ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

なぜ男の子の方が性犯罪の被害を訴えるか

2019年02月01日 | カンボジアの子どもの権利


カンボジアの子どもに対する暴力の統計では、文部省の統計でも女性省の統計でも、男の子が性犯罪にあったという届けの方(調査での自己申告)が、女の子が性犯罪にあったという回答よりも多い。(あくまで自己申告)

性犯罪の被害にあった割合は、男の子の場合、5%ちょっと、女の子だと5%以下(女性省)。
文部省の統計だと、この半数くらいに減る(男の子3%以下、女の子2%以下)ーが、男の子の方が被害率が高い。


カンボジアの状況について、1995年ごろに書かれた論文で、当時外国人が7歳の男の子を性的虐待したという報道があったそう。
この報道は民安を驚かせたそうで、理解できないという人々が圧倒的に多かった。

男の子が被害を届けるのは、とにかく難しい。
が、カンボジアでは20人に1人が経験ありと報告しているので、かなり高い割合かもしれない。

ただ、この調査で雇用された調査員をトレーニングした男の子に対する性暴力の専門家から随分前に話を聞いた時、「まあいい加減な研修で、調査員が性犯罪のことをまともに聞くとは思えない」とか相当怒っていて、それでも5%か・・・と思うのである。

ただ、こういう男の子の方が割合が高いのはカンボジアだけではないようで、中国でもそうらしい。
女の子だと、恥ずかしくて自分を責めたりして隠したり。
男の子だと、こういうのが性暴力だってわかれば、かなり申告するらしいのだ。