ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

教育を受ける権利

2020年04月30日 | カンボジアの子どもの権利

大学の1回生を対象に、まだやってるZOOM講義で児童労働の講義をした。
分かりやすい講義をしないと、って考えると、CEDAWは難しいとか、まあいろいろ課題が多いのだ。

児童労働の講義は50人以上が参加してくれて、感謝。
寝てる子もいるだろうけれど、普段の講義より参加率が高い。

この講義のメインは、インドの児童労働「マイカ」について学んでもらうことだったんだけれど、子どもの権利条約についても復習してもらった。

↓意見表明権はいつも説明しているけれど、「スィッチ買って」はすぐ否定されるので不満らしい子ども


カンボジアの保護者と話していて、何が難しいかって、子どもを一人の人格として尊重する姿勢を持ってもらうこと。
(これは私だって難しいこともある・・・・・)

でも、ぜひ学生たちには、自分たちの子どもの意見を聞くことがどれほど重要なのか、学んで欲しい。
全て受け入れるのではなく、聞く姿勢を持つ子どが、子供達には重要だし、性犯罪とかいじめとか、困ったことを伝えられる環境にもつながる。

既に保護者になったり祖父母になると、この子どもの権利を理解するのはとても難しいというのが実情。

私の毎日の生活で、結構困っていた、店を閉めちゃった大好きなサンドイッチ屋さん。
10年以上、毎週3回くらいはふらりと通って路上で食べてたのだ。
今回のコロナ感染で、屋台が閉まっていて、1ヶ月田舎に戻っていたけれど、つい最近プノンペンに戻ってくれた。
「あのね、先生、田舎にいるとね、食べるのは困らないけれど(両親がいる)、子ども(小学生3名)が毎日つまんないーってい言うの。思い切って戻ってきたら、みんな普通に生活してて、休んで損した」だって。

子どもの意見を聞くのは大切。
このサンドイッチ夫婦、最初は夫の店に通っていて、妻がやってる店もあるって言われて、そっちのほうに通ったら車も止めやすいし美味しいし、ずーっと通ってる。







ビアガールの数は?

2020年04月29日 | エンターテイメントワーカー調査2020



4月も終わり、そろそろ真面目に始めた、エンターテイメント・ワーカーの調査を開始しないと・・・・。

とりあえず、学生たちに、ビアガーデンでビールを売ってる(ビアプロモーター)の状況を調べてもらった。
今学期は4クラスはこういう調査に参加してもらえるシラバスなので、なんとも便利(1クラス60人のクラスは一回生なのでレベル的に分析はまだ無理)。
教員としては、ジェンダー問題分析や学術的調査のやり方とか、社会問題を分析するという視点から勉強してもらえると、単位を正当化するだけでなく、私も勉強になる。

調査でアクセスできるエンターテイメントワーカーは、ビールを売ってる女性が多分多いんだけれど、それ以外にもマッサージで働く女性やカラオケの女性が入ってる(かなりの確率で買春やってる女性)。

ビアプロモーターの調査は、2006年ごろ、ハイネケンとタオガービールの依頼で実態調査をしたことがある。
確か、ビアプロモーターがひどい目に合っているとかいう報道の過熱化で、特にハイネケンが理事会とかの関係で、統計が必要だということで、調査してくれという依頼だった。
よく覚えていないけれど、あの調査は、サーベイはアシスタントがいたけれど、インタビューは全て自分一人で実施したのだ。
100人以上のガールに会って、まあ悲惨な話を延々と聞いた(あまりにも暴力とかひどい内容なので調査結果は公表できないってことになったし)。
ビアガーデンで客にトイレに連れ込まれてレイプされたとか、拳銃で脅されたとか、まあ信じられない(ごめんなさい)話を、多くの女性が話してくれた。

