陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

台風4号襲来と進路予測

2007-07-15 15:48:19 | Weblog
 庭の紫陽花が、雨に濡れて美しい。当地は台風の影響は殆ど無く、時折激しく雨が降るだけ。まずは、大型台風4号で犠牲になられた方々にお悔やみを申し上げる。もうこれ以上強風の被害が出なければ良いのだが。

 沖縄本島を襲った台風4号は、九州南端に上陸、その後日本列島太平洋岸をなぞるようにして伊豆諸島へ接近、既に勢力は弱まっているが、沿岸地域では油断できない。

 毎年台風の通り道になる沖縄県や九州地方では、強風のために停電が起きる。それを考える時、都市部の電線地中化を何故進めないのかと不思議に思えてならない。それは地震対策のためにも有効であるし、市街地の景観を良くする。結局は地方行政体が災難が去って直ぐに忘れてしまうからなのだろう。

 土砂崩れの起きそうな所に家を建てることを許可し、山林の手入れを怠る、それは人災に近い話だ。豪雨による土砂崩れの起きる箇所は、地震があっても災害が生じる。台風が来てから、幾ら警戒を呼びかけてもどうしようもない。これも、地方行政体の事前予測能力が欠如していることに繋がる。

 予測と言えば、今回の台風進路予測は気象庁の発表通りであった。発生から沖縄本島を直撃するまでは、ほぼ直線コースをたどり、徳之島西方海上から方向をゆっくり北へ転じて殆ど直角に進み、大隈半島上陸後は太平洋岸に沿って移動した。天気図を見ると支那大陸に2個弱い低気圧があり、旧満州方面と千島列島方面に高気圧があるのだが、知識の無いものにとっては直角に方向を変える台風の進路を読み取れない。只今は、コンピューター技術を用いてこうした予測をするのだが、中々見事である。この予測に従って、台風への備えをした人たちも多かっただろうと想像する。更にコンピューター技術が進展し、地上観測点の増強、衛星情報の充実が図られると、台風進路予測は精度を増す。

 だが人間世界のことは、中々予断を許さない。北朝鮮の核施設停止期限は4月上旬であったはずだが、既に3ヶ月遅れであり、なお本当に行われるかどうかも疑問である。日本の政界も、参議院選の結果次第では激震が予想されているが、果たしてどうなるのだろうか。

 かつて中谷宇吉郎博士は、「予報技術がどんなに進歩しても、東京タワーの天辺から1枚の紙を落とした時、どこに着地するのかを予測することは出来ないだろう」と言う意味のことを言われた。もう50年程前のことだ。コンピューター技術が著しく進歩した現在だが、そうした自然現象に限ってもまだ予測は難しい。ましてや人間の振る舞いを予測するのは、永久に不可能かと感じてしまう。 
 
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