調査をしている関係で、学生たちとカフェで座って雑談することが続き(なぜか男子が多いのだが、女子はあまり自由時間がないため)、いろんな話を聞かせてもらう。
↓スターバックス、停電後1時間で誰もいなくなった・・・
その中で、偶然サシで仕事の話をしていたアシスタント兼学生から、凄まじい話を聞かせてもらった。
彼は3年ほど誘拐されて搾取されていたというのだ。
今は20歳ちょっとの彼、田舎出身で、6歳くらいの頃に両親の仕事が失敗して借金を抱え、小さい子供2人(兄弟)を親戚に預けて夫婦で未開の地へとチャンスを求めて出稼ぎに行ってしまった。
学生は当時3歳くらいだった弟と叔父に預けられたのだけれど、近所にいる親切なおばさんが、プノンペンに行って育ててあげると言ってくれて、叔父が許可したので、その女性についていったそう。
すると、今のコ・ペッチは昔船着場で、船の中に押し込められ、朝になると管理人に連れられて外に出て、夜までカルメット病院の近くで物乞いをさせられた。
「お金が稼げないと、電気ショックを与えられて、今でも思い出すとぞっとする。」
3年くらいそういう生活を続けて、偶然、自分の本当のおばさんがたまたま自分たちを見つけてくれて、よくわからないまま田舎に戻れたそう。
その頃には両親が収入を得てもともと住んでいた家に戻ってきていて、一緒にまた生活するようになった。
↓早朝のプノンペン、建設現場は24時間で働いてる
"I was trafficked" と言われて、え?って感じだったのだけれど、話を聞いていくうちに、まあなんて経験をこの学生はしてきたんだろうと・・・・
彼は最近まで私が理事をしている団体でインターンをしていて、人身取引事業でも活躍してくれていた。
私は調査員に、どんな辛い話を聞いても、「その気持ち、よくわかります」っていったらダメだと教えているんだけれど(経験していないとまず絶対に本当にはわからないから)、彼なら人身取引や搾取の被害について本当に分かるんだろうなと。
辛くて、よくフラッシュバックがあったけれど、今は乗り越えてるそう。この2ヶ月ほど調査員として雇用するようになって、自由時間がほとんどないくらい仕事をしてもらってる。
忙しいのはいいことだ、昔のことを思い出さなくていいから、っていう彼の言葉はありがたい。