陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

教育現場でのセクハラとアカハラ問題

2008-12-27 21:05:34 | 教育と研究
 若年教育(小学校・中学校)を担当する教師が校外で痴漢を働き、マスコミの話題になっている。昨今は、大学教師もセクハラ問題で職を失う例がかなり増えた。大学の場合、女子学生との交流が発展してしまうケースが多い。

 大学生は高学年になると、ゼミ指導、就職相談などで、教師が女子学生と個別に接触する場面が増える。そうした状況の中で、同情が切っ掛けになり、恋愛感情が芽生えていく事もあろう。女子学生側にその気が無くても、教師の感情は抑え切れぬところまで燃え上がり、無理強いが生まれる。

 女子学生との面談は、複数の教師で行うとか、密室化を避けて教授室のドアを開けたままにするなどの工夫が行われるが、内密の相談となるとそれが難しい事もある。まあ、教師の側としては、自省しつつ客観的になるように努めるのが一番である。

 それとは別に、教師が自分の考えに従うように男女学生を強制し、卒業させぬとか単位を出さぬと恫喝するケースもあるようだ。これは、アカデミック・ハラスメント(アカハラ)になるから、教師はそのような言い方を禁句とし、厳しい自戒が必要だ。

 最近のように、大学に多様なプロジェクト研究が持ち込まれた場合は、その遂行に当たっては一段の注意が必要である。プロジェクトに大学生や大学院生を参加させ、彼らを牛馬のように使い、徹夜で実験でデータ採取させるなどの強制が出て来る可能性があるからだ。その過程で、学位や単位取得が餌になるとしたら、とんでもない話である。

 大学は基本的に教育機関であり、公立研究所や民間研究所のように研究が主たる組織とは異なる。学生に担当してもらう研究テーマは、教育を意識したものでなければならぬ。そのテーマを学生が担当する事で、彼は知識と技量の幅を広げ、データの纏め方を会得し、結果を論理的に討論して結論を導く力を付ける。それで、一つの開智が完成する。

 学生達は、強制が酷くなるとデータ捏造に走る事もある。学生ばかりでない、ポストドクでさえも、そう言う心理に追い込まれた事例は幾つもあるのだ。

 年末になって、以下の記事を読み、大学教師の自戒を期待する次第。

セクハラ、アカハラで処分 東大、元教授ら3人
2008.12.24 13:28

 東大は24日、女性職員にセクハラ行為をしたとして、50代の男性教授(退職)を停職2カ月の懲戒処分相当としたほか、大学院生に対し威圧的な言動(アカデミックハラスメント)をしたとされる30代の男性准教授を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。

 東大によると、元教授は平成17~18年にかけ、同じ研究室に所属する女性職員の体を繰り返し触り、性的な質問をするなどした。処分の審議当時は現職だったが、その後退職したため、処分通知にとどまった。上司の教授は監督責任を問われ、戒告処分となった。

 准教授は16~19年の間、複数の大学院生に対し、研究発表に際して「失敗したら責任を取れ」などと威圧的な言動を繰り返した。

 別の30代の男性元准教授が、女性職員らにセクハラ行為をしたと認定したが、この元准教授は入試問題漏えいで4月に懲戒解雇されているため、具体的な処分内容は審議しないという。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081224/crm0812241329014-n1.htm


元教授のセクハラ認定…退職で処分できず 筑波大
2008.12.18 18:21

 筑波大は18日、大学院生命環境科学研究科の元男性教授(46)が在職中、女子学生2人にセクハラ(性的嫌がらせ)行為をしたと認定し、停職6カ月の懲戒処分が相当との調査結果を発表した。

 元教授は10月末に提出した退職願が14日後に法的に有効となり、11月30日付で退職、今回の処分は及ばない。筑波大は今後、懲戒処分に関する手続きを迅速にするため、常設の懲戒審査委員会を設置する方針。元教授は退職金は辞退した。

 大学によると、元教授は8月、飲食店で女子学生の体を触り、9月には別の女子学生の自宅に深夜押しかけ、体を触るなどした。相談を受け、大学は調査委員会を設置し調べていた。

 元教授はいずれも酔った状態で「一部は記憶がない」と話しているが、セクハラ行為を認めている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081218/crm0812181822017-n1.htm
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