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感動した格闘技、青木対秋山

2022-10-18 07:50:58 | 格闘技
【ハイライト】秋山成勲 𝗏s 青木真也 | "Sexyama"が逆転勝利で長年の因縁対決が決着😤(2022年3月26日 ONE X)


今年、3月26日に行われたONE(という団体名)の試合がシンガポールで行われ、
ライト級(77キロ)で、秋山成勲(よしひろ)が、青木真也を破り勝利しました。
私はこの試合を見て、感動しました。

世の中には様々な格闘技があり、それが商売として成り立ってもいます。
ボクシング・プロレス・相撲・まだまだあります。
では格闘技に出る選手、全部が命がけで戦っているのかと言うと、そんな事はありません。

メキシコ流のプロレス(ルチャリブレ)では、
普段は普通の仕事をしているレスラーが、その仕事を終えた夜になると、
顔にマスクなどかぶってレスラーになり、観客を喜ばせる為の試合をします。
一応勝負がついて試合が終わると、客は「今日は面白かった」と言って喜びながら帰宅し、
レスラー達も「今夜も、お客さんを喜ばせる事が出来て良かった」と言って、
マスクを脱いで普通のオッサンに戻るのです。

相撲だって、命がけなどで勝負をする訳ではありません。
今日は負けても明日、頑張ればいい世界です。
1年間に90回も試合をするのですから、命がけ・・命がいくつあっても足りません。

ボクシング、これはそれらに比べるとかなり命がけにならざるを得ません。
だって試合数が極端に少ないのですから、皆、試合日を目指して身体を万全に調整してきます。

アントニオ猪木がやった(格闘技世界一決定戦)は、まさに命がけでした。
プロレスこそ世界最強の格闘技だと知らしめる為にやるのですから、命がけ。
他のレスラーも心の中では(プロレスこそ世界最強)と思っていても、
では自分がそれを示す試合が出来るかと言えば、みな尻込みして出来なかった事を、
アントニオ猪木だけがやったのです。命がけだったのは当然です。

青木真也は38歳。秋山成勲は46歳。
彼等は15年くらい前からの因縁がありました。
当時23歳くらいの青木が8歳年長の秋山に対し「おい、この野郎、俺と試合しろ」と、
過激な挑戦を叩きつけたのですが、秋山から一蹴され無視されてしまったのです。

しかし、この二人。
どっちも格闘技界の問題児なんです。

青木は柔道出身ですが、
柔道と言うと、姿三四郎みたいな小が大を制する様な、投げ技を思い浮かべるのですが、
青木は身体が細い(180センチ、70キロ)事もあって、
そういった、いわゆる柔道スタイルとは全然違って、
いきなり相手の身体に飛び付いて腕を極め、関節技で一本勝ちをするという、
誰も考えていなかった変則的な勝利スタイル。
これが、今までの正統派から毛嫌いされ、大学柔道部からクビになってしまったのです。
そして、プロになってからも問題発言、問題行動が多く、要するの異端児なのです。

片や、秋山成勲。
2006年に、プロレスラーの桜庭和志との試合で、
身体中にオイルを塗るという卑怯な行為で勝利したのです。
試合中に桜庭は「滑る滑る」とレフリーに散々アピールしたのですが認められませんでした。
しかし、この試合は後に桜庭の言った事が正しかった事が認められ、無効試合になりました。
この後、秋山は(滑る滑る試合)として、卑怯者のレッテルを貼られ、
日本中から(卑怯な朝鮮野郎)として有名になったのです。
(秋山成勲は、育ちは日本ですが韓国籍を取っていて、
自分はあくまでも朝鮮人なんだという誇りを持っています)

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試合というのは、当たり前ですが、どっちかが勝ち、どっちかが負けます。
勝った秋山は「勝てるとは思っていなかった」
で、勝った後はリングで手足を激しくバタバタした(赤ちゃん還り)状態。
その嬉しさが完全爆発したんですね。
1ランドでは、2回タップしようかと(参った)思ったそうです。
秋山は普段90キロという体重を青木に合わせて13キロ減量するというハードな試練だったのもあり、
その嬉しさは、想像を絶する格闘家人生の頂点だったのかもしれません。

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片や青木は、
彼も38歳という年齢になって、格闘家として、一人の人間として、
ここまでの人生を考える歳になっている事を感じている筈です。
23歳の何も分かっていなかったガキだった自分。
それから15年という長い格闘家としての人生。
そしていつまでやれるのか、いつまで出来るのかいう自問自答。
終わりとなる前に絶対に決着を付けずにおくものかと思っていた秋山との対戦。

その結果がこれだったのかという果てしない想い。
手の中のあった筈の物が、何処か遠くに去って行く様な想い。
この感覚はいったい何なんだろう?
これから自分はどうしたらいいんだろう?
何を支えに生きていったらいいんだろう?

その結果に呆然自失となってしまった青木の心中を、私も振り返る思いがします。
反逆児だった俺。
誰からも嫌われ、認めて貰えなかった俺の流儀。
今に見ていろ俺のスタイル。

青木はこれからどう生きて行くのか。
でも、格闘家というより、人としての人生そのものを見せられた思いがする、
そんな試合だったのです。

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