最初は15年ほど前に関わったビール販売女性の調査、それ以来もビアープロモーター協会の人たちと一緒に仕事したり、まあ色々関わってきたなあ。

今回の宿題で、学生たちは、ちょっと古いデータだけれど、カンボジア全土にいるビアプロモーターは4000人から6000人という統計が多く上がっていた。
エンターテイメントワーカーでなくて、ビアガールだから、最近の数値がないらしい・・・・・

↓母の服を着てた上の子。お手伝いさんもサイズが同じだと置く場所に迷うらしい


なぜ女性がビール売りの女性になるか?っていう問題も調べてもらった。
構造的抑圧、っていう単語を使っている学生があって、それがどういう意味なのか説明がないのはちょっと問題だけれど、なかなか鋭い。
あとは、貧困や家庭環境、借金などが挙げられていた。
「簡単にお金を稼げると思って」っていう男子の意見もあって、実際、こういう偏見(と言っていいのか)も多い。

何しろ、講義は毎日ZOOMだし、あとの生活は料理とエアロビと、子どもの勉強を見ること(これが一番大変でストレス溜まる)。

それ以外に、自分が好きで没頭できるのは、このエンターテイメントワーカー調査。

大学は給与がなくても、自分が関心のある課題で学生たちに協議してもらって、コンサルタントとして必要な知識や理解を得るため、学生たちにも頑張ってもらうのである。
これってフンセン首相の言うところの、win-win?




「学費を半額にして欲しい」

2020年04月28日 | カンボジアの生活




CIAインターナショナルスクールで、保護者がデモやって、学費半額にしてくれ!って要求したそう。
知り合いはお嬢さんをこの学校に送っていて、年間学費がとても高いって嘆いていた・・・・・(まあ私学はどこも高いが)。

↓XLベーコンチーズバーガー、2個目も食べるって主張して却下された息子、すごい食欲だ・・・


でも、学費半額にしたら、教師の給与が支払えないだろう。
保護者の気持ちもわかるが(だって現在はまさに先生たち給与泥棒)、労働者の立場に立つと、なかなか賛成できないのである。


うちの大学の同僚の仲良しは、アイルランド出身だけれど日本で10年教えたあとカンボジアに来て、うちの大学で4年くらい教えてる。
ところが、「今学期は給料出ないそうよ、最後まで教えるけど、そのあとはやめる」だって。
「私たちは無給なのに、学長の孫とかは海外の学費の高い学校に留学させてもらってて、酷すぎる」とのコメント。

4月も終わり。
3月分の給料もまだ出てないし、あと4ヶ月給料出ないまま教えるんだろうか・・・・




怖くてプノンペンを出られない・・・・

2020年04月27日 | カンボジアの生活

週末だけでなくて、長期でケップに行きたい・・・・・

のだが、ケップは観光客がいないからレストラン事情が悪いのがちょっと困ったなあというのと(カンポットまでいけばたくさんレストランはあるのだが)、途中道路にある警察の三箇所あるチェックポイントが怖い。
必ず止められるので、ちょっとでも不備があると、とても嫌な思いをする。
(大きい車に買い替えて以来は、止められてもハローって手を振って逃げてた、大きい車はこの点で便利)
ただ、3月11日で免許が切れてて、警察に止められると嫌な思いをする・・・・・
ので、怖くて週末ケップに行ってない。 免許更新ができていない罰金は1万リエル、コーヒー1杯代を払ったらいいんだけれど(以前実際そういうことがあった)、警察と会話することを想像しただけで超鬱になる。
早く免許更新したいのだが。

次日本にいつ帰国で来るか不明なので、4月14日に神戸の郵便局から、日本の運転免許をEMSで出してもらったのだが、延々と大阪国際郵便局で止まってる。

こりゃダメだと思って、免許の写真を印刷して、免許更新センターにもって行った。




でも想像通り、本物の免許でないとダメだって・・・・・
(十ドルくらい渡せばなんとかなったかな?)

