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天国と地獄を見た女・・江青

2021-03-29 08:13:05 | 歴史


江青(こうせい)は、毛沢東の妻でした。
正確には毛沢東第4夫人。
彼女の現代での判断は、悪女。
地獄へと転落したそんな悪女でしたが、かつては天国だった時代があったのです。



1914年(大正3年)中国・山東省に彼女は生を受けました。
父親は大工で決して裕福な家庭ではなかったようです。

出生時の名前は、李進孩(り・しんがい)
小学校入学時には、李雲鶴(り・うんかく)と言いました。

1929年(15歳)演劇や古典音楽を学びながら、
図書館で働いていました。
1931年(17歳)で最初の結婚をしますが、2か月で離婚をします。
1933年(19歳)知人の影響を受けて共産党に入党します。



知人を通じて知り合った、第一線級の女優であった兪珊と知己になり、
その弟、兪啓威(後に共産党の政治家になる)と知り合う。
その彼とは同棲関係になり、彼が中国国民党から反政治活動で逮捕されると、
江青は上海へ逃れます。





上海では南国社(映画会社?)に入り、
藍蘋(らんぴん)の芸名で女優活動を始めます。
藍蘋は上海の社交界で有名人となりました。



この頃、女優としてライバルであった王瑩は、
この時の遺恨が元で、後の文化大革命で彼女は江青から、迫害され続けて行きます。

1937年、第二次上海事変が勃発。
かつて同棲していた兪啓威と共に上海を脱出し、
中国共産党の本拠地・延安へ移ります。





男ばかりの延安で、美人女優であった江青は羨望の的で、
延安の共産党指導者であった毛沢東を知り、
1939年、45歳の毛沢東は25歳の江青と結婚をしました。
江青という名前は毛沢東が名付けた名前でした。

1949年(昭和24年)
毛沢東は声高らかに、中華人民共和国の建国を叫びました。
江青は毛沢東夫人としてファーストレディーとなったのですが、
体調を崩しソ連で療養生活を送る事となります。

1958年から1961年まで、
毛沢東は「大躍進政策」を行いますが、
これが大失敗に終わり、数千万人という餓死者を出してしまいました。
この失敗により毛沢東は失脚します。

江青の帰国後、1960年代前半から、
彼女は政治活動に参加し始めました。
大躍進政策の失脚から毛沢東を支え、
打倒、劉少奇を毛沢東に勧めたのが江青でした。
これが結局、文化大革命へとつながって行きます。

1962年。
インドネシアのスカルノ大統領夫人が訪中した際に、
毛沢東と共に公の場に姿を見せます。
また、ルーマニアのチャウシェスク大統領たち共、親交を結びました。
1974年にはフィリピンのイメルダ・マルコスとも、
親し気に頬を交わす姿がありました。

ただ、毛沢東は「彼女の口にはトゲがある。
彼女は周りの人達を不幸にする」と言って、
江青という女性を信用していなかったし、愛してもいなかったようです。



1966年に始まった文化大革命で、
江青は四人組(王洪文・張春橋・姚文元)として活躍し、
世界中にその名を轟かせる事となりました。





1960年から、この辺りまでが、
江青の「我が世の春」・・天国だったのだと思います。

江青は女優時代に自分を正当に評価しなかった映画人、女優たちを、
その権力で激しく攻撃し、弾圧を加え、
投獄させ、死に至らしめる事もいといませんでした。

1976年、偉大なる指導者、毛沢東が死去しました。
それから1ヶ月後に四人組は逮捕されます。





1981年に裁判で江青は死刑判決を受けました。
その後、終身刑に減刑されましたが、
1991年に病気療養中に北京の施設で彼女は首を吊って自殺しました。

江青の病気はガンでしたが、
1976年には既に頭髪はハゲでかつらをかぶっていたそうです。
表舞台に立つ事は二度とあり得ず、名誉挽回などもあり得ず、
病気は進行し続け、年齢的にも、もう希望は無く絶望して、
自ら命を絶ったものと思われます。
1976年に逮捕されてから15年の人生でした。
享年87歳。

江青を、いい人と思う人はまず居ないでしょう。
彼女は稀代の悪女として、その名前を後世に残したのです。

天国と地獄を見た女性には、建礼門院がいますが、
彼女は時の最高権力者(平清盛)の娘として、
蝶よ華よと育てられたのであり、政治には全く関与しませんでした。
自分の意思で他人を貶めたり、死に至らしめたりは皆無でした。
同じ、天国と地獄を見たと言っても、その内容は大違いですね。



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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2022-09-25 19:38:24
江青を評価する人が中国で増えている
私も大好き
毛沢東のが悪
毛沢東の悪を全て背負わされた悲劇的な女性
返信する
Unknown (河童)
2022-09-27 06:26:49
コメントありがとうございます。
そうですか、江青が大好きなんですね。
毛沢東という強過ぎる権力者と知り合わなかったら、
いち女性として全然違った人生があったでしょうね。
返信する

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