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陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

南京で新型インフルエンザ発生の情報

2007-12-11 13:33:42 | 新型インフルエンザ
 今話題のインフルエンザは、明確に分類して理解することが大事だ。参考に掲げた著書から要約すると

○季節性インフルエンザ(ヒトーヒトの感染)
 弱毒性(H1N1、H3N2など)
 只今流行中のソ連A型はH1N2。予防ワクチンあり。
 飛沫感染と空気感染によるが、鼻腔、咽喉などの粘膜損傷が中心。
 小学校の休校などが行われる。

○高病原性トリインフルエンザ(鳥―鳥、鳥―ヒトの感染)
 強毒性(H5N1亜型)
 2003年12月28日、山口県の養鶏場、
 2004年2月18日、京都の養鶏場で発生
 これらは鶏を全数して、地中へ埋めている。
 アジア、東欧など全世界に広まっている。
 全身症状が特徴。数限定の予防ワクチンあり。
 鳥-ヒト感染は、インドネシア、ベトナム、中共南部などに散発的に見られる。
 ヒトの致死率は58%。

○新型インフルエンザ(ヒトーヒトの感染)
 強毒性(H5N1亜型)ウィルス表面がヒトの気管支や肺細胞に付着しやすく
 変性し、全身感染であらゆる臓器が損傷を受ける。
 まだ明確な発生状態は確認されていない。
 現在、WHOの分類でフェーズ3の段階。
 <パンデミック・フルー>として恐れられているインフルエンザ。
 世界で数千万人、日本でも60―200万人が死亡するとの予測。
 予防ワクチンなし。タミフルは、発病前48時間内で制御効果あり。
 致死率は相当に高いと予測されている。
 10代ー20代の若者が罹患すると進行が著しい。

 それで、最近南京市でH5N1型ウィルスによる死者が出た。

鳥インフルエンザ、人から人へ感染か…南京の親子

 厚生労働省は10日、中国・南京で、強毒性の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が人から人へ感染した疑いがあると発表した。

 人から人への感染は昨年、インドネシア・北スマトラ州で発生している。鳥インフルエンザは人に感染した後、感染力の強い新型インフルエンザに変異する可能性があり、同省は南京からの入国者に対する検疫を強化した。

 同省が公表した世界保健機関(WHO)の情報によると、先月24日に南京在住の男性(24)が発症し、2日に死亡した。その後、男性の父親(52)も3日にH5N1型を発症していることが確認され、病院で治療中。死亡した男性の感染ルートは判明していないものの、父親は男性から感染した可能性がある。
(2007年12月11日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071211-OYT8T00057.htm?from=goo

 早速厚労省は、検疫強化の指示を出した。共同通信によると、

厚労省が検疫を強化 中国の鳥インフルで

 中国南京市の男性が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染して死亡、父親も感染したことを受け、厚生労働省は10日までに空港や港での検疫体制を強化、都道府県に新型インフルエンザ発生時の対応手順などを確認するよう注意喚起した。

 検疫所ではこれまで、H5N1型の鳥インフルエンザ発生国からの入国者に熱感知装置などを使って高熱や急性呼吸器症状といったインフルエンザを疑わせる症状がないか確認。症状があれば病気の鳥に接触したかどうか尋ねてきたが、今回これに加え、中国からの入国者に南京市での滞在歴を問い、滞在歴があれば検査を行う。

 H5N1型では、2003年から今月9日までに12カ国で337人が感染、207人が死亡。人から人に感染しやすい新型インフルエンザに変異することが懸念されている。

2007/12/10 18:31 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200712/CN2007121001000483.html


 だが、Record China によれば

<鳥インフルエンザ><続報>人から人には感染しない!
感染家族2人の検査結果が判明―中国

2007年12月10日、中国衛生部は定例記者会見の席上、今月初め江蘇省南京市で発生した鳥インフルエンザ患者から検出したウイルスは、人から人へ感染する生物学的基礎条件を具備していないと発表した。新華社が伝えた。

衛生部スポークスマンの毛群安(マオ・チュンアン)氏は、今月3日と7日に相次いで同部が発表した鳥インフルエンザ感染者について説明。第1症例の男性患者はすでに死亡しているが、その父親である第2症例患者の症状は現在比較的安定しており、回復へ向かいつつあることを明らかにした。

第1症例患者の血液標本などを検査した結果、病原は家禽であることが再確認されたが変異などは見られないという。また、第1症例の濃厚接触者は69人で、そのうち55人がすでに医学的観察不要と診断された。第2症例の濃厚接触者は20人でそのうち6人が両方の患者と接触があるにもかかわらず、これまでに異常は見られない。現在、患者2人への感染経路を調査中であるとのこと。(翻訳・編集/本郷智子)
http://www.recordchina.co.jp/group/g13552.html


 まあ、中共記事のことなのでサーズ流行の時のように良く分からないのだが、息子は亡くなり感染した父親は回復中と言うこと。しかし、年配者は時間が経過すると症状が重くなる可能性がある。ただこの場合、感染経路が分からないのは困ったものだ。亡くなった24歳の若者は、どのような職場にいたのか、彼の最近の公共交通機関の利用の仕方など気になることは多い。

 南京―成田のダイレクト・フライト(東方航空)が12月16日から木、日に運行されるらしいけれども、検疫が大変だろうと予想する。

(参考)

河岡義裕「インフルエンザ危機」(集英社新書、2005)
外岡立人「新型インフルエンザ・クライシス」(岩波ブックレット、2006)
岡田晴恵「パンデミック・フルー 新型インフルエンザ Xデー ハンドブック」(講談社、2006)
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