陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

校長給食費未納の波紋

2007-07-27 11:26:39 | 教育と研究
 新宿区立中学校の校長が2代、3年間にわたって給食費未納のまま給食を食べていたと言う。未納額は約19万円で、該当校長は全額支払いをする意向のようだが、何ともお粗末な話である。

 給食費を払わない親達がいるのは事実で、その説得に教職員は努力しているのだが、一方で学校管理者がこの体たらくでは、やり辛いだろう。また、校長自身も自己管理不行き届きでした、「勘違い」ですだけで職員会議やPTAとの懇談会を乗り切れるのだろうか。

 文科省調査では、給食を出す全国小中学校の約43%にあたる3万1921校で9万9000人、計22億2900万円が未納だった実態が分かり、「給食費を払わない保護者」のモラルが問われていたと産経新聞は伝えている。更に

「親、説得できぬ」釈明、不自然さも 校長給食費未納 

 給食費を払わない保護者たちを説得し、回収する立場の校長が、給食費を払っていなかった。「とんだ失態」と頭を抱える新宿区教委は、校長の「勘違い」としているが、“理不尽な親たち”と向き合う現場の教職員に与える影響は大きく、単なる「勘違い」では済ませられそうにない。

 校長は生徒、児童と同様に昼食で給食を食べているが、これは「検食」(=試食)という“業務性”も兼ねる。だからといって「検食費(給食費)」が公費負担という規定はどこにもない。

 問題の校長は2人とも以前は給食費を払っていたが、この中学に赴任後、職員から「校長の検食費は公費負担」と誤った指摘を受け、給食費を払わなくなったという。

 しかし“勘違い”に気付く機会は何度もあった。食中毒が発生した場合などに備え、給食は毎日一定量を保存しなければならない。保存分は公費でまかなわれるが、それを規定した給食材料費の支給基準の表記が「保存検食費」とされていたのを、区教委は平成18年度に「公費の対象は展示用食材費、保存用食材料費・原材料費」と限定する通知を出し、“検食費がタダ”という誤解が生じる余地を排した。

 4月には区教委が教職員の給食費未納がないか各学校にアンケート調査。この中学は「校長の未納なし」「支払いは口座振り替え」とウソの回答をしていた。担当職員が回答したが、同校が作成していた「給食費未納者リスト」に教職員の名前がなかったため、校長が未納とは思わずに記入していたという。

 だが、用紙には支払い方法の回答選択肢に「口座振り替え」「現金」と書かれ、「給食費は支払うもの」というのは明白。回答をチェックしたという当の校長は「思い込みがあり、十分にみていなかった」と釈明したというが、不自然さが残る。未納が発覚したのは、区教委の巡回調査での通帳検査からだった。

 給食を出す全国小中学校の約43%の学校で計9万9000人が給食費を払わず、未納額は計22億2900万円(1月の文部科学省調査)。経済的な理由でなく、「義務教育だから払わない」などと支払いを拒否する親のモラル低下が社会問題化。校長の未納は、深夜に家庭を訪問し未納金を回収する教職員の努力をぶちこわすもので、「これでは説得できない」と批判を呼びそうだ。

Sankeiweb 2007.7.27
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070727/jkn070727004.htm

 ところで、学校給食の内容は自治体によってかなり異なるようだ。<痛いニュース>さんの7月24日付けエントリーに、仙台市の小学校の1週間分のメニュー及び写真が掲載されている。

 それを見ると、何とも投げやりの感じのメニューで、他の地域あるいは私立校との違いが歴然としている。網走刑務所の監獄食が比較されているのは余興であろうが、子供達への愛情が欠けた仙台市の給食に一抹の寂しさを覚える。

 当然、校長は検食をしていると思うけれども、宮城県域の小学校校長会などで給食内容を話し合うことなど無いのだろうか。現在の校長は<団塊の世代>、未払い給食費と何か共通の状況が教育現場にあるように想像してしまう。
 なお、<学校給食>ブログには、明治時代から現在までの給食の歴史が示されていて、とても参考になる。


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