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Brugge Style
還暦ロック
日本に住んでいた頃、わたしはまだ若く、例えば海外からミュージシャンが来ると聞いたら
「そらいっとかな」
という勢いで、バナナホール、フェスティバルホール、シンフォニーホール、厚生年金会館、大阪城ホール、ドーム、インテックス大阪等々へ馳せ参じたものだった。
ジャンルは小汚い店のノーチャージのブルースから3大テノールのオペラまでなんでも。
日本人のミーハーさと、文化へのカネ払いの良さを狙って、日本には世界中からトップクラスのアーティストがやってくる。そらいっとかな!ですよ。全く。
昨夜、アントワープにイーグルスを見に行った。
カントリーロック。最近は徒歩圏で演じられる室内楽系ばかり見ていたので新鮮だなあ。
イーグルスは20年位前に西宮球場で見たのがついこの間のようだ。
あの時、何だったのかは忘れたが、事情があってショーを最後まで見ることができず、阪急西宮北口のプラットホームで一人きりで電車を待ちながら、そこまで反響してくるドン・ヘンリーの歌声と客の歓声をしみじみと聞いていたものだ。
...まるでファンみたいだが、全くそうではない。単に断りたくない相手から誘われたから、ミーハー心で行ったのです。
あれからトシをくったのはわたしだけではなかった。
ロックは、還暦による還暦のための音楽になってしまった。
還暦が演奏し、還暦が聞くから劣っている音楽だ、と言いたいのでは決してない。
ロックはカウンターカルチャーであればこそギラギラに輝いていたのに、メインストリームになってしまったのがいけなかったのだ。カウンターカルチャーは抑圧の効果としてしか存在し得ないのだ(たぶん)。その証拠に「抑圧から解放されたロック」を想像してみると...恐ろしく退屈だ。
まだ俗にあるロックに対して、「あなたは既に逝去しました」と伝えるとともに、「今までの行いを悔い改めて、帰依しなさい」と諭し始めたのは何だったのだろうか。
諸行無常の響きあり
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