陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

阿久根市職員全員の給与を市長が完全公開

2009-02-28 18:57:41 | Weblog
 阿久根(あくね)市の竹原信一市長は、ユニークな自治体責任者である。何がユニークかと言うと、人口2万4000人ほどの市民のために行政運営がこれで良いのかとブログで訴えかけ、既存利得に凝り固まった市議会と真っ向から対立している。

 竹原市長の日記風ブログは、<住民至上主義>で、この日記は、頻繁に記事がアップされる。中々意欲的なご意見で、私は彼を応援したくなる。
http://www5.diary.ne.jp/user/521727/

 一方、阿久根市のHPには、「市長の部屋」の項があり、市長の所信表明などを見ることが出来る。
http://www.city.akune.kagoshima.jp/

 同HPによると、H19年の阿久根市の財政規模は、約100億円。市税収入は約20億円で、それは市職員268人の給与・手当て総額約20億円(共済費を含む)と釣り合う額である。収入の残りは、地方交付税40億円、国庫支出金10億円、県支出金7億円、市債7.6億円、諸収入10億円が大きな部分である。

 竹原市長は、この給与総額20億円の内容を市職員267人についてブログ公開した。
http://www.city.akune.kagoshima.jp/sisei/syokuin.pdf

 それが、様々な波紋を呼んでいる。読売新聞によると、


鹿児島のブログ市長、今度は職員給料268人分をHP公開

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(49)が、市のホームページ(HP)に2007年度当時の市長、教育長ら幹部を含む職員計268人の年収、給料、14項目の手当の明細を1円単位で公開していることが23日、わかった。

1円単位、職員からは「そこまでやるか」

 多くの自治体が職員給与の水準をHPで公表しているが、平均額などの公表が一般的だ。名前などは伏せられているが、懐具合を公表された職員からは「そこまでやるか」との声も出ている。

 市HPの市政情報の欄に消防を除く全職員の給与を表組みで掲載。年間の給料に加え、扶養、地域、住居、児童、期末、勤勉など14項目の手当が記載され、正確な年収が明らかになっている。いずれも1円単位で給与総額が多い順に番号を振って公開。名前はないが、医師、市長、副市長、教育長は役職を記載している。

 このうち職員で最も高いのは医師、市長に次いで3番目で、給料543万8400円、扶養手当37万2000円、住居手当32万4000円、時間外手当55万6284円などとなっており、年収は総額909万1695円。

 公開について、竹原市長は自身のブログ(日記形式のHP)で「19年度職員給与、手当明細も公開しました」と紹介し、市HPの該当サイトにつながるようリンクを張っている。そのうえで、「年収700万円以上の職員が54パーセント、大企業の部長以上の給料を受け取る人間が過半数にもなる組織が阿久根市民の上に君臨している」「職責や能力と給料の関係もデタラメとしか言いようがない」などと職員批判を展開している。
 
竹原市長「税金の使い道の話だから公開して当然」

 竹原市長は読売新聞の取材に「市民から職員給与や退職金のことを知りたいと要望があったため掲載した。税金の使い道の話だから公開して当然。市は年間20億円の税収しかないのに多額の人件費を使っていることに市民がどう感じるかということだ」と話した。

 これに対し、ある職員は「自分の年収も載せられている。正直気分が悪い。出直し市議選に向けた選挙戦略としか思えず、『そこまでやるか』と開いた口がふさがらない」と憤りをあらわにした。別の職員は「阿久根市が他の自治体に比べて高いわけではないのに……」と話していた。

 阿久根市では、昨年9月に就任した竹原市長が、市長選でブログを使った選挙運動を展開したり、副市長、教育長人事で議会が同意しなかった人物を独断で市幹部として採用したりして物議を醸している。議会は今月6日、市長不信任を可決したが、竹原市長は地方自治法に基づき議会を解散。3月22日の出直し市議選で竹原市長に賛同する新人候補数人が立候補の準備を進め、市を二分する選挙戦となる様相を呈している。
(2009年2月24日03時35分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090224-OYT1T00121.htm


 地方都市市役所職員の年俸700万円が、高いのか安いのかは即断出来ない。しかし、全職員の54%以上がそれ以上の給与を受けているのは奇妙に思える。市役所には職階があるし、課長の下には部下が7-10人いることを考えれば、700万円以上の給与を受ける人達は30%程度かと想像する。何か、特殊技能職の人が多ければ話は別だが。

 退職金の支給基準にも、かなり疑問があるようだ。問題は、市民が市役所職員へ高い給与を払って受けるサービスの内容である。納めた市税が、そっくり市職員の給与に消えるのでは、多くの市民が疑問に思うだろう。

 どの地方公共団体も、竹原市長に習って職員の給与公開をしたら良いと思う。我々の納める税金の内、どの位の割合が職員給与に使われているのかを知りたいものだ。
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