まさに形式的としか言えない手続き。
カラーのコピーのどこが悪いんだ、今なんて契約だって全てメールの添付でやってるぞ。

ま、仕方ない、担当者を恨まず、制度を恨もう。








COVID19の影響拡大中

2020年04月26日 | カンボジアの生活
コロナ感染、カンボジアでは既に二週間ほど新たな感染は出てないとかいうけれど、実際にはつい先日カンボジアから広州に戻った中国人がテストで陽性だったとか。
そういうニュースは流れないのだよな。VOAで聞いたんだけれど、中華系新聞で掲載されていたそう。

ラジオを聴いていると、ADBのアドバイザーが途上国では抗体をもっているんだか体がコロナに強い人が多いのかもしれないけれど、テストしてないから感染率が低いだけだ、みたいなことを発言していて、まさにそうだろうと。
そもそも、誰もテストしてないし。
そろそろ、休暇から戻ってきた女工さんたちから陽性の人が出るのでは・・・?

↓下の子が行きたい!って言った寿司バー、かなり混んでる(が、職人がたりてない感じ)


出稼ぎに行っていたタイから戻ってきた26歳の女性は、「あと6ヶ月、銀行からの借金を毎月百二十ドル返さないといけないのにどうしよう・・・・」。
こういう話は、毎日のようにラジオで流れてる。
年末まで借金の返済を猶予するようにだか、返済義務を軽減するだか、中央銀行が指示したらしいけれど、実際そんな優しい配慮をしてくれるのかな?
私は借金をしたことがないので、返せるかなっていう不安ってわからないけれど、今後どうなってくのか将来が見えないという不安は強く共有するなあ。
「生活保護VSワーキングプア」っていう随分前に書かれた本を取り出してきて読んでいるんだけれど、まさにこの状況がさらに加速化するのではないかと。
でも、カンボジアでは生活保護なんてないし、子どもをうるとか、血を売るとか、結局最悪のオプションしか残されていない気がする。

↓寿司バーはサーモンづくし、子どもたちは次々注文する


学生たちも、「バイトからの収入がないから、学校が開始しても、以前みたいに大学に通えない」と呟いててた。
そうだよな、大学に来るって、勉強しにくるだけでなくて、友達とブラウン行ったりご飯行ったり、学習以外の方が目的だったりするし。
金持ちの子弟が多いし高級バイトをしている学生も多いうちの大学では、学費以外にかなりの交際費がかかるのではないかと思う。



久しぶりの寿司バー。
普通は頻繁に日本に戻るから、寿司は日本で食べると主張して、滅多に行かないのだ。
「高いの食べてごめんねー」と謝りながら寿司を食べ尽くした上の子、「最後に、うな丼食べたい!」だって。

下の子は食が細くで、ガリガリで、毎日牛乳2リットルくらい飲んで生き延びてるような感じ。
寿司バーでサーモン握りを3皿お代わりして、一週間分の食事を取ったくらいの勢いだった。

上の子は、食べ盛りで、顎は二重で自宅待機のせいでかなり太ってきていて、毎回2人分は軽く食べるし、肉食がメイン、さらにチーズ系の外食が大好き。
肉は毎日買わないとダメになるので(日本だと数日冷蔵庫に置いておいても大丈夫なのに・・・)、毎日出かけて肉を3食分ゲット。
外食したら、夜の分の肉は朝に回して、朝から豪華な肉食になるのである。

子どもたちの食費をなんとか維持できているからいいけれど、このコロナ状況が続くと継続的な収入の道も立たれるし、日本に逃げてパラサイトするしかないなあ。
日本から戻ってきたアシスタントが、「この仕事応募しましょう!」って張り切って企画書をまとめてる。
ガールフレンドが稼いでいるからいいけれど彼も土地投機をして大失敗して痛いはず。
私も今年売るつもりで買っていた土地がとても売れない状況になっているという悲惨な共通項があって、一蓮托生なのであった。