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日々のつれづれ・アート・音楽・衣食住。好きな言葉はゲーテ「いきいきと生きよ」デグジュペリ「大切なことは目に見えない」。

蜷川幸雄「ガラスの仮面~二人のヘレン」音楽劇

2010-08-15 | 音楽・演劇等

浦和の調神社で兎の世界を楽しみかき氷に舌鼓を打ち、いよいよ今日のメインイベント、彩の国さいたま芸術劇場へ。与野本町で電車を降りたら、ホームから富士山?が見えました。夏は氷がすっかり溶けているのでしょうか。万年雪かと思っていました。



冒頭の写真は駅前に貼ってあったポスター。申し遅れましたが、演劇の題目は「ガラスの仮面~二人のヘレン」。蜷川幸雄演出の音楽劇です。

美内すずえの人気漫画が原作です。漫画は1976年連載開始。もう30年以上も連載されていますが、いつストーリーに決着がつくのやら。(「ガラスの仮面」をご存じない方へ→ウィキペディア

私の予測は、紅天女はもちろん北島マヤが選ばれ、姫川亜弓はハリウッド映画で成功という、両方に花を持たせて終わるのというもの。たしか、花とゆめの連載では、亜弓さんと米国人写真家とのほのかなロマンスが生まれかけていたような。でも単行本化する際に書き直しがあるのですよね・・。

速水真澄とマヤは、月影先生と尾崎一蓮同様、結ばれないのでしょうね・・。その悲しみを昇華させてマヤは芸の道一筋に、というのではないかと。

まあそれは置いておいて、「二人のヘレン」はとても楽しめました。
たまたま切符をいただいたので観に行きましたが、観劇後の感想は「自分でチケットをとってもよかった」くらいだと思いました。

ヘレンケラーの「奇跡の人」を演じて北島マヤが賞をとるまでのストーリーになりますが、この「奇跡の人」以外にも、「石の微笑」「王子と乞食」「テンペスト(これだけ漫画にはないエピソード。シェイクスピアを良く上演する蜷川幸雄ならではですね)」などの劇中劇がちりばめられており、「ガラスの仮面」ファンなら懐かしさにじーんとしてしまうのでは。

音楽劇なので、歌がうまい人ばかりだと思っていたら、残念ながらそうでもなく。「ガンバレ、ガンバレ!半音上げて!」と応援したくなる方もちらほら。初日だったからかしら。

姫川歌子役の香寿たつきは歌がぴかいちに上手。ずっと聞いていたい。セリフ回しも身のこなしも、他とは段違いの実力でした。またすらりとしてお美しい。

月影千草を演じた夏木マリは、歌の巧拙を超越したオーラ、美しさでした。客席通路を活用する演出で、間近で何度も見る機会に恵まれましたが、綺羅綺羅しいスターの風格がまさに月影先生そのもの。

狂言回しの役目で出てくる劇団一角獣のリーダーを演じた黒木マリナは歌も踊りもうまかったです。この人は外見もとってもキュート。小柄だし、この人に北島マヤをやってほしかったな・・。

マヤ役の大和田美帆は、大和田獏と岡江久美子の娘で親の七光りなのでしょうけれど、蜷川幸雄の名前で十分お客は呼べるでしょうから、なぜ彼女なのか。

音楽劇なのだから、歌がうまい人が主役でなくてどうする!と言いたいです。これが一番残念。外見も、失礼ながらあまり性格がよさそうに見えず感情移入できませんでした。私が、甲高い声が好きでないというのもあるのですが・・。脇役でちょっとの出番ならいい味わいを出す女優さんかも。

マヤは「普段は華がないけれど舞台では光り輝く」という設定なので、美人さんがやっても問題ないのではないでしょうか。まあ、姫川亜弓役の奥村佳恵(この方は美しく、驕慢な表情つくりが○)との対比を際立たせる目的もあるでしょうが・・。

あと水城秘書を演じた遠藤瑠美子が、冒頭の劇団稽古シーンのトップを務めていましたが、スタイルの良いこと!筋肉のしなり具合も本当に美しい。うっとり見惚れてしまいました。バレエの素養もありそうです。

ヨガ仲間と観に行ったのですが、彼女も遠藤瑠美子が印象に残っていたらしく帰りに「ヨガ頑張ろう・・」とお互い叱咤激励。彼女はともかく、私は遠藤瑠美子を目標にするには遠すぎる存在ですが。でも少しは努力しないと 。

速水真澄役の新納慎也はこなれていましたが、ちょっとイメージ違い。顔が本当に小さくて、プロポーションがよいのが群を抜いていましたが(隣に並ぶ人可哀想)、光沢のあるスーツ似合いすぎ(笑)。一企業のトップというよりも売れっ子ホストみたいでした。

辛口な感想ですが、トータルでは上に書いたようにとっても楽しめました。構成がうまいと思います。お勧めします。

これからいらっしゃる方もあるでしょうから詳細なストーリーは省きますが、音楽劇ということで、宝塚のイメージです。説明しづらいのですが劇団四季等のいわゆるミュージカルとはちょっと毛色が違うように思いました。

これまで2回しか宝塚を観ていない私がいうのも的外れかも知れませんが、メロディーラインや舞台の運びが宝塚を意識しているように感じました。

もしかして、「ガラスの仮面」読者≒ヅカファン、同一セグメント、という想定で顧客満足度向上を狙ったのでしょうか。ロマンティストという共通項はありそうです。

演出も、奥行きのとても深い舞台、客席を存分に使ったもので観客を飽きさせません。ただ「ガラスの仮面」についてまったく知らないと???ということもあるかもしれません。そういう方のために劇場1F通路に説明パネルがたくさん掲示されていますので、早めに劇場に入って予習されたらより楽しめると思います。

今回の「ガラスの仮面~二人のヘレン」も良かったですが、元タカラジェンヌの香寿たつきのうまさが光っていたので、「そういえば宝塚は実力派ぞろいで安定感がすごかったなあ」と思い出しました。またいつか行ってみたいです。「オスカルとフェルゼン編」など上演しないでしょうか。

↓劇場。宣伝カーも置いてありました。



観劇の前にいただいた、劇場隣接の「ビストロ やま」(パネルが貼ってある下の窓があるところ)の「紫のバラディナーのご紹介はこちら

ウサギ神社に行き、いかにも観光客用のディナーをいただき、そして観劇、と、日帰り旅行気分でした。楽しかった。

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(参考)主要役の出演者一覧

 大和田美帆 :北島マヤ
 奥村佳恵  :姫川亜弓
 細田よしひこ:桜小路優
 新納慎也  :速水真澄
 原康義   :小野寺
 月川悠貴  :青木麗
 岡田正   :源造
 黒木マリナ :二ノ宮恵子
 立石凉子  :北島春、原田菊子
 香寿たつき :姫川歌子





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1 コメント

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Unknown ()
2010-08-21 10:25:29
『ガラスの仮面』面白かったですね。
後日、演劇マニアの友人に所感を話したところ「大和田美帆は芝居上手よ」と言ってました。
ま、確かに配役が悪かったのかな?
例の歌が痛い感じだった人は、10日経って少しまともになってることを祈ります。
さらに続編出たら私も自分でチケット取ろうかと思ってます。
その前に宝塚や帝劇のミュージカルも興味ありです(*^o^*)
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