ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

LBT調査

2019年02月17日 | カンボジアの子どもの権利


生物学的には女性だけれど、レズビアン・トランスマン・バイセクシャルの人たちを対象として、差別の調査をしてほしいという依頼がきた。
3つも仕事を抱えていて手一杯の時なのだけれど、他の仕事を捨ててもやりたいくらい面白い仕事。

↓この靴が活躍してくれそう?


しばらく性的マイノリティの調査をやってなかったので、「待ってましたー」という感じ。

叔母が亡くなって落ち込んでいたんだけれど、やりがいのある調査を依頼されて、久しぶりにものすごく盛り上がるのである。

今回は、LBTの女性たちが、自分が生まれ育った環境における家族からどういう差別を受けたかの調査。現在のパートナーとの問題は取り上げない。

打ち合わせで関係者と会ってると、以前調査に協力してくれたレズビアンのパートナーがお義父さんから殴られて家に帰られず、みんなで保護した話を聞いた。
そのレズビアンは、数年前に最後に会った時には「お父さんが怖くて本当のことがいえない、でもお母さんは知ってると思う」って言っていたのだが、まだ現在でもカミングアウトしてないそう。

↓今週は何度か通ったうどん屋、気軽に行けるので便利




「矯正」のためにレイプするというのはよく聞くので、「性暴力についても聞きたい」というと、凄まじい話を教えてくれた。
ある年配のレズビアンは、強制的に結婚させられ、妊娠させられ、子どもが欲しくないから中絶したそう。
「そんなの聞いたことない・・・・(カンボジアでの調査では読んだことない)」と言うと、「こういうつらい話をすることってまずないし、調査もないはず。だから記録してほしい」。

この話を聞かせてくれた彼女はトランスマンで、彼女は妊娠したくないんだろうか・・・と聞きたかったんだけれど聞けなかった。トランスマンであることと、生物学的に女性で妊娠したいということは相反するんだろうか共存できるんだろうか。当事者ではない私には、まだまだクエスチョンマークが多いのである。

↓プノンペンには次々新しいカフェができる・・・・打ち合わせに指定されたので行ってみた


今回調査では、8つの州を回って、80名のLBTからヒアリングして、娘を受け入れるようになった10名の保護者にもインタビューして、10くらいの民間団体や政府関係者に意見を聞く予定。
地方はほとんど調査員に行ってもらうんだけれど、私もできる限り当事者の話を聞きたい。

まだ2月なのに、2019年で一番面白い調査になるかな?