陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

北教組の違法献金問題は根深い

2010-03-03 11:06:21 | 教育と研究
 かつて教師は聖職として、子ども達からは慕われ、父兄たちに畏敬の気持を抱かせる存在であった。敗戦後、特に60年安保闘争の後、教師の資質は変貌した。子ども達を教えるよりも自分達の待遇改善に力を入れ、教育方針を巡って悉く文部省と対立するようになった。彼等は、日の丸と君が代を蛇蝎のごとく嫌っている。

 その運動の主体が日本教職員組合(日教組)であり、全国の教員を組織化して労働運動の中核を形成。彼等は、ソ連、中共、北朝鮮の政治体制に憧れ、日教組の責任者はそれらの国々を訪れて、元首達へリップサービスをしていた。中でも、元陸軍憲兵中尉であった槙枝元文委員長(岡山県出身)の存在は大きかった。

 彼は、総評議長も兼務し、春闘ストや教員ストなどの労働運動の先鋭化に貢献し、金日成を礼賛した。彼にとって、北朝鮮は理想の独裁国であったのだ。現在日教組出身の国会議員の大半は、槙枝氏の薫陶を受けているはずだ。

 1989年の冷戦終了以降、日教組の組織率は次第に低下したが、北海道、山梨、三重、大阪、広島、大分の道府県ではなお大きな力を持ち、組織的に国政選挙へ関与している。国政選挙時の運動員確保、投票依頼活動、そして候補者への資金供給である。

 中でも北海道教職員組合(北教組)は組織率が高く、団結心旺盛で、道教育委員会を牛耳る形で教員人事配置にも辣腕を振るっている。だが、先の衆議院選挙では、弁護士出身の小林千代美衆議院議員(民主党)を応援するため、少しやり過ぎたようで、北教組から違法献金があったことが露呈した。


北教組の不正資金提供 「本当に小林陣営だけなのか」との指摘も
2010.3.1 22:30

 札幌地検が摘発したのは、小林千代美・衆院議員の陣営事務所をめぐる会計処理だった。北教組にプールされた主任手当55億円の利子・利息から、陣営事務所の維持費用に捻出(ねんしゅつ)されたとみられる資金提供が政治資金規正法違反にあたるというものだ。北教組の組織的な選挙活動は小林氏の北海道5区に限らず、道内全域で展開されており、文科省関係者からは「不正な政治資金は本当に彼女だけなのか」との指摘も聞かれる。

 昨年の衆院選の1年前となる平成20年6月。道内で開かれた北教組定期大会で配布された議案書には「ますます重要になる政治闘争」と題してこう記されている。

 「何としても自民党政権を終焉(しゅうえん)させねばならない。次期衆院選で政権交代をはかるため、日政連(日本教職員組合の政治団体)『横路孝弘』『鉢呂吉雄』衆院議員の再選をはじめ、北海道の12小選挙区すべてで連合が推薦する組織推薦候補の完勝と、比例区では民主党の必勝をめざし組織の総力をあげてたたかう」

 道内に擁立された候補者全員の必勝が堂々と掲げられ、教師たちはその手足として駆り出される。それは小林氏の陣営だけに限った話ではない。

 北教組のような公務員労組はメンバーほぼ全員が教師で、政治活動は法律で厳格に制限されている。にもかかわらず、北海道ではルールが省みられることはなかった。文科省関係者からも「起こるべくして起こった事件。道内の民主党候補者は小林氏と同様の選挙支援の恩恵を一様に受けている。彼女以外に資金提供があっても全く不思議はない」といった指摘すら聞かれる。

 関係者から指摘されるのが、政治活動を繰り返しても罰則がないことだ。公立学校の教師は身分上は地方公務員だが、政治活動は国家公務員法が適用され、国家公務員並みの制限が課される。ところが教育公務員特例法で罰則を適用しないと明記されており、これが、違反が野放しになる一因として挙げられている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100301/crm1003012231028-n1.htm

 日教組下部組織による選挙資金の違反供与は、輿石東参議院議員に対する山梨県教組の例が有名である。

 産経新聞の阿比留記者によると、


北教組事件で問われる民主の体質 「労組ぐるみ選挙」が常態化
2010.3.2 23:26

 北海道教職員組合(北教組)の幹部らが、民主党の小林千代美衆院議員側に違法に選挙資金を提供したとして逮捕された事件は、労組ぐるみ選挙に安住し、反省を置き去りにしてきた同党の体質を改めて浮き彫りにした。過去には、山梨県教組(山教組)が輿石東参院議員会長の支援のため、組合員から集めた寄付金を収支報告書に記載しなかった政治資金規正法違反事件も起きているが、党内で自浄作用は働かなかった。そのツケがいま回ってきたようだ。

 産経新聞は平成16年11月2日、この年の夏の参院選に向けて山教組の教員が、当時、党参院幹事長だった輿石氏支援のため組織的に選挙資金を集めていたことや輿石氏の後援会入会カード集めなど選挙活動を行っていたことを報じた。

 ところが、当時の岡田克也代表(現外相)は同日の記者会見で次のような“陰謀論”を展開し、問題を調査しようとはしなかった。

 「自民党なり某所が、民主党の政治とカネの問題について、何か(民主党への)対抗策がないかということで調査をしていたことは承知している」

 この問題は後に山教組の財政部長ら2人が規正法違反の罪で略式起訴され、罰金刑を受けたほか、校長ら24人が教育公務員特例法に抵触する行為があったとして懲戒処分などを受けた。

 にもかかわらず、輿石氏は不問に付され、それどころか小沢一郎代表(当時)によって、参院幹事長から参院議員会長へと昇格した。また、今夏の参院選後には「参院議長という名誉ある地位が待っている」(小沢氏)とされる立身出世ぶりだ。

 まるで党全体が、教組ぐるみの選挙活動を是認しているかのようだ。実際、鳩山由紀夫首相自身も幹事長時代の昨年1月、こうした問題を知りつつ、日教組の新春の集いに出席してこうあいさつをしている。

 「常日頃、民主党に対しご支援くださっていることに心から感謝します。日教組の皆さんとともにこの国を担う覚悟だ」

 この集会では、輿石氏自身も「教育の政治的中立などといわれても、そんなものはありえない」と述べている。教員に政治的中立を求める教育基本法や教育公務員特例法を無視する問題発言だ。

 民主党と教組のカネをめぐっては19年1月、角田義一元参院副議長が約2500万円の政治献金を収支報告書に記載していなかったとされる問題で、副議長を引責辞任したこともある。

 このときは、寄付受領が禁じられている外国人の団体である在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系の商工会からの50万円のほか、群馬県教組600万円、輿石氏10万円-などのヤミ献金の存在が指摘された。

 ところが、民主党はここでも実態調査を行わないまま、角田氏を8段階の処分の中で2番目に軽い「厳重注意」処分にしただけ。当時の鳩山幹事長も「これがけじめです。これで終わりです」とあっさり幕を引いた。

 こうしたなれ合いと労組依存体質が、政権与党となって改めて問われている。(阿比留瑠比)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100302/stt1003022332020-n1.htm


 外交、安全保障に国家的定見が無く、財政も行き当たりばったりの鳩山連立政権は、実に危険な存在である。加えて、若年教育に関しても日教組べったりで、子弟の学力低下は益々進行するであろう。子ども手当てに騙された有権者が今更後悔しても遅いのであるが、先行き暗澹たる思いが深まる昨今である。
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