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不思議の国のアリス




娘が「不思議の国のアリス」に夢中になっている。
1999年制作の実写映画を繰り返し見ては馬鹿笑いし、原作のオランダ語訳を読書中。

2010年にはティム・バートン版(ジョニー・デップやヘレナ・ボナム・カーターなど、常連名優がそろっている)が公開される予定だから非常に楽しみだ。


わたし自身もこの話が好きだった。

K介兄さん(母のいとこ)もキャロルと同じように大学で数学を教えているのに、なぜこんな話ができないのだろう、しかもなぜ彼はあんなに愛想がないのだろう?と、気にしていた。
浮世離れしたピクニックの描写がうらやましく、自分がビクトリア朝のイギリス人でないのを呪った。
アリスのようなエプロンに憧れ、フリルとギャザーと腰のリボンがたっぷりした乳白色のエプロンを布から選んで作ってもらったのだった。いつ着用したのかは覚えていないが。


「赤毛のアン」や「若草物語」など、少女の活躍と成長を扱ったピューリタン的美談は全く好まなかったが、ルイス・キャロルの話は説教臭くないのが良かった。

今、思うとわたしは人生に「意味」を見いだそうとするお話が嫌いなのだ。

「少女」が日常の邪悪なものから世界を救うというテーマ、つらい時も苦しい時も、清く正しく明るい生き方をするアンやジョーに共感する人は多いのかもしれないけれど、世界に起こっては消えるいろいろな出来事に意味など見いだそうとせず(意味を見いだすということは、それはつまり世界を限定してしまうということだ)、欲望のままウサギを追いかけるアリスにわたしは深く共感する。


そういえば名曲「飛んでったバナナ」も好きだったな...
「もぐもぐもぐもぐ食べちゃった。たーべちゃったたべちゃった。」あれですよ。

鳥に食べられそうな絶体絶命の危機に直面しても、ボンボコツルリンとワニと踊って至福の時を過ごそうとも、意味もなく突然に始まったバナナの冒険は、また意味もなく唐突に終わるのだった。



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