陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

ゴールドマン・サックスが赤字転落

2008-12-17 11:28:39 | 財政・経済問題
 米国発の金融危機で始まった<経済カタストロフィー>は、予想外の現象を伴って益々深化しつつある。アイスランドは国家破綻したし、なお東欧や南米で同じ状況に追い込まれそうな国々がある。

 今年3月のベア・スターンズ救済劇は、<経済カタストロフィー>の前兆であった。9月のリーマン・ブラザーズ破綻は、フレディ・マックやAIGの救済に発展、金融筋のみならず実体経済を担うビッグ・スリーが経営危機に追い込まれた。

 日本では、トヨタを始めとする自動車産業の販売額は半減し、ソニー・ショックも起きた。全世界で急激な経済規模縮小が起きたのだから、それは当然だろう。

 さて、世界を股に掛けて、稼ぎまくった米国の巨大投資銀行も、リーマン・ブラザーズの破綻後は、合併したり普通銀行に業態を変えて、完全に消滅した。サブプライム問題の被害が少ないと言われた金融界の雄ゴールドマン・サックスも普通銀行になって、米政府から100億ドルの資金注入を受けた。ここへ来て同社は21億ドル強の赤字決算を出すに至った。既に WSJ が予測記事を掲載していたが、将に「驕れる者は久しからず」である。


ゴールドマン 上場来初の赤字1900億円
2008.12.17 00:50

 【ワシントン=渡辺浩生】米金融大手ゴールドマン・サックスは16日、2008年9~11月期決算が、21億2100万ドル(約1900億円)の最終赤字に転落したと発表した。金融危機や世界的な景気後退に伴って巨額の評価損が発生したためで、四半期ベースで同社が赤字を計上するのは、1999年の上場以来初めて。低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題で、他の欧米金融機関が業績悪化に悩む中で黒字経営を続け、唯一の「勝ち組」とされたゴールドマンも9月以降の市場の大混乱に翻弄(ほんろう)された。
 
 1株当たり損益は4・97ドルの赤字で、市場予想の3・73ドルの赤字(トムソンファイナンシャル調べ)を上回る損失だった。

 M&A(企業の合併・買収)の助言など主力の投資銀行業務の収益が48%も減少したほか、信用取引や不動産関連の金融商品に総額20億ドルの評価損が発生し、資産運用業務も5%減だった。同時に発表した08年11月期通年決算は、最終利益が前年比80%減の23億2200万ドルに急減した。

 従業員も2500人削減し、高額報酬が批判されていたブランクファイン最高経営責任者(CEO)ら経営幹部も経営責任を認めて、08年のボーナス返上を決めた。

 今年9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)を契機とした金融危機で、ゴールドマンはモルガン・スタンレーとともに一時、資金繰り難に陥り、生き残りを賭けて証券専業から銀行持ち株会社に業態変更した。加えて、金融安定化法に基づいて100億ドルの公的資金注入も受けており、ウォール街のビジネスモデルの凋落(ちようらく)が改めて浮き彫りになった。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081217/biz0812170050000-n1.htm

(参考)

 ゴールドマン・サックスが赤字に転落か

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