋下徹知事が打ち出した今年度345億円の人件費削減案をめぐる府と府労働組合連合会(府労連)との団体交渉は21日朝まで続き、橋下知事はマイカーなどを使った通勤手当の見直しを見送るなど、削減案の一部修正方針を示したが、府労連側は「人件費削減案の撤回という組合員に約束してきたことが実現できなかった」として、交渉決裂を表明した。

 橋下知事を交えて20日深夜から始まった交渉は約7時間に及び、橋下知事は「財源がなく、削減は避けて通れない」と理解を求めたものの、府労連側は譲らなかった。

 府労連は交渉の中で、マイカーや自転車などを使った通勤手当について、支給額区分を「一般」「通勤不便者」「身体障害者」の3区分から「一般」に統合する見直し案に触れ、「見直しによる効果額は小さく、影響はほとんどない」と指摘。橋下知事は交渉終了後、区分の見直しを見送る考えを示した。

 ただ、橋下知事は通勤手当区分の見直しを見送った以外は、一般職員の基本給を16~4%、退職金を5%カットするという人件費削減案は撤回しなかった。新居晴幸執行委員長は「(通勤手当区分の見直しは)成果とはみなさない。交渉決裂となったのは残念」と話した。

 引き続き府は21日早朝から、府関連労働組合連合会(府労組連)と団交を開始。今年度末での廃止の方針が示された、教育現場における非常勤職員の削減案の撤回などを求めた府労組連に対し、橋下知事は財政難を理由に応じられない考えを示し、交渉は決裂、午前10時半ごろに終了した。橋下知事が出席した団交はわずかな休憩をはさみ、計約12時間に及んだ。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/154962/


 地方公務員の給与は、国家公務員に比べて高過ぎるし、更に公務員は民間と比べると、随分優遇されている。大阪府職員の平均年収は、地方公務員平均を上回っていると思う。それで悪さをする者が出るのだから、府民は踏んだり蹴ったりだ。

公務員平均年収
国家公務員  662.7万円
地方公務員  728.8万円
独立行政法人 732.6万円

民間平均年収
上場企業  589.3万円
民間全平均  434.9万円(男:539万円、女:271万円)

<年収ラボ>より引用
http://nensyu-labo.com/2nd_koumu.htm


 長いけれども、参考までに府労連の要求案を掲げておきます。全部を読む必要は無いが、25項以降などに随分勝手な要求部分がある。そこには、府財政の破綻と言う危機意識は全く感じられない。

平成19年6月5日
本日、大阪府労働組合連合会(新居 晴幸執行委員長)から知事に対して下記のとおり要求書の提出がありました。



1.労使慣行を厳守し、労働条件の改変にあたっては、一方的実施は行わないこと。
2.特例条例に基づく一時金の削減を撤回し、夏季一時金(期末・勤勉手当)を6月29日に支給すること。
3.2007年度の給与改定について、昨年度の給与改定にかかる交渉・折衝経過を十分尊重すること。また、若手・中堅職員の給与水準を大幅に引き上げること。あわせて新規採用者・中途採用者・現業職員・獣医師などの初任給決定基準を改善すること。
4.給与構造見直しにともなう懸案課題について引き続き協議を行うこと。 また、「任用制度の改善」、「行政職給料表2級の最高号給延長」及び「実習教員の2級格付けの改善」を行うこと。
5.「大阪府行財政改革プログラム(案)2006年版(平成18年)」の労働条件の見直しについては撤回すること。
6.新人事評価制度について引き続き5原則2要件の確立を図るとともに、「評価結果の年度内開示」、「労使による苦情処理機関の設置」など評価制度等の改善点や矛盾について、府労連と継続して研究会で協議を行うこと。
7.2008年度以降の栄養教諭任用について、希望者全員が早期に移行できるよう、今年度内に計画を策定すること。
8.国における他の給料表に根拠を置き、特殊性が恒常的なものに支給されている特殊勤務手当について、給料の調整額に移行すること。
9.時間外・休日勤務手当の支給率を「現行百分の125・135を百分の150に、現行百分の150・160を百分の200に」、夜間勤務手当を「現行25%を50%に」改善すること。
10.学校現場の実態を踏まえ、教職員の労働条件を改善すること。
11.学校総務サービス事業については、実施状況の検証を行い、現場実態を踏まえた十分な対策を講じること。
12.団塊世代の大量退職が始まっているなか、府民サービスの維持・向上と組織の活性化の観点から、必要な新規採用を確保すること。また、教職員の定数内臨時的任用を解消し新規採用を推進するとともに教職員定数の改善を図ること。
13.年度途中退職、産育休、長期の病気療養、休職などの代替要員を確実に配置すること。
14.小学校1・2年生の35人学級の計画達成をふまえ全学年に対象を拡大すること。
15.男女共同参画社会の実現に向けて、大阪府が府域自治体や民間職場のモデルとなるよう、府労連と協議を行なうとともに積極的に取り組むこと。当面、次の事項を実現すること。
(1)女性の採用・登用の促進等、数値目標を含めたポジティブアクションを講じること。
(2)女性が働きやすい環境整備を行なうとともに、セクシュアルハラスメント防止に向け実効ある対策を講じること。
(3)男女ともに、仕事と育児の両立支援の視点から、次世代育成支援策を推進・拡充すること。
①「特定事業主行動計画」の実施状況を検証し、計画を実効あるものとするため府労連と協議すること。
②育児時間、子どもの看護休暇および保育休暇などの制度を拡充すること。
③妊娠中・出産後の健康に配慮した措置を行うこと。
④育児休業者の職場復帰後の昇給復元措置を改善すること。
⑤育児休業の有給化への法改正を国に求めること。
16.介護休暇者および病気休職者の職場復帰後の昇給復元措置の改善を図ること。
17.総合的労働時間短縮を図るため「時短リフレ研究会」の検討を促進するとともに、当面、次の事項を実現すること。
(1)1日の勤務時間を7時間30分に短縮するよう条例改正を行うこと。
(2)長時間労働の縮減を図るため、「ゆとりの日」の定着・拡大、業務内容・分担の改善や時間外勤務の上限規制の徹底など、実効ある縮減策を講じること。それでもなお恒常的時間外勤務が発生している職場については、職員の増員を行うこと。
(3)職員の過労による健康被害を防止するため、2003年に施行された「過重労働による健康障害防止のための産業医による保健指導等実施要綱」に基づき、適切に対処すること。また、実施結果を検証・公表し、府労連と十分協議すること。
(4)年次休暇の完全取得に向けた対策を強化すること。
(5)学校職場における休憩時間及び休息時間を確保するため必要な措置を講ずること。
18.ゆとりある豊かな時代に相応しい休暇制度を確立すること。当面、下記のとおり実現すること。
(1)リフレッシュ休暇を拡充すること。
(2)家族休暇及び夏期休暇の日数を拡大すること。
(3)ボランティア休暇、スクーリング休暇などの休暇制度を拡充すること。
(4)ドナー休暇の対象範囲を拡大すること。
(5)難病及び人工透析等の通院等にかかる休暇制度等を創設すること。
19.地方公務員法による「自動失職」に関する特例条項を設けること。とくに、公務中の事故等について無条件に「自動失職」が適用されることがないよう、分限条例を改正すること。
20.「地方独立行政法人」については、職員の身分・勤務条件等に大きな影響をもたらすものであり安易な導入を行わないこと。また、公立大学法人「大阪府立大学」及び地方独立行政法人「大阪府立病院機構」の運営に支障が生じないよう運営費負担金を交付すること。
21.任期付研究員および一般職の任期付職員の採用について、府労連の申し入れ事項を踏まえ十分協議すること。また、研究職の「研究評価システム」等については、労使合意を前提として慎重な検討を行うこと。
22.法改正にともなう育児のための短時間勤務制度の早期導入について、国の実施に遅れることがないよう措置すること。
23.介護のための休暇・欠勤制度を改善するとともに、国に対し、有給化への法改正と公的介護システムの拡充を求めること。また、介護のための短時間勤務制度を導入すること。
24.障害のある職員が安心して働き続けられるよう、職場環境・労働条件等の整備を行うこと。小・中学校における職場環境整備について、各市町村教育委員会への指導を強めること。また、大阪府における障害者雇用をさらに拡大すること。
25.職・従業員の心身の健康の保持・増進と疾病予防のため当面、下記のとおり実現すること。
(1)定期健康診断、人間ドックの制度・診断内容の改善、特定健康診査の計画を早期に策定し円滑実施を図ること。
(2)総合的な健康管理システムを早急に確立するなど、健康で働き続けられる条件整備を進めること。
(3)IT化にともなう職場環境の改善について、「新VDT作業ガイドライン」に沿って、職場の労働安全衛生対策を講じること。
(4)メンタルヘルス対策について、予防に向けた対策を強化するとともに、策定した「大阪府職場復帰支援プログラム」に基づき、職員の円滑な職場復帰支援策を推進すること。また、学校における「職場復帰支援プログラム」を早急に策定すること。
26.再任用等を希望する職員の雇用を確保すること。また、再任用にかかる職員からの苦情について、誠実に対応するとともに必要な対策を講じること。
27.地方公務員法42条・43条ならびに「大阪府学校職員の互助制度に関する条例」及び「大阪府職員の共済制度に関する条例」制定の理念を堅持し、その趣旨に基づき職員の福利厚生事業を実施すること。
28.臨時的任用職員・非常勤特別嘱託員・非常勤若年特別嘱託員・非常勤職員等の給与及び報酬額引き上げと定期健康診断の対象者の拡大と充実、さらに特別休暇の有給化等の待遇改善を行うこと。また、国の法改正の動きをふまえ、公務における非常勤職員の社会保険適用問題など抜本的な整備に向け、働きかけること。

(参考)
大阪府労働組合連合会
執行委員長 新居 晴幸

【構成団体】
大阪府教職員組合
自治労大阪府職員労働組合
大阪府従業員組合
大阪府水道労働組合
http://www.pref.osaka.jp/fumin/doc/houdou_siryou1_16041.pdf
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■橋下知事、労組と徹夜バトル 人件費削減を巡り - 公務員だけが例外ということでは済まされない! (yutakarlson)
2008-06-22 09:59:16
■橋下知事、労組と徹夜バトル 人件費削減を巡り - 公務員だけが例外ということでは済まされない!
こんにちは。今から3年くらい前に、日本の世帯収入が600万円を切りました。日本全世帯が傷みわけをしているということになります。私もこの件に関してブログに掲載しました。日本国内では、構造改革のうねりの中で、民間企業、特に中小企業は淘汰され、強いところだけが残り、銀行も不良債権処理で多くの行員が痛みわけを余儀なくされました。ご存知のように、夕張も悲惨な状況です。10年前に唯一の都市銀行であった北海道拓殖銀行が破綻した、北海道ではその影響が今年から色濃く出てきそうです。公務員だけが例外ということでは済まされないと思います。それから、橋下知事の改革手法にとやかく言う人もいますが、人件費削減などの痛み分けは、手法がどうであれ改革をしようとする人は最初に手がけなければならないことだと思います。ここに書くと長くなってしまいます。是非私のブログをご覧になってください。
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