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ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

「老後の資金がありません」

2021年01月31日 | Japanese Books


タイトルが面白そうなので買ってみた、「老後の資金がありません」。
内容も面白過ぎて、あっという間に読んでしまった。

老後の資金6千万円なんて、持っている人はそういないだろう・・・・だから老後は来ないのである。

「うちの娘が結婚しないので」を先に読んでいたのだが、この筆者は確か神戸出身。
面白すぎる本を書かれると、仕事そっちのけ、子どもの相手そっちのけで没頭するのであった。


↓片付けてたら出てきた、大学院の学位授与の際の記念撮影


カンボジア人に老後の計画を聞いてみたら面白いかも・・・・誰もが子どもを頼りにしてるのだろうか。

結婚して夫婦でローンを組んで家を買う人が周りにはたくさんいるけれど、すごい決意だなと思う。
夫(あるいは妻)と、あと20年とか30年とか一緒に生活するっていう決定ができるなんて、想像を絶する。
うちの近所でも、新築に住んでしばらくして妻が出て行った家は2軒あるし、それ以外にも離婚家庭はかなりある。
1人の配偶者とずっと一緒に生活していけるほどの忍耐力がある若者なんて、どのくらいいるんだろう?
仕事だって3年とかで変わるのが普通になってきているのだから(そうせざるを得ないというのもある)、一緒に住む相手だってコロコロ変えたほうが楽しいと思うのだが。

この「老後の資金がありません」の主人公は、波乱万丈あるけれど、結局どうしようもない夫とでも仲良く老後に向かって行けそうで、人間万事塞翁が馬。



貧乏だからいじめられた

2021年01月30日 | カンボジアの子どもの権利


ジェンダー学の学生に、「性差別にあった経験を教えて欲しい」と言ったところ、ある学生は、いかに自分が貧乏でいじめられたかを延々と綴ってくれた。

貧乏だから、友達もできず、ひどいことを言われ、差別されたそう。

日本でも、そういう地区はあるんだろうか。

私の子どもの頃は、修学旅行とか行けない貧乏な子もいたし(があった)、臭い子とか、在日(韓国も中国もいた)、貧乏以上に多様性豊かな環境だった。
一人っ子だった私は、一人っ子っていうだけでちょっと偏見の目でみられることもあった。

うちの息子たちに40年ほど前の地元の話をしても、ピンとこないのである。
比較的豊かな若い家庭が多い地区に住んでいるから、同級生もみんな生活に困ってなくて、どの家も2台は車がある家庭ばかり。

↓紅茶を買いに行った際にデパートで思わず買ってしまった特別ブレンド(ちょっと古いが・・・・リーフは売り切れだった)


貧乏のどん底から、必死に勉強して、うちの大学まで進学してきたこの学生は偉い・・・・と感嘆の意を込めて感想を言うしかないのである。

でも、性差別の経験を聞いてたんだけれどな・・・・・
ま、カンボジア的だ。
自分の言いたいことを伝えることで、個人的な経験を通じて自己表現ができるなら、教員としては、よくできたと褒めてあげたいのである。


農村女性への調査準備

2021年01月29日 | カンボジアでの教員生活


調査手法の学生たちと、農村女性にインタビューするための質問表を準備中。

昨年末にプノンペンのフレンチで長年の知り合いと飲んでいて、「学生を動員して調査したいんだけれど、何かネタない?」って聞いたら、「ちょうど、調査必要かなと思ってたんですよ」と言ってくれたので、早速飛びついたのであった。彼はNGOを運営しているので、早速スタッフの女性たちを紹介してくれて、若い元気な日本人女性たちと一緒に学生たちを動員して調査をすることに。

学生には、私の方でNGOと協議してザクっと決めた調査目的を説明して、宿題として調査票の質問項目を提案してもらった。
座学で調査手法を学ぶだけでなく、実践することで、調査の難しさや醍醐味がわかるので、デザインから学生に参画してもらうのは貴重な機会。


↓真面目な学生たち、土曜にもかかわらず自分たちで調査票を精査するZOOMを設定して勉強会



学生たちは色々頭を捻って、いい質問を考えてくれた。
「人生を向上させるためには、何が必要だと思いますか?」

うーん、この質問って、難しい質問だ・・・・・もし私に調査でこういう質問を聞かれても困るなあ。



部屋の模様替え

2021年01月28日 | 日本滞在



大震災から既に二十六年、美容院でお世話になった美容師さんは小学校五年生だったそうで、「いつもみたいに外で遊ばず家にいたのを覚えてる」。
毎年だけれど1月は辛い。あまり日本にいたくないのは、報道で延々と震災のことを流すから。

クメールルージュ時代のことを話してもわかってくれない若者と一緒にいる高齢者の気分で、息子たちは震災の時期のことなんて想像もできない。
「一ヶ月以上水が出なかったし、ガスもなかった」と話してもピンとこないし、「こたつで三人で固まって寝てた」と言っても想像できない。


↓大学は中間試験の時期、めっちゃ難しい試験にしたので、みんな苦労したはず


でも1月17日をきっかけに、改めて震災グッズ(防災グッズ)を準備したら、子どもたちは何が必要か学校で学んでいたそうな。

さらに、本棚の断捨離を進め、天井までる本棚がもし倒れても被害が少ないように整理整頓。
でも本を捨てると隙間ができるので、観葉植物を買おうか悩ましいのである。
地震が起きたら、観葉植物が落ちて、掃除が大変そう・・・・

ついでに、カーテンも変えることにしたが、これは結構大変だった。

↓部屋の一面が広い出窓なので、とっても長いカーテン幅


カーテン専門店にいつもオーダーしていたのだけれど、数年前に潰れたそうな。
そうだろうなあ、最近の家はカーテンがないから、カーテン専門店なんて、お客さんが減るばかりだろう。
オーダーのカーテンは時間がかかり、届くまで20日ほど待った。

↓アマゾンにいるような感じでいいかなと、森の模様にしてみた


うーん、ピンクとか赤でもよかったかな。
洋服を変えるように、また数年で変えよう。

吉村昭と阿川弘之

2021年01月27日 | Japanese Books

古いなとは思うのだが、吉村昭と阿川弘之は大好きで、この二ヶ月ほどでエッセイを読破した。
日本語が綺麗なので、勉強になるのだ。
集中して本を書くことにも飽きちゃい、しばらく休憩が必要かなと。

自分が本を書こうとしているときは、米原万里さんとか難解な日本語を振り回すエッセイストを読んで古い格調ある日本語を勉強しつつ、林真理子とか阿川佐和子とか読んで、日本語を上達させるのである。
日本語って、話すのも下手だけれど、書くのはもっと苦手で、とにかく読んで読んで日本語を学んで、自分が言いたいことを表現できるようにする。

昔の男性の代表格の吉村さんは、すっごく女性に対する固定観念があって(阿川さんもだが)、昔の男性ってなあ・・・・と思う。
バイデン大統領が過去にセクハラ問題があったとしても、まあ昔の男性だし、当時あっても仕方ないなと考えてしまうのである。

↓ロボット教室に通い始めた子どもたち、面白いらしくて家でも次々作ってる


阿川さんの旅行記は、ちょうどメアリ・モリスの「中米一人旅」を何度目かに読んだ後で、改めて「世界は広くなったと同時に狭くなった」と感じた。
船旅でも飛行機の旅でも、なんでも簡単にできるようになって既に三十年ほど。
まさか国境を越えるのがこんなに大変な時代が来るとは、誰が予想しただろうか。
阿川さんの旅行記を読むと、戦後は日本の国道もカンボジアと同じような時代があったのだな、と日本の発展を感じたのである。