ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

「髪を切ったら選挙登録させてあげると言われた」

2022年06月17日 | LGBT調査・イベント



シェムリアップて実施したトランスの女の子たちへのインタビュー、9人に会えたのだが、それぞれいろんな話が聞けた。

17歳の恋人と一緒に住んで家賃まで払ってもらっている20代後半のトランスの子や、視力がほとんどなくなってしまって働けないトランスの女性。



ある女性は選挙登録をしましたかという質問に対して、「髪を切ったら選挙登録させてあげると言われた」。
なんと、3回もそう言われて、諦めたらしい。
3回も行ったってすごい。

思ったのは、トランスの子達は、ネットワークに所属していれば支え合ってるし、不安も減る。
例えば、みんなエイズ患者だけれど、死なないってわかってるし、助け合って生きてる感じ。


LGBTの権利について

2021年09月30日 | LGBT調査・イベント




マイクロ・レインボーという団体からの依頼で、学生を動員してLGBTセッションを実施。




オンラインのプラットフォームになると、どうしても大量の参加者を募るのが難しく、大学の学生とかを動員すると簡単なのは事実なのだ。


今回結構質問があったのは、インターセックスについて。
やはり、インターセックスって何か知らないと、全く不可思議なのかもしれない。


学生たちのLGBTへの関心は高い

2021年09月10日 | LGBT調査・イベント




150名以上が提出した期末リポート、トピックはみんなが勝手に選んでよかったので「ガラスの天井」っていうかなり珍しいトピックを選んだ学生が一人いたり(ちゃんとこの話題も教えた)、セクハラやコロナ影響など、さまざまなトピックが研究されていてた。




でも圧倒的に多かったのはLGBT。

CCHRとCAMSAEANの特別講義をしたからかもしれない・・・・それぞれクメール語で2時間ほど延々とLGBTについて学んだので、学生たちも関心が出たかな。
というより、関心はあっても、話題にならないことを特別講義で取り上げられたのかも?

学生たちは、「なぜLGBTになるの?」から「人口が減っちゃうから矯正して結婚するという理論もわかる」などの意見から、「差別は絶対良くない」など、色々意見を書いてる。





私自身は、バイナリーは反対。人間を2つに分けて差別を生み出すような制度は良くない。

LGBT、今学期も学生と調査をする予定で、まだまだ学生たちとのカンボジア人意識調査と意識改革の旅は続くのである。

区役所の人の家庭内暴力への介入

2021年08月10日 | LGBT調査・イベント


LGBTカップル(同性カップル)でも家庭内暴力はあるし、LGBTの子どもに対する保護者からの暴力も深刻な問題。
特に、家族からの差別や暴力は深刻で、人間としての尊厳を徹底的に傷つけられるような言動が家族からなされる場合も多い。


↓佐世保から長崎への電車、前回乗ったのは廃止になり超モダンな新型車両になってた



でも、LGBTが支援を求めて区役所に行くことはあまりない。なので「なぜLGBTは区役所の人に介入を頼まないのか?」と聞かれた。

やはり、LGBT自身が区役所の人を信頼してないことや、スティグマや、恥の意識だろうか。期待していないっていうのもあるかもしれない。

さらに、そもそも区役所の人がこういう家庭内の問題を解決してあげるための能力や技能不足っていうのもあるだろう。
支援を求めても何もしてもらえない・・・・日本でもそうかもしれない。






2021ーLGBT調査結果

2021年08月07日 | LGBT調査・イベント
LGBT調査、88人が参加してくれて、10の州で実施。全てのインタビューがオンライン(というより、電話だった)。

前回 Save the Childrenの依頼で実施したLGBT調査でも、「近年LGBTの環境は良くなっている」ということだったが、今回もまあ似たような結果。

↓かなりヒットだった五島の海鮮丼、ウニが超美味しい・・・・(隠岐からかも?)



今回はLGBTは高齢者も結構いて、前回(2019)実施した調査では30歳以下が多かったのと比較すると、より面白い情報が取れた。養子問題とか。

LGBTが不安なこととしては、5割以上が問題だと思うのは養子ができない(財産分与問題)、7割程度は結婚できない(しなくていいと思うのだが・・部外者なので気持ちがわからない)、3割ちょっとはIDカード問題、6割は居住問題(両親などにどこに住んでいるか言えない), 84%は差別や暴力が問題、1割ちょっとは仕事に関することが問題。

LGBT自身が抱える課題としては、家族からの差別が深刻な問題なのだそう。