ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

6割がハラスメントという用語を知らない

2023年11月07日 | カンボジアのセクハラ




セクハラ調査、データと睨めっこして分析中。



380人インタビュー(5割女性)しているが、6割はハラスメント・セクハラという用語の意味を知らない。これは結構びっくり。なんとなく聞いたことはあるけど、という感じだろうか。

意外なのは、17%の男性と9%の女性のみが、オンラインでのハラスメント経験があるという点。私は一度だけ大学のテレグラムで(100人以上いる)経験があるけれど、意外とみんなちゃんと使ってるのかな。







後ろからお尻をさわれれるのが嫌だった

2023年09月16日 | カンボジアのセクハラ



担当する学生の一人は、アルバイトでホテルで働いてる。
今学期は夜の講義を持ってて60人も学生がいるので、働いている学生が多い(さらに僧侶も多い)。

彼女はホテルで働く18歳。半年ほど働いてるが、同僚の男性が後ろからお尻触ってきたり、何度も不愉快な思いをした。我慢できなくなって、上司に相談すると、その男性は解雇されたそう。他にも苦情があったのだろうか・・・・(本来ちゃんと調査すべきだから)。

↓珍しく手にした、カンボジアで一番高額なお札

他の男子は、やはりホテルで働いていて、自分の上司の女性にインタビュー。
「僕のところは、全く問題ないです」
「なんか、この上司の人が写ってる写真、ゴージャスですごく素敵な部屋なんだけれど、彼女のお家、それともホテルで働いてる部屋?」
(学生はインタビューの証拠に、インタビューさせてもらった人の写真を撮ってインタビュー内容と一緒に提出しないといけない)

↓大洪水のシェムリアップ

「これ、彼女の職場で、僕もここで働いてます」
「素敵な職場ね、セクハラとか嫌がらせとか、自分が経験なくても、誰か嫌な目にあってるとか聞いたことない?」
「全くないです、完璧にいいホテルです」
「もし良かったら、どのホテルか聞いてもいい?」
「ハイヤット・リージェンシーです」

まいった、私の学生にハイヤットで働いてる子がいた・・・・あそこで夜中まで飲みまくるのはもうやめよう。





おばさんがセクハラを受けて、甥っ子の警察を呼んだ

2023年09月14日 | カンボジアのセクハラ



学生の一人が、自分の叔母にセクハラ体験をインタビューした。
学生のは母52歳で、その妹の叔母は32歳。なんか年齢離れてるけど、おまけのように生まれてきたらしい。

叔母はまだ30代、いくつか職を掛け持ちしているのだが、うち一つは喫茶店のバイト。若くて素敵なので、男性客に触られることが結構あるそう。



ある時、しつこい男性がいたので、やめてほしいと反抗したけれど、やめてくれない。
そこで、甥っ子で警察官がいるので電話で呼んですぐきてもらって、この迷惑客にガツを入れてもらったらしい。

日本じゃあまりなさそうな話だな・・・・・(そもそも甥っ子を呼び出していいのか?)

「おばさん、客に身体をさわれても普通だと思ってずっと我慢してたらしい。でもこの最悪の客が酷いことして、もう黙ってられないと思ってアクションを起こした」







ガソリンスタンドでの性犯罪

2023年09月13日 | カンボジアのセクハラ



2005年くらいにビール販売をしている女性にセクハラ調査をした時、「ビアガーデンのトイレに連れ込まれてレイプされた」という話を聞いた。

⇩100ドル札が載ってるケーキ



今回は、ガソリンスタンドを経営している人が、性犯罪について教えてくれた。
彼のスタッフが、「トイレに行くと、男性がついてくるので怖い」と訴えた時には、何度もそういう怖い思いをした後だったそう。結果、カメラをつけた。

「パーティーの場はひどい。男性ばかり固まって飲んで、猥談ばかりしてる」と言ったのは、ドイツ人の友達。彼女はあまりわからないけれど、女性スタッフが嫌な顔をするからわかるそう。

セクハラ調査では、カンボジアに根付く男女差別がものすごくよくわかってくるのである。





セクハラがひどいので仕事やめました・・・

2023年09月04日 | カンボジアのセクハラ



2018年ごろに担当した元学生のリダ(女子)は、この2年ほど私のメインの助手として働いてくれている女性とすごく仲良しなので、いろいろバイトとして仕事を手伝ってくれていた。
リダ自身は、学部3年の時に軍に入隊する試験に合格したので、軍の仕事をしながらのパートでの副業みたいな感じで、地方調査とかに頻繁に行ってくれていた。

軍の話を聞くと、「パラシュート演習で何度も飛び降りた!」とか楽しい経験も聞かせてくれたが、「上司にもし男子ならベトナムに演習に行けるんだけど。」とか言われたらしい。同僚で自分より能力のない男子が、ベトナムやシンガポールに行くのは不平等だって文句を言っていたのが数年前。

↓有馬富士、どれだか全然わからないんだけど?


半年くらい前に彼女から連絡があって、「仕事を探しているので、推薦人になってくれないか」こういう依頼はとにかく多いので、もちろん引き受けだが、なしのつぶてでそうなってるのかなと・・・(でもこちらは遠慮もあるし問い合わせない)。

現在引き受けているセクハラ調査の仕事に彼女も調査員として数えていたのに、全然顔を出さないから、助手に聞いたら、「NGOの仕事につけたらしいから調査員できない」

カンボジア人って、ほんとこいうホウレンソウができないんだよな・・・・

で、なんで辞めたの?って聞いたら、セクハラがすごかったそう。
軍では、とにかく飲み会がしょっちゅうあって、その場で肉体的というより、精神的なセクハラがすごくて、結局耐えられなくて辞めたそうな。



せっかく軍に入って(多分相当賄賂積んでただろうし)数年勤務して、パラシュート練習まで何度もしてたくらい優秀だったのに、セクハラで(女性差別的なことも含め)、辞めざるを得なかったとは残念。

今回の調査は、公務員は対象外なので(軍人を含む)、彼女の話は入れられないのがちょっと残念かな、仕事を辞めざるを得ないなんて、よほどひどい環境だったんだろう。