ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

男性が女性に暴力を振るうのは社会のせい?

2019年02月24日 | 女性に対する暴力調査



10人の僧侶を対象に、僧侶の学生が、女性に対する暴力調査を実施してくれた。本来は誰でも大学生にインタビューして調査してくれたらよかったのだけれど、この真面目な僧侶の学生は僧侶を対象jに3−4名調査し始めたので、どうせなら、全部10人とも僧侶にインタビューして!って依頼したのである。

面白いデータは、「男性がなせ女性に暴力を振るうのか」の回答。
ほぼ全員が、「男性が暴力を振るえるような社会が悪い」と回答したそう。




こういう調査は、やってみないとどんな結果が出てくるか分からないものだ・・・・

ちなみにこの僧侶学生と一緒のグループで調査した他の学生によると、3つの理由がインタビュー回答者から指摘された。
1ー貧困
2ーアルコール
3ー女性蔑視の伝統的考え

調査が楽しいのは、予測していたこと以外の発見があった時。



ほな、またね!

2019年02月23日 | カンボジアの子どもの権利



関西弁の人とメールすることってあまりないんだけれど、年賀状をくれた小学校の時にプールに一緒に通っていた友達から連絡が来た。

「ほな、またね!」

神戸は関西弁とはちょっと違うんだけれど、ほな、またね!は神戸弁でもあって関西弁(大阪弁)でもあるかな。
神戸弁って、家族以外と話すことはあまりないので、友達からのメールがとっても懐かしかったのである。


「子供の心の病を知る、」という医療少年院で勤務している先生が書いた本を読んでる。
青春は激動期、なのだそう。
青春かあ・・・私の場合は太ってたことをすっごく気にしたり、高校で登校拒否になったり、本ばかり没頭して読んでた時期だけれど、結局大学進学はしたから、まあまあ普通だったのかな。

↓大学のクラスで学生たちが調査の打ち合わせ中(座ってすればいいのに・・・)


「家族依存症」の本で紹介されていた小卒(登校拒否になった)の女性が自立して結婚までして前向きに生きているっていう話が紹介されていた。
青春期に、家庭が不安定だと、将来にまでいろいろ悪影響を及ぼす。子供の心の病も、両親とか家族には隠そうそして本人が苦しむ場合が多く、それを見守るか対応するか、保護者としては難しい。
(登校拒否の場合も医療サービスのことが必要もあるけれど、精神科医によるとほっておくのが一番いいそう)
青春かあ、うちの子供達には、虐待とか暴力とかを経験しないで、恋愛をたくさんして成長してほしいな。




ゲイの苦悩

2019年02月22日 | 女性に対する暴力調査

LBTの調査で調査員を務めてくれる一人に、友達とかでLBTいない?と聞いてみた。

「先生に紹介されて一緒に調査した頃あるあの男子学生、実はゲイなんですよ」って言い返されて、そっか、聞かないと教員にはプライベートを話さないよなと・・・・。
2年ほど前に一緒に調査してもらった彼、ゲイであることを隠していた(いる)そう。

その彼には、複数のパートナーがいて、ある時ひどい性感染症になったそう。
「親には言えない、大学に行かせてくれなくなる」と苦悩した彼。
このロジックは、大学なんかに送ってるから、勝手に男性と「よくないことをするようになった」と親が判断すると恐れたためだそう。

彼は大学に行って勉強したかったのだ。


↓カンボジアで使っているランドセル、3年半でダメになっちゃった・・・(勿体無いのでテープで止めて使ってた)


結局、もうどうしようもなくなってある私立病院に行ったけれど、高額な治療費が必要で、仕方なく親に相談したそう。

というのも、ひどい状態になるまで我慢してほっておいたせいで、200ドルくらいかかって3日間入院して治療したそうな。

この学生のお父さんは、泣いて、息子と2週間話してくれなかったけれど、そのあとは息子を受け入れるようになってくれた。

(ちなみに、パートナーも治療が必要でしょ、って言ったら、パートナーは多すぎて誰から感染したかわからないそうで・・・それも恐ろしい)

この彼、シエムリアップ空港の巨大なポスターの写真にも写っている可愛い感じの子で、メディアにもセクシャリティを隠して登場しているらしい。
(空港のポスターでチェックしたけれど、なかなか素敵な男子だった)


「自分のセクシャリティが他の人と違うとわかってから、どのくらい秘密を一人で背負ったかを調査したほうがいい」とアドバイスを受けた私。
いい調査をデザインするには、いろんな人と相談しなきゃ、って改めて思ったのである。

LBT調査、気合が入るのである。



男の子に対する性暴力;シェムリアップ出張

2019年02月21日 | 男子に対する性暴力



シエムリアップ出張、日帰りで行きたいと主張していたのだが、土地成金になりつつある男性アシスタントが子守してくれるというので、思い切って一泊で出かける。そろそろ結婚したいと準備している彼にとっても、子供を一人で預かるってどんな感じか、経験するのはいいかなと(こじつけ)。

出張は、昨年から予定されていた、「男の子たちへの性暴力調査」の結果発表。

本来はプノンペンで発表してからしか地方ではやっちゃいけないそうなんだけれど(なせ???)、予算を使い切らないといけないという理由と、団体の代表の日程に合わせて、地方で先に発表することに。

↓50人くらいを対象に調査結果を説明



北欧から参加した出席者がいて、男の子がレイプされたらラッキーという問題、またしても取り上げられたのである。

↓「田舎ではそういう発言はよく聞きます、でも個人差があると思う」と回答した病院スタッフ


久しぶりにバーストリートに繰り出したのだけれど、凄まじい中国人の数。

一緒に出張してくれたアシスタン女性によると、10時以降はトランスの女の子達が繰り出していて、さらに面白いらしい。



1年かけて実施してきた調査も、もう終わって、これから出版をどうするかとか、次のステージにどう進むかとか、私が生んだ子どもがもう手が離れてしまう感じ。
それはすっごくスッキリするし、嬉しい。
自分の調査が、男の子たちを保護して差別されないような取り組みにつながるといいな。

次のお披露目はプノンペン、70人を呼んでホテルで会合をするそうな。

シエムリアップは、また来月来る予定があるので、安くてレベルの高いマッサージを楽しめるかな。



誕生日を知らない女の子

2019年02月20日 | カンボジアの子どもの権利



まだ子どもの権利条約の仕事は続いているので、虐待とか子どもの権利の本を読み漁ってる。

誕生日を知らない女の子、は、黒川さんというジャーナリストが、虐待された子供達の環境とか成長を追ったルポ。
とても悲しい話が次々出てきて、虐待をされる子供達がどれほど悲惨な人生を送らざるを得ないか、虐待が社会そのものの問題だなと改めて感じる。

↓キッズシティーでクライミングに無調


虐待された子供を受け入れる里親になる人たち、とてもとても大変な役割を果たしていて、そういう里親制度がもっと広がればいいと思う。
カンボジアでも、行政がもっと手当をつけて、里親制度を広げたらいいのに。

↓全面できたら100ドルあげると言ったら、時々必死でやってる




精神科医の佐藤先生が書いている「家族依存症」という本も合わせて本でいるのだけれど、こちらは虐待というより、色々な精神科の問題を抱えた大人達の紹介。
でも、虐待を経験した人が虐待を繰り返したり、搾取的な関係に入りやすいということが事例を用いられて紹介されている。

カウンセリングを常時するような仕事をしているので、もっと本格的なソーシャルワークのスキルを身に付けたいかな。
虐待される子供も可哀想すぎるけれど、虐待している母親達に支援の手が届くような社会になるように、何ができるんだろうか。