ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

LGBTQセッション

2018年06月09日 | カンボジアのマスキュリニティ


国連からの依頼で、大学の講義でLGBTQの特別セッションをさせてほしいとのこと。

↓200名ほどが参加、派手に広報をしたので私の学生以外もきた様子



↓質疑応答形式で、LGBTの当事者たちとの対話


金曜夜の講義で疲れているだろうに、みんなけっこう真面目に聞いていて、関心が高いんだなと思う。

今回関心したのは、ある僧侶の発言。「性的にどうとかよりも、その人が人間として正しい行いをしているかで、人は判断されるべきである」ということを、5分ほどかけてえんえんと語ってくれたのである。正しい行いをしていて、社会に貢献していれば、LGBTであるかどうかは全く関係ないし、ブッダは同性愛について反対を示していないと言ってくれたのである。




今回の中心メンバーは、現在国連で働いている、元私の学生。2014年からうちの大学にいたそうで、実はまだ卒業していないそうな・・・
昨年くらいに仕事の関係でインタビューさせてもらった時は、外見がちょっと中途半端というか、髪は長いけれど男性風の感じで・・・って様子だったんだけれど、今はかなり男性的になっていて、短いポニーテールがアーティストみたいな感じでかっこいい。彼女はリバレイテッドされたね、って国連の代表に言ったら、「それ、言い得て妙」って感心されたのである。



私が接するLGBTは、たいてい20代前半から20代後半で、カンボジアでなら人生で一番楽しいというか青春を謳歌できる年齢なんだけれど、性的マイノリティに属するというだけで凄まじい差別にあっている。ある女性は、王立大学の法学部生で、入学した最初の講義で、毎回出席していたのだけれど態度や洋服が男性的だということで教員にいじめられ、テストは落第、単位ももらえなかったそう。よほどその教員の名前を聞こうかと思ったのだけれど、事なかれ主義のカンボジア社会にながされたのか、今更聞いてもどうしようもないなと思ってあきらめたのである。まあ、そういう経験を笑って語っていた彼女は偉い。

↓学生たちのメッセージ


予定を40分もオーバーして講義終了。

講義中、上の子は家庭教師のところに行って音楽の勉強をしていたのだけれど、下の子は日本から遊びに来てうちにホームステイしている人に預けていたら、お菓子食べ放題で家中散らかしまくり。本人はとっても楽しかったみたいで、それはよかったのだけれど、預かってくれていた女性は激務に疲れ果てていた様子。あーあ、子育てしたことのない人に子守を頼むのは無謀だったと反省したのである。