陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

期待外れであったG7、10月13日のウォール街はどう反応するか

2008-10-11 10:46:51 | 財政・経済問題
 米国東部時間10月10日のNY株式市場は、1000ドル幅を越す乱高下を繰り返し、ダウ30種平均がー128ドルで引けて終値は8451.19ドル、8日間連続の株価低落となった。その内容については、ブルームバーグの記事が詳しい。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=aUhxoz9b7GPU&refer=jp_home

 同日午後に開催されたG7では、緊急事態との共通認識は得たものの、国際的な不良債権買取機構を設置するわけでもなく、協調精神の確認で終わっている。急落したユーロやポンドの価格維持などは話し合われなかったのか。

 必要に応じて公的資金を用いて銀行へ資本注入を行い、カネの市場流動性を確保することは既に欧州各国で実行されているし、日本の短期金融市場へも日銀は9月半ばから連続17日間20兆円以上に及ぶ資金供給を行って来た。

 この金融危機の元凶である米国は、銀行への公的資金注入を渋り続けたが、ようやく他の先進6カ国に歩調を合わせることとなった。具体性に乏しく、中途半端なG7の行動計画に対し、10月13日(月)のNY市場はどのように反応するのだろう。モルガン・スタンレーの株価は30%下落、資本強化したはずの米国最大の製造業、GMの株価も下り放しである。


G7閉幕、行動計画発表 公的資金で資本増強

 【ワシントン10日共同】先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は10日夕(日本時間11日朝)、金融機関が公的資金による資本増強を図ることなどを盛り込んだ行動計画を発表し、閉幕した。

 行動計画は「現在の状況は、緊急かつ例外的な行動を要請している」との認識でG7が合意したと明記。金融市場の安定と世界経済の成長のため、協力していくことを約束した。

 重要な金融機関を支援し、破たんを防ぐため「断固とした行動を取り、あらゆる利用可能な手段を使う」と表明。「銀行が民間資金とともに、必要に応じ公的資金により自己資本の増強を図れるようにする」との表現で資本注入に言及。金融市場への十分な資金供給、預金保護の強化なども打ち出した。

 G7に出席した中川昭一財務相兼金融担当相は、日本がバブル崩壊後、資本注入で金融システムの安定を図った経験を説明。預金が流出しているアイスランドなど中小国や新興国への財政支援も提案した。

 議長を務めたポールソン米財務長官はG7後の記者会見で「今回の声明は通常とは違う」と述べ、行動計画に集約したことを明らかにした。
http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008101101000072.html

 この後、G20特別会合が行われるようだが、どれほどの意味を持つか疑問である。日本にカネを出せという場にならないことを期待しておこう。
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