ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

ゲイの苦悩

2019年02月22日 | 女性に対する暴力調査

LBTの調査で調査員を務めてくれる一人に、友達とかでLBTいない?と聞いてみた。

「先生に紹介されて一緒に調査した頃あるあの男子学生、実はゲイなんですよ」って言い返されて、そっか、聞かないと教員にはプライベートを話さないよなと・・・・。
2年ほど前に一緒に調査してもらった彼、ゲイであることを隠していた(いる)そう。

その彼には、複数のパートナーがいて、ある時ひどい性感染症になったそう。
「親には言えない、大学に行かせてくれなくなる」と苦悩した彼。
このロジックは、大学なんかに送ってるから、勝手に男性と「よくないことをするようになった」と親が判断すると恐れたためだそう。

彼は大学に行って勉強したかったのだ。


↓カンボジアで使っているランドセル、3年半でダメになっちゃった・・・(勿体無いのでテープで止めて使ってた)


結局、もうどうしようもなくなってある私立病院に行ったけれど、高額な治療費が必要で、仕方なく親に相談したそう。

というのも、ひどい状態になるまで我慢してほっておいたせいで、200ドルくらいかかって3日間入院して治療したそうな。

この学生のお父さんは、泣いて、息子と2週間話してくれなかったけれど、そのあとは息子を受け入れるようになってくれた。

(ちなみに、パートナーも治療が必要でしょ、って言ったら、パートナーは多すぎて誰から感染したかわからないそうで・・・それも恐ろしい)

この彼、シエムリアップ空港の巨大なポスターの写真にも写っている可愛い感じの子で、メディアにもセクシャリティを隠して登場しているらしい。
(空港のポスターでチェックしたけれど、なかなか素敵な男子だった)


「自分のセクシャリティが他の人と違うとわかってから、どのくらい秘密を一人で背負ったかを調査したほうがいい」とアドバイスを受けた私。
いい調査をデザインするには、いろんな人と相談しなきゃ、って改めて思ったのである。

LBT調査、気合が入るのである。