サイドスラスターは、船の船体をくり抜いて、
そこに電動プロペラを設置し、船体を左右に動かす装置です。
この船は何と3個のサイドスラスターを設置していますね。
サイドスラスターの真上にはマーク(印し)を描く事が義務づけられています。
これは小型船などがスラスターの真横に接近した時に、
その水流で思わぬ事故に遭わない為にあります。
船の後ろ、船尾には推進の為にスクリューがあり、
その真後ろに舵があります。
ですからスクリューが回っていれば舵はよく効いて船尾を左右に振る事ができます。
しかし、船体の前を左右に振る事はできません。
その為にサイドスラスターは主に船首に設置されています。
しかし、少ないのですが、船尾にスラスターを設置している船もあります。
船首のスラスターは、スターン(船尾)スラスターといい、
船首に設置されるのは、バウ(船首)スラスターといいます。
この装置がいつから始まったのか、はっきりとは分かりませんが、
1965年にはその存在は在りました。
これによって、大型船が港に接岸するのは、とても便利に早くなりました。
それ以前には、タグボートと呼ばれる、
小型で、しかしパワーがとても強い船が大型船を横からその馬力で押して接岸していたのです。
昔は港に行くと、このタグボートが何隻も停泊していたのですが、
今はかなり少なくなっているのでしょうね。
完全に無くなってはいないとは思うのですが・・?
以前はタグボートの手配とかも大変だったらしいのですが、
そういった意味では、大型船の船長もきっと楽になったのでしょう。
船の舵はスクリューの真後ろに在る事によって、
スクリューが起こした推進力をまともに受ける事で、
舵の効きが良くなり船体を左右に振る事が容易になるのですが、
1912年に氷山に衝突して沈没した46000トンの巨大な客船、タイタニック号は、
氷山を発見した後、スクリューを逆回転し(つまりバックをかける)舵を切りました。
しかしスクリューを逆回転すると、もう舵は殆ど効かなくなってしまうのです。
ですから、スクリューの回転はそのままで、思いっきり舵を切っていたら、
舵の効きが良くなる分、衝突を回避できたのかも知れない、という仮説があるそうです。
しかし、どうもアッという間の出来事で、あまりにも氷山に近過ぎて、
結果は同じだっただろうというのが、実際の話だったのでしょう。
もし・・タイタニック号にサイドスラスターが在ったなら。
さて、歴史が変わったのでしょうか?
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