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Brugge Style
ブルージュ住まい
ブルージュに住んで10年。
根岸の里の侘び住まい...
いや、こんなに長く住むつもりはなかった。
わたしが10年前、唯々諾々とべルギーにやって来たのは、わが家の経済活動事情(収入事情ではない)では、世界中どこにでも居住が可能であるため、2、3年のうちに一番住み心地のいい街を見つけてそこに移住したらええわ、と思っていたからである。
「どこにでも住める」という自由に影を落とすある種の、(自分が勝手に設ける限界という意味での)不自由さ、には思いが及ばなかった...
例えば、ベルギー国内に、とか、アメリカ西海岸へ、仕事の関係で、とか、今年中に引っ越ししなければならない、などという多少の縛りがあった方が、選択肢が無限にある場合よりも腹を決めやすい、と思うのである。少なくともわたしのような性格にとっては。
ブルージュの安全安心安定した生活と、未知数がいっぱいの他都市の生活をひき比べると、どうしたってブルージュの獲得ポイントの方が高くなってしまう。
家族に子どもがいるため、学費が無料で教育レベルも高く、福祉が充実した、安全な街、祖父母が徒歩圏にいる生活はなかなか捨てられない(もうこれが唯一つブルージュを引き払えない理由と言ってよい)。
夫と大人二人だったら、とっくの昔に絢爛たる腐臭ただよう大都市へ引っ越していただろうと思う。そしてブルージュスタイルではなく、シンガポールスタイルとか、パリスタイルとか、同工異曲の駄文を連ねていただろう。
あと8年して娘が大学へ入ったら、夏を欧州、冬を日本(含む他のアジア)で暮らす、という落としどころをつけるつもりである。いやもう絶対に。
わたしが冬のタイにいるときや夏のリビエラにいるとき(冬のリビエラじゃないよ・笑)に、娘が休暇で宿題を抱えて遠くからやって来る...
なんて考えただけでもニヤニヤ笑いが止まらない。
彼女の自立を促すため、どこででも寝られて、何でも食べられて、誰とでも平和に共存できて、今の自分の行動が先にどういう結果を生むかという判断を的確に下せる能力を早急に身につけてもらおう。
わたしは初めの3つをすでに身につけているから(笑)、最後の「今の自分の行動が...」を早急に身につけて、10年後に「ブルージュに住んで20年」などとブログに書くことがないよう、精進しよう。
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