陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

イスラエルとパレスチナの会談が始まる

2007-12-13 00:55:39 | 中東問題
 中東和平会議(アナポリス)の申合わせに従って、イスラエルとパレスチナは7年ぶりに話し合いを始めた。その直前に、イスラエルはガザ地区(ハマスが実効支配中)へ軍事攻撃を行った。これは、ハマス側からイスラエルに攻撃を仕掛けた報復らしい。AFP電によると

イスラエル軍がガザを攻撃、パレスチナとの和平交渉開始前日に
2007年12月12日 08:08 発信地:ガザ市/パレスチナ

【12月12日 AFP】イスラエル軍は11日、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の支配下にあるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)全土で大規模な軍事作戦を行い、同組織の戦闘員5人を殺害した。医療関係者および目撃者が明らかにした。

 今回の軍事作戦はこの数か月で最大規模となり、南部で4人、北部で1人が殺害された。一方、米国主催の中東和平国際会議で和平交渉が正式に再開して以来初となる、イスラエル・パレスチナ両代表団による交渉を翌日に控えている。

 イスラエル軍報道官は、今回の作戦では2度にわたる空爆が行われ、イスラエル軍に接近していたハマス戦闘員の一部に命中したことを確認したと発表したが、詳細には触れなかった。

 一方、マフムード・アッバス(Mahmoud Abbas)パレスチナ自治政府議長の報道官は、今回のイスラエル軍による攻撃を「憎むべき犯罪行為」と非難し、「明日から始まる和平交渉の成功をイスラエルが望んでいるのか、さらに疑わしくなった」との見方を示した。(c)AFP/Sakher Abu El Oun
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2324648/2449877


 それにも係わらず、両者の話し合いは開始された。

和平交渉7年ぶり再始動 イスラエルとパレスチナ

 【エルサレム12日共同】イスラエルとパレスチナは12日、米国で11月に開かれた中東和平国際会議の合意を受けた和平交渉の運営委員会の初会合をエルサレムで開いた。パレスチナ国家樹立を目指した和平交渉が約7年ぶりに本格的に再始動する。

 両者は2008年末までの平和条約締結を目標に掲げているが、国境の画定、聖地エルサレムの地位、イスラエル建国で離散したパレスチナ難民の帰還などをめぐる両者の主張の隔たりは大きく、交渉の難航は必至だ。

 運営委員会の初会合では、今後の交渉の進め方や頻度を中心に協議。ブッシュ米大統領が来年1月にイスラエルなどを訪問した後に、実質的な交渉が進められる見通し。
2007/12/12 21:10 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200712/CN2007121201000670.html


 毎日新聞は、交渉の行方が悲観的であることを伝えている。

イスラエル:暴力の連鎖続き交渉に暗雲

 【エルサレム前田英司】イスラエル、パレスチナ双方の和平交渉チームは12日、「2国家共存」に向け7年ぶりの本格交渉を正式再開したが、暴力の連鎖が続く。双方とも中東和平国際会議で表明した「交渉再開」を実現し体面を保ったが、交渉の行方には早くも暗雲が垂れ込めている。

 イスラエル放送によると、南部には12日だけで約20発の手製ロケット弾がパレスチナ自治区ガザ地区から撃ちこまれた。軍は11日、ガザ地区南部に戦車などを投入。少なくとも武装勢力メンバー6人を殺害した。

 イスラエルは「適切な時期に、適切な方法で行動しなければならない」(オルメルト首相)と強い姿勢を示しており、一部からは大規模なガザ再侵攻の必要性を訴える声も高まっている。

 一方で、イスラエルは最近、東エルサレムにあるユダヤ人入植地に住宅約300戸を新設する計画を発表した。占領地ヨルダン川西岸一帯の入植地では、数百戸以上の新規住宅が建設許可を取得済みともされる。

 パレスチナ側の暴力停止やイスラエル側の入植活動凍結は、和平交渉を進展させるうえで双方に課せられた最初の履行義務だ。しかし、国際政治の舞台での「約束事」と、現場の実態の乖離(かいり)は大きく、ようやく再開した本格交渉が入り口でつまずく可能性もある。

毎日新聞 2007年12月12日 20時39分
http://mainichi.jp/select/world/mideast/news/20071213k0000m030090000c.html

 テーブルを挟んで両者は交渉しながら、その下では足の蹴り合いをしている。それでも、両者は席を立たない所が中々興味深い。ヨルダン川西岸の境界画定、エルサレムの分割など半世紀を掛けて揉めている問題が簡単には解決しないと思うけれども、来年早々の小ブッシュ大統領エルサレム訪問で妥協案が出てくるのだろうか。
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