「こんにちわッ、テディちゃでス!
おにがァ、わらッちゃうゥのはァ、なァにッ?」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!それは来年の話!)
こんにちは、ネーさです。
鬼に大笑いされていもいいわ!
先日、ツール・ド・フランス2015のコースプレゼンテーションが開催されました。
第102回大会となる来年のツールは、
オランダのユトレヒトが出発地!
山岳ステージの難度は今年以上!
今からもうハラハラ&わくわく♪しながら、
さあ、本日の読書タイムを、どうぞ~!
―― 八月の六日間 ――
著者は北村薫さん、2014年5月に発行されました。
今年度の読書界で大いに話題を読んでいる“山登り小説”ですね。
「だんがいィぜっぺきィ?」
「ぐるるがる?」(←訳:未踏の高峰?)
いえ、ヒマラヤとかアイガーの北壁が出てくるわけじゃないんですよ。
主人公の『わたし』さんは、
東京の出版社に務めている女性編集者さん。
出版社のお仕事は頭脳労働ですから、
足腰に自信がある、ってことはなく、
学生時代も運動部所属ではなかった『わたし』ですが。
或るきっかけで、山登りに染まってしまいました。
いまも、ほら、新宿発・信州方面へ向かう特急列車の座席で
明日の計画を練っているところです。
「しんしゅうゥ?」
「がるるるる!」(←訳:アルプスだ!)
目指すは、山好きの憧れ――
槍ヶ岳。
大きなザックには、最小限の着替え、雨具や帽子、日用品が
ぎゅうぎゅうに詰まっています。
ここぞ!という時のための、お菓子もね。
「はらがァ、へッてはァ~」
「ぐるがるる!」(←訳:山は登れぬ!)
『わたし』は単独行で険しい稜線を辿ります。
ひとりで、山を登る。
時折り、一人であることにメゲそうになりながら。
逆に、一人であることに、ホッともしながら。
山道で偶然に出会った人々と
短く、心のこもった言葉を交わしながら。
「これがァ、とざんッ、なのでスかァ~」
「がるるる~!」(←訳:旅だねえ~!)
収録されているのは短編5作品分の、
『わたし』の登山記録。
長めに仕事のお休みが取れた9月、2月、10月、5月、
そして8月の、山登りの記録――いえ、
内省の記憶、というべきでしょうか。
傍らに、親しく語り合う人のいない、
単独での山登りは、
自問自答と追想の時間です。
道は、これでよかったのか。
荷物は、足りているか、足りなかったか。
多過ぎたか、少なかったか。
ペースは早過ぎないか。
いまにも滑落するんじゃなかろうか。
山小屋に、無事、到着できるのか……。
「ふあんのォ、れんぞくゥ!」
「ぐる!」(←訳:怖い!)
不安の中に、しかし、確かに美があり、喜びもある。
苦しみがあればこそ、達成感もある。
うつくしく、平明、明快、
読む者を惹きつける文章は、
著者・北村さんの真骨頂!ですが、
爽やかなのどごしには、
複雑な味わいが隠れています。
直木賞ではなく、芥川賞。
つまり、エンタメよりも純文学系。
ひたすら深く深く、こころを掘り下げてゆく、いえ、
こころの高みへと登ってゆく小説作品です。
「いッぽいッぽォ、うえにィ!」
「がるるるるる、ぐる!」(←訳:遠回りしても、登る!)
ミステリではないけれど、
北村さんのミステリが好きな活字マニアさんには、
必ずや好もしく思える一冊ですよ。
2014年度のベストBOOKに推したい快作、
読み逃さないでくださいね~♪
おにがァ、わらッちゃうゥのはァ、なァにッ?」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!それは来年の話!)
こんにちは、ネーさです。
鬼に大笑いされていもいいわ!
先日、ツール・ド・フランス2015のコースプレゼンテーションが開催されました。
第102回大会となる来年のツールは、
オランダのユトレヒトが出発地!
山岳ステージの難度は今年以上!
今からもうハラハラ&わくわく♪しながら、
さあ、本日の読書タイムを、どうぞ~!
―― 八月の六日間 ――
著者は北村薫さん、2014年5月に発行されました。
今年度の読書界で大いに話題を読んでいる“山登り小説”ですね。
「だんがいィぜっぺきィ?」
「ぐるるがる?」(←訳:未踏の高峰?)
いえ、ヒマラヤとかアイガーの北壁が出てくるわけじゃないんですよ。
主人公の『わたし』さんは、
東京の出版社に務めている女性編集者さん。
出版社のお仕事は頭脳労働ですから、
足腰に自信がある、ってことはなく、
学生時代も運動部所属ではなかった『わたし』ですが。
或るきっかけで、山登りに染まってしまいました。
いまも、ほら、新宿発・信州方面へ向かう特急列車の座席で
明日の計画を練っているところです。
「しんしゅうゥ?」
「がるるるる!」(←訳:アルプスだ!)
目指すは、山好きの憧れ――
槍ヶ岳。
大きなザックには、最小限の着替え、雨具や帽子、日用品が
ぎゅうぎゅうに詰まっています。
ここぞ!という時のための、お菓子もね。
「はらがァ、へッてはァ~」
「ぐるがるる!」(←訳:山は登れぬ!)
『わたし』は単独行で険しい稜線を辿ります。
ひとりで、山を登る。
時折り、一人であることにメゲそうになりながら。
逆に、一人であることに、ホッともしながら。
山道で偶然に出会った人々と
短く、心のこもった言葉を交わしながら。
「これがァ、とざんッ、なのでスかァ~」
「がるるる~!」(←訳:旅だねえ~!)
収録されているのは短編5作品分の、
『わたし』の登山記録。
長めに仕事のお休みが取れた9月、2月、10月、5月、
そして8月の、山登りの記録――いえ、
内省の記憶、というべきでしょうか。
傍らに、親しく語り合う人のいない、
単独での山登りは、
自問自答と追想の時間です。
道は、これでよかったのか。
荷物は、足りているか、足りなかったか。
多過ぎたか、少なかったか。
ペースは早過ぎないか。
いまにも滑落するんじゃなかろうか。
山小屋に、無事、到着できるのか……。
「ふあんのォ、れんぞくゥ!」
「ぐる!」(←訳:怖い!)
不安の中に、しかし、確かに美があり、喜びもある。
苦しみがあればこそ、達成感もある。
うつくしく、平明、明快、
読む者を惹きつける文章は、
著者・北村さんの真骨頂!ですが、
爽やかなのどごしには、
複雑な味わいが隠れています。
直木賞ではなく、芥川賞。
つまり、エンタメよりも純文学系。
ひたすら深く深く、こころを掘り下げてゆく、いえ、
こころの高みへと登ってゆく小説作品です。
「いッぽいッぽォ、うえにィ!」
「がるるるるる、ぐる!」(←訳:遠回りしても、登る!)
ミステリではないけれど、
北村さんのミステリが好きな活字マニアさんには、
必ずや好もしく思える一冊ですよ。
2014年度のベストBOOKに推したい快作、
読み逃さないでくださいね~♪