思えば、私は子供の頃から長髪が好きでした。
物心ついた時には既に長髪好きな自分がいました。
小学校の時の(音楽)の教科書だったか、
ヨーロッパの作曲家たちの絵が載っていました。
モーツァルト、ベートーベン、バッハ、シューマン。
そういった人達は儀礼的なカツラである人も居ますが、ほぼ長髪でした。
そういった長髪を見ながら、私は子供心に「いいな~」と思っていました。
私は過去に2回だけ坊主頭になった事があります。
最初は小学校入学以前の4歳前後でした。
何らかの理由(頭に湿疹が出来たとか?)で坊主頭にさせられたのです。
その時撮った写真が残っているのですが、
私は明らかに眉をひそめて嫌がっている事が、私には分かるのです。
2回目は高校生の時です。
学年は覚えていないのですが、私は男子校でした。
1年から3年まで担任の教師は同じでした。
彼(そいつ)は体育の先生で、当時40歳くらいだったか?
ある時、クラスの成績が悪いので、お前ら全員坊主になれと命令したのです。
今にして思うと全くの暴挙です。
その頃の学校とか教師とかは、今と違ってかなりの権力がありました。
「学校」という社会から隔絶された閉鎖社会。
そういった閉鎖社会において自分は特権を持っているんだぞ、
という有無を言わせぬ雰囲気があり、父兄たちもそれを認めざるを得ない、
そういった時代だったのです。
そう言われた私達は、
既に野球部だとかで坊主頭だった連中は、痛くも痒くもありません。
昨日と全く何も変わらないのですから。
しかし、今まで長髪だった連中にとっては不公平極まりありません。
でも、当時、絶対的権力者である担任教師には逆らえません。
床屋さんに行ってクリクリ坊主にするしかなかったのです。
私も泣く泣く坊主頭にしました。
今、思うとそれは屈辱しか感じません。
しかし、クラスにたった一人だけそれに逆らった奴がいました。
そいつはクリクリ坊主にはしなかったんですが、
一応床屋に行って、何やら中途半端に髪を短く切ってきました。
クラスの中でも、そいつを見ながらささやく姿がありました。
そいつは、それに歯を喰いしばって耐えていた姿を思い出します。
あいつは偉かったと思います。
私はブラスバンドでユーフォニウムを吹いていたのですが、
そいつも私と同じブラスバンドで、アルトサックスを吹いていました。
彼とは高校卒業後もしばらくは交流があったのですが、いつか自然消滅しました。
その時の担任教師には、恨みしか感じません。
教師と言っても、特に体育系には、そういったある種のバカがいます。
彼等には音楽を愛するといった事は、にやけた女のする戯言としか写っていないのです。
それはその教師の言動からもいつも感じていました。
全くそういった輩は救いようがありません。
彼は死ぬまで自分の正義こそ、世の正義と信じ死んでいったのでしょう。
私の親族には教師が3人も居ましたが、
社会からある種、隔絶された塀の中で「先生様」などと奉られている人を、
私は純粋に敬うなどという事はできません。
彼等はある意味、心理的な病気に侵された人、私はそう見ています。
私の長髪好きは以後、変わる事ありません。
こういった坊主頭やスキンヘッドなどというものは、
まあ、好きでスキンヘッドになった訳ではない人もいますが、
好きじゃないというか、嫌いです。
あれは本当に気持ち悪いのです。
しかし、私の好きな俳優さんは、みな長髪ではありません。
皆さん短髪なんですね。
私も生まれてこの方、長髪にした事は一度もありません。
日本人社会の一般的な男性のヘヤースタイルです。
冒険する気が無いんでしょうか?
いえ、あれは髪の毛の特性や頭の形や、髪質、癖などがあって、
私の場合は癖が強くて長髪に向かないのです。
だから泣く泣く短髪だったし、今では長髪にしたくても時すでに遅く無理なんですね(涙)
しかしね~、人生で一度はシューベルトやベートーベンみたいにしたかったな